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冷却CMOS本格始動!

せっかく5月に冷却CMOS(ZWO ASI2600MC Pro)を入手したものの、月齢や梅雨の長雨などに祟られ、長いこと本格投入することができずにいました。しかし、19日の夜は久々に快晴になる予報で、体感温度的にも耐えられそうな雰囲気。おまけに週末は天気が崩れそ…

VSD100F3.8生産終了

特にアナウンスなどはないようですが、いつのまにやらビクセンのVSD100F3.8鏡筒が在庫払底、生産終了扱いになっていました。www.vixen.co.jp VSD100F3.8は、ビクセンがHOYA株式会社(当時のPENTAXイメージングの親会社)から正式に特許権及び図面の譲渡契約…

ネオワイズ彗星(C/2020 F3)格付けチェック

今回、みんなの耳目を集めたネオワイズ彗星(C/2020 F3)ですが、「立派な大彗星!」、「見えたけど思ったほどではない」、「そもそも天気が悪くて見えない orz」など、様々な声が聞こえてきます。 話題のネオワイズ彗星。昨夜観察された方も多いのではない…

ネオワイズ彗星(C/2020 F3)

1997年のヘール・ボップ彗星以来、北半球では長らく、見やすく明るい彗星が現れませんでした。しかし昨年末~今年前半にかけて、最近にしては珍しく、非常に明るくなるのではないかと思われる彗星が次々と現れました。 まずは2019年末に現れたアトラス彗星(…

長時間・少枚数露出 vs 短時間・多数枚露出

火曜日夜に行った実験の続き、2つ目は冷却CMOSにおける撮影条件の検討です。 これまで本ブログでは、デジカメでの撮影について、淡いところまで写すという目的においては、短時間・多数枚露出よりも長時間・少枚数露出の方が有利であることを指摘してきまし…

光害カットフィルターの比較

昨夜は梅雨時らしからぬカラッとした快晴。夏至直前で夜が短い上、平日でしたが、月の出までの時間を使って2つほど実験をしてみました。まず今夜は、光害カットフィルターの比較からです。 先日、冷却カメラを買った際、実は併せて光害カットフィルターも購…

ZWO製冷却カメラに便利な小物

先日、ウチにこんなものが届きました。 アカツキ製作所の「平クロス型アイベル水平器」(PTh-40)です。900円前後だったでしょうか。 www.kod-level.co.jp で、さっそく作業。室内に転がってた安い充電専用USBケーブルを切断して…… ででん!!((c) あぷらな…

ASI2600MC Proの感度

CMOSカメラは通常のデジカメと同様、感度を自由に変えることができます。この感度を示す数字が「Gain」(ゲイン)と呼ばれるもので、数字が大きくなるほど感度が高くなります。 ただ、このゲイン、数字はあくまで機種ごとの相対値で、実際の感度がどの程度な…

ASI2600MC Pro試運転

金曜の夜、薄雲がありましたが多少の星が見えていたので、自宅前でASI2600MC Proの試運転を行いました。実戦でのN.I.N.A.の使い勝手の確認も兼ねています。 本気でガッツリ撮る気もないので、鏡筒は小型軽量なミニボーグ60EDで。光害カットフィルターについ…

イメージングソフトの選定

ASI2600MC ProのようなCMOSカメラを使っていくにあたって、イメージングソフトに何を使うかは大きな問題です。 一眼レフなどと違い、CMOSカメラの場合は本体に操作部分がほとんどありません。つまり、ソフトが唯一のインターフェイスになるわけで、この使い…

ZWO ASI2600MC Pro簡易レビュー

去る4月30日、前夜の撮影後に仮眠をとって起きてくると、宅急便が届いてました。この大きさはもしやっ……!! はい、昨年末に注文したものの、コロナ禍に巻き込まれて出荷が大幅に遅れていたZWOのASI2600MC ProとEOS-EFマウントアダプターII、そしてオマケのD…

GW前半は「荒れ模様」

世の中、コロナ禍のせいで何かと暗くなりがちですが、こういう時こそ「ご近所遠征」が力を発揮するとき。いくら単独行とはいえ、遠くに遠征というのはさすがにマズいですが、徒歩で行けるご近所圏内ならあまり心配なし。というわけで、まずは先週末、久々に…

スーパームーン

先日の「アトラス彗星(ほぼ)終了」の記事は、Twitterでバズったこともあってか、前代未聞の大量アクセス。「通知が止まらないとはこのことか……」と嬉しい一方、内心冷や汗ダラダラでした。みなさま、ありがとうございます。 しかし、あの記事では「(ほぼ…

【悲報】アトラス彗星(ほぼ)終了のお知らせ

先日、アトラス彗星の挙動が不穏だという話題を取り上げましたが、海外からの報告で、どうやら核が分裂してしまったのは確かなようです。 www.astronomerstelegram.org さらにラ・パルマのリバプール望遠鏡(口径2m)での観測でも、核が3.5秒角に伸びており…

【速報】アトラス彗星がピンチ!?

久々の大彗星かと期待されているアトラス彗星ですが、少し心配なニュースが飛び込んできました。 Comet C/2019 Y4 (ATLAS) should be brightening. But my last 3 observations show some fading, not a good sign. pic.twitter.com/tVXtmdkV3t— Terry Lovej…

金星とプレアデス星団の接近

おうし座の散開星団、プレアデス星団(M45, すばる)は黄道に近い位置にあるため、しばしば惑星と大きく接近します。そして4月3日は、まさにプレアデス星団と金星とが大接近する日でした。 プレアデス星団と金星の接近はおおよそ8年おきに発生しますが、比較…

アトラス彗星近況

5月に明るくなるのではないかと期待されているアトラス彗星(C/2019 Y4)。発見以降、異常ともいえる速度で明るさを増していましたが、3月半ばくらいから増光の速度が明らかに鈍ってきました。 鈍ったタイミングは、彗星が太陽から1.8天文単位(au)にまで近…

「恋する小惑星」を検証してみた 第12話【最終回】

3か月間追いかけてきた「恋アス」も、ついに最終回を迎えました。この検証記事のシリーズも今回がラスト。第11話から引き続き、濃い天文ネタが満載ですが、気合を入れていきましょう。今回も長いです(^^; 「きら星チャレンジ」2日目の昼は勉強会からスタート…

「恋する小惑星」を検証してみた 第11話後半

さて、昨日に引き続き、第11話の後半戦です。前半パートを未読の方はこちらへどうぞ。 hpn.hatenablog.com 後半はいよいよみら達が小惑星探索に乗り出します。またしても天文ネタが山盛り満載なので、果たしてどれだけの分量になるか……。さっそく見ていきま…

「恋する小惑星」を検証してみた 第11話前半

いよいよ今回からは「きら星チャレンジ」。最終回に向けて一気に盛り上がってきました。モロに天文関連のイベントだけに、ネタは盛りだくさん。それだけに、一般にはあまりなじみのない用語なども頻発してましたので、そのあたりを含めて検証、解説していき…

迎撃・ATLAS彗星 & 赤道儀化AZ-GTi試運転

発見以来すさまじい勢いで増光し、本当に久々の大彗星になるかと注目のATLAS彗星(C/2019 Y4)。あまりの異常な勢いに、マイナス等級まで明るくなるのではと期待する傍ら、「コホーテク彗星(C/1979 E1)やオースチン彗星(C/1989 X1)みたいに増光に急ブレ…

「恋する小惑星」を検証してみた 第10話

新入部員2人が加わりスタートした新生地学部、今回は1年生の加入から新歓、そして夏の「きら星チャレンジ」まで一気に駆け抜ける回でした。ちょうど1年前(第2話)、みら達がもてなされる側だった新歓バーベキューを、もてなす側として追いかけることになる…

ビクセン、セレストロン製品の取り扱い開始

https://www.vixen.co.jp/post/200312a/ 先日、ビクセンの公式Twitterで「セレストロン製品、間もなく再始動」とのアナウンスがありましたが、いよいよ3月16日から一部製品の取り扱いを開始するとのニュースリリースが出ました。 取扱品目ですが、鏡筒は「Ed…

「恋する小惑星」を検証してみた 第9話

春は別れの季節。今回はそんな情景を描いた回でした。特に「面倒見のいいお姉さん」といった感じだったモンロー先輩が、こんなに部活をちゃんと楽しめていたんだ、と改めて気づくシーンには涙。登場人物、みんな不器用すぎだろ(泣 さて、今回は別れにスポッ…

明るくなるか?ATLAS彗星(C/2019 Y4)

【追記 2020/04/01】こちらの光度予測は古い情報です。最新の光度予測についてはこちらをご覧ください。 ここ数日、ATLAS彗星(C/2019 Y4)が明るくなるのではないかという話題がTwitterのTLをにぎわせています。直接のきっかけはこれですかね?We may have …

「恋する小惑星」を検証してみた 第8話

桜先輩の問題を扱った第4話~第5話の頃から心理描写が目立っていた本作ですが、今回は実にエモい回でした。元気に突っ走るけど、ときに周りが見えなくなりがちなみら、遠慮がちで困ったことがあっても自分で飲み込んでしまうあお、小さなところに気が付き、…

春の惑星状星雲祭り

今月の新月期はちょうど天皇誕生日を挟んだ三連休。狙ったかのように、連休中日の日曜夜はずっと晴れの予報だったので、近所のいつもの公園に出撃してきました。 春一番をもたらした低気圧が通過した直後ということで強風を心配していたのですが、家を出る直…

「恋する小惑星」を検証してみた 第7話

「恋する小惑星」の第7話は、久々にガッツリ天文回でしたね。先輩2人が引退して、イノ先輩率いる新生地学部の第1歩。まずは地元の天体観望会からのスタートです。 さて、それでは今回もいつものように天文ネタを回収していきましょう。 地学部に、地元の子供…

「恋する小惑星」を検証してみた 第6話

「恋する小惑星」の第6話は、タイトル通り文化祭回。前半は文化祭に向けての準備、後半は文化祭本番でした。 桜先輩の悩みは前回まででおおよそ解消されたようで、吹っ切れたような眩しい笑顔が印象的。後半では新キャラが顔見せ程度に出てくる一方、先輩た…

「恋する小惑星」を検証してみた 第5話

「恋する小惑星」の第5話、「夢や目標がない」という桜先輩にスポットが当たる話でした。これ、自分も含めて結構刺さる人が多いエピソードだったのじゃないかと思います。 桜先輩はきっと小さい頃から利発で大人びた子で、自分が決して才能に恵まれているわ…