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天文機材関連

ハート&ソウル 三態

前回の記事の続きです。 hpn.hatenablog.com レビュー用のフィルターのテストがひとまず終わったのが20時40分ごろ。空は快晴だし、まだまだ時間もあるので、フィルターを再度「SV220 H-Alpha & OIII デュアルナローバンドフィルター [3nm]」(以下、SV220 H…

Svbony 「SV220 H-Alpha&OIII デュアルナローバンドフィルター [3nm]」&「SV220 SII & OIIIデュアルナローバンドフィルター [7nm]」レビュー(実写編)

先日、Svbony Japan様から製品レビューの依頼を頂いた件について書きましたが、その後もなかなか晴れ間は訪れず、そうこうしているうちに発送の遅れていたもう1つのレビュー対象品「SV220 SII & OIIIデュアルナローバンドフィルター [7nm]」が送られてきまし…

フィルター厚の計測 ~光路長との関係について~

先月半ばに晴れ間があって以降、東京はずっと曇りか雨の日が続いています*1。レビュー依頼を頂いたSvbonyのフィルターも、まったくテストできないまま。おまけに先日、腰を痛めてしまって、向こう1週間ほどはたとえ晴れていたとしても望遠鏡を出すのもままな…

Svbony 「SV220 H-Alpha&OIII デュアルナローバンドフィルター [3nm]」レビュー(外観編)

先日、ありがたいことにSvbony Japan様から製品レビューの依頼をいただきました。 対象は以下の2つです。www.svbony.jpwww.svbony.jp このうち、まずは前者の「SV220 H-Alpha&OIII デュアルナローバンドフィルター [3nm]」について取り上げてみたいと思いま…

レデューサー使用時のオフアキ構成

9月の新月期はあまり天気に恵まれず、どうやら先日の土星撮影のみで終わってしまいそうです。となると、やることは機材いじりなわけで、ずっと以前から気になっていたことに手を付けることにしました。 ところで機材と言えば、6月頭にセレストロンとビクセン…

(いまさら)赤道儀化AZ-GTi本格投入

先の水曜深夜に引き続き、中1日で金曜を迎えました。 この日は、Windy(ECMWF, MSM)の予想では宵のうちからまずまずの天気ということで、出撃の準備をしていたのですが……夕方ごろから秩父・奥多摩方面の雲が流れてきて、あっという間に北天を中心に空の半分…

セレストロン「結露防止ヒーターリング」 レビュー

自分が使っている「対惑星・系外銀河砲」EdgeHD800ですが、シュミカセ系共通の弱点として「結露に極めて弱い」という問題がありました。 シュミカセは筒先に補正板がはまっていますが、この補正板は薄いガラスのため、撮影中に冷えやすく夜露が降りてしまい…

CP+ 2025

毎年恒例、CP+が今年もパシフィコ横浜で日曜まで開催されました。 なんだかんだで毎年レポートを書いてるのですが、年々長さが長くなり、昨年はとうとう正味2万字(!)に。さすがに「やり過ぎ」な感じがありますし、ニュース的な部分は天リフさんが、レポー…

月面写真とシーイング、フィルターの関係について

先日、だいこもん(id:snct-astro)さんがシーイングと望遠鏡の口径、分解能についての記事をアップされていました。snct-astro.hatenadiary.jp snct-astro.hatenadiary.jp さすがに理論もしっかりしていて「なるほど」と思うことも多く、大変参考になったの…

初物には要注意 ~QHY5III585M簡易レビュー(ドライバ編)~

前回からの続きです。hpn.hatenablog.com さて、オフアキ用に新調したQHY5III585Mですが、ハードウェアを一通り改めたところで、実際に使えるようにセットアップしていきます。 製品には、ショップが同梱してくれたUSBメモリがついてきています。 中身はASCO…

オートガイダー新調 ~QHY5III585M簡易レビュー(外観編)~

年が明けて早くも1か月近くがたち、夜半過ぎには春の星座が昇ってくるような時期になりました。となると毎年恒例「春の銀河祭り」もいよいよ……ということになり、「対系外銀河砲」ことEdgeHD800とオフアキシスガイダーが大活躍することになるわけですが、以…

2024年の振り返り

今年の冬は例年にも増して晴天率が高く、おまけに年末年始の月齢の巡りもよいので、気分的に落ち着きません(笑) とはいえ、容赦なく大晦日はやってくるので……毎年恒例の振り返りをやっておきましょう。 まずはハードウェアについて。 去年は「現有戦力を大事…

VSD90SSレビュー まとめ

本日、とうとうVSD90SSとのお別れの日がやってきました。またいつの日か、大きくなって帰ってこいよ~!(ぇ さて、VSD90SSがウチに来てから約2週間ちょっと。VSD90SSを可能な範囲で使い倒したので、本レビュー企画のシメとして、評価をまとめてみようと思い…

VSD90SSレビュー(月・惑星撮影編)

さて、VSD90SSの返却期限も迫ってきて、本レビューもいよいよ最終盤です。 17日夜は「中秋の名月」でした。夕方に空を見るときれいに晴れていて、きれいな月がぽっかりと浮かんでいます。これはチャンスということで、月が南中する前後を狙ってVSD90SSをセッ…

VSD90SSレビュー(眼視編)

ひとまず実写もしたし……ということで、一昨日はVSD90SSを眼視目的で引っ張り出してみました。 当たり前ですが、VSD90SSは基本的に写真向きの鏡筒で、眼視目的に使うような鏡筒ではありません。とはいえカタログ上は、ストレール比で比較すると同社の2枚玉ED…

VSD90SSレビュー(実写編)

さて、いよいよお待ちかねの「実写」です。 先の記事で書いた通り、ターゲットは「淡い赤いの」ということにします。最初は網状星雲あたりを撮って、他鏡筒で撮った過去写真と比較でもしようかと思ったのですが、過去写真とは色々と撮影条件が違ってて比較の…

VSD90SSレビュー(番外編) L-Ultimateの特性について

さて、VSD90SSについては基礎性能チェックも終わり、いよいよ実写テスト……というところなのですが…… 撮影テストを行うにあたり、「明るくできる鏡筒を使うのだから、淡い対象を狙いたいよね」ということで、せっかくなので「レデューサーV0.71x」と手持ちの…

VSD90SSレビュー(フラット&星像編)

さて、VSD90SSのレビュー第2回目です。 今回はフラット画像、および実際の星空を撮影してみて、どのような結果になるかを確認してみようと思います。あちこちですでに立派な結果が発表されているのでいまさらですが、普及価格帯の鏡筒との比較という面も含め…

VSD90SSレビュー(外観編)

先週9月4日の水曜日、とうとう「ブツ」が我が家に到着しました。 レビュー用の機材、ビクセンのフラッグシップ機「VSD90SS」です。 ちなみにこのVSD90SS、メーカー小売希望価格は税込682000円ですが…… 自分が撮影用に所有している鏡筒 ED103S:163800円(購…

VSD90SSレビュー プロローグ~VSD90SSという鏡筒について

既にご存じの方はご存じだと思いますが、この度「天文リフレクション」さんの「ビクセンVSD90SS鏡筒・天リフ読者 リレーレビュー」に参加させていただけることになりました。 reflexions.jp 実際のレビュー期間は来月からになる予定ですが、そのプロローグと…

ガイド鏡追加

普段、撮影時のガイド鏡としてはBORGの「ペンシルボーグ25」(生産完了品)を用いています。口径25mm、焦点距離175mmのF7と少々暗いですが、導入当時(2014年)としてはそれほど高価というわけではなく、星像も申し分ないので現在まで便利に使用しています。…

ナローバンドフィルターはエタロンフィルターの夢を見るか?

【 警 告 】以下の記事は、筆者の自己責任の下、機器を保証外・目的外の方法で使用しています。一応、筆者は十分な下調べの上で実行していますが、太陽という極めて危険な天体を対象としていることもあり、ちょっとしたことで物品的、肉体的に極めて重大かつ…

CP+ 2024

毎年恒例、CP+が今年もパシフィコ横浜で今週末まで開催されています。 完全にコロナ禍から脱した(脱したとは言ってない)中で、各社がどのような展示を行うのか注目……ということで、例年通り、天文関連製品中心にレポートしていきたいと思います。 ビクセン…

2023年の振り返り

今年は温暖化のせいか、夏も冬も高温傾向。もう年の瀬だというのに気温高めで全く年末という気がしないのですが……カレンダーは確かに12月31日です。なので、毎年恒例の振り返りを行っておきましょう。 まずはハードウェアについて。昨年末の振り返りでは「現…

惑星撮影システムの見直し

ここ数年に比べると、木星も土星も高度が上がってきて、まさに惑星シーズン到来!という感じ。SNS上にも素晴らしい写真がたくさん上がっていて、本当なら「よーし、ウチも!」というところなのですが、実は惑星の撮影に関して悩みを抱えていました。それはズ…

ED103S スペーサー交換

先の記事でも少し触れましたが、ビクセンでは今、「103S /115S鏡筒シリーズ スペーサー交換キャンペーン」というのをやっています。 www.vixen.co.jp ビクセンの2枚玉SD屈折鏡筒は、手頃な価格ながらも、SDフラットナーHDやレデューサーHDと組み合わせれば撮…

Askar FRA300 pro試写

先週木曜、うまい具合に晴れ間が出たので、月没後を狙っていつもの公園に出撃してきました。 目的はFRA300 proの試写。以前書いた通り、FRA300 proでは、おそらくレンズ間ないしレンズ~CMOS or フィルター間の反射のせいで、画像中心部が日の丸状に明るくな…

Askar FRA300 proレビュー(星像編)

「Askar FRA300 proレビュー(フラット編)」の続きです。 hpn.hatenablog.com 昨夜、久々にきれいに晴れたので、自宅玄関先でFRA300 proの星像テストを行いました。 一応、メーカー公表のスポットダイアグラムはこちら。 撮像素子がAPS-Cなら、右上「13.914…

Askar FRA300 proレビュー(フラット編)

「Askar FRA300 proレビュー(外観編)」の続きです。 hpn.hatenablog.com 先日、「☆COSMOの天文工房」*1さんに発注していた、FRA300 pro用の接続リングが出来上がってきました。 モノは「M76P1.0B⇔M57P0.75B接続リング」。FRA300 proの接眼アダプタ取り付け…

Askar FRA300 proレビュー(外観編)

昨年末、「ボーグのレデューサー0.85×DG【7885】のイメージサークルがAPS-Cに対してギリギリすぎる」というのを例に挙げつつ、「とりあえずは、現有戦力を大事に大事に使っていきたいと思います。」と書いたような気がします。 ……というか、実際に記事が残っ…