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天文機材関連

CP+ 2024

毎年恒例、CP+が今年もパシフィコ横浜で今週末まで開催されています。 完全にコロナ禍から脱した(脱したとは言ってない)中で、各社がどのような展示を行うのか注目……ということで、例年通り、天文関連製品中心にレポートしていきたいと思います。 ビクセン…

2023年の振り返り

今年は温暖化のせいか、夏も冬も高温傾向。もう年の瀬だというのに気温高めで全く年末という気がしないのですが……カレンダーは確かに12月31日です。なので、毎年恒例の振り返りを行っておきましょう。 まずはハードウェアについて。昨年末の振り返りでは「現…

惑星撮影システムの見直し

ここ数年に比べると、木星も土星も高度が上がってきて、まさに惑星シーズン到来!という感じ。SNS上にも素晴らしい写真がたくさん上がっていて、本当なら「よーし、ウチも!」というところなのですが、実は惑星の撮影に関して悩みを抱えていました。それはズ…

ED103S スペーサー交換

先の記事でも少し触れましたが、ビクセンでは今、「103S /115S鏡筒シリーズ スペーサー交換キャンペーン」というのをやっています。 www.vixen.co.jp ビクセンの2枚玉SD屈折鏡筒は、手頃な価格ながらも、SDフラットナーHDやレデューサーHDと組み合わせれば撮…

Askar FRA300 pro試写

先週木曜、うまい具合に晴れ間が出たので、月没後を狙っていつもの公園に出撃してきました。 目的はFRA300 proの試写。以前書いた通り、FRA300 proでは、おそらくレンズ間ないしレンズ~CMOS or フィルター間の反射のせいで、画像中心部が日の丸状に明るくな…

Askar FRA300 proレビュー(星像編)

「Askar FRA300 proレビュー(フラット編)」の続きです。 hpn.hatenablog.com 昨夜、久々にきれいに晴れたので、自宅玄関先でFRA300 proの星像テストを行いました。 一応、メーカー公表のスポットダイアグラムはこちら。 撮像素子がAPS-Cなら、右上「13.914…

Askar FRA300 proレビュー(フラット編)

「Askar FRA300 proレビュー(外観編)」の続きです。 hpn.hatenablog.com 先日、「☆COSMOの天文工房」*1さんに発注していた、FRA300 pro用の接続リングが出来上がってきました。 モノは「M76P1.0B⇔M57P0.75B接続リング」。FRA300 proの接眼アダプタ取り付け…

Askar FRA300 proレビュー(外観編)

昨年末、「ボーグのレデューサー0.85×DG【7885】のイメージサークルがAPS-Cに対してギリギリすぎる」というのを例に挙げつつ、「とりあえずは、現有戦力を大事に大事に使っていきたいと思います。」と書いたような気がします。 ……というか、実際に記事が残っ…

CP+ 2023

前回のリアル開催から実に3年、コロナ禍を乗り越えて、CP+がパシフィコ横浜で今週末まで開催されています。 リアル開催でないと聞けない情報もありますし、実に久々なので楽しみ……というわけで開催初日、ちょうど祝日なので行ってきました。例年通り、天文関…

「BORG55FL+レデューサー7880セット」への48mmフィルター取付方法

昨日のエントリーで、「『BORG55FL+レデューサー7880セット』に48mm*1のL-Ultimateフィルターを付ける手段がない」という話をしました。hpn.hatenablog.com L-Ultimateはその特性上、F4以上の鏡筒での使用が推奨されています。一方、「BORG55FL+レデューサ…

(ようやく)本年初撮り

My new gear…… hpn.hatenablog.com年末に「めちゃくちゃマイニューギアりたい~」と心の声が漏れていましたが、年始早々、やってしまいました。 はい、OptolongのL-Ultimateフィルターです。正規代理店のシュミットには残念ながら在庫がないようだったので、…

2022年の振り返り

今年も、早くも残り数時間となりました。どうも今年は例年にも増して年末感が薄く……。25~26日まで撮影して、29日ごろまで画像処理やってたせいでしょうか(^^; まぁ、2023年の正月は幸い(?)月齢の巡りが悪いので、2022年よりはゆっくり過ごせそうです。 …

月食に向けて

8日はいよいよ皆既月食&天王星食。幸い、天気もよさそうで、絶好の観望日和になりそうです。 というわけで、メインになる予定の機材を仮組してみました。 メイン鏡筒にED103S+SDフラットナーHD、サブ鏡筒にMAK127SPを同架しています。鏡筒&カメラ自体の重…

ASI2600MC Pro保護ウィンドウ交換

普段メインで使っている冷却CMOSカメラASI2600MC Pro。性能含めおおむね満足なのですが、1つだけ不満がありました。それは、センサーの手前にある保護ウィンドウがUV-IRカットフィルターになっていること。これがあるため、このカメラでは赤外線撮影が不可能…

ヘッドランプ新調

普段、天体観測の際に明かりとして使用しているのはEnergizerのHDL-3LED-JNというモデルです。価格が比較的安かった上、スイッチがスライド式で、一発で赤ランプが点灯できるのが便利で愛用していました。 しかし、長年使っているとヘッドランプのゴムがどう…

MAK127SPの写真適性

金曜夜、曇りがちだったWindy(ECMWF)の予測に反して良く晴れたので、以前から試してみたいと思っていた計画を発動しました。その計画というのは、Sky-Watcherの比較的安価なマクストフカセグレン「MAK127SP」で惑星状星雲を狙うことです。 MAK127SPは口径1…

お買い物♪

先週、とある物品を購入しました。SIGHTRONの「StellaScan 2x40 Mono」です。以前から買おうかどうしようか迷っていたのですが、サマーセールで安くなっていたのでつい(^^; 俗に「星座双眼鏡(単眼鏡)」などと言われている類の製品で、広視野・超低倍率なの…

川の流れのように

月曜夜、本来なら平日ですが、新月期&風の穏やかな快晴ということもあり、いつもの公園に出撃してきました。 夜半前まではBORG55FLで「かもめ星雲」ことIC2177を撮影していたのですが、その話は後日するとして……この日のメインはもう1つ。昨年末、惨多苦老…

2021年の振り返り

早いもので、今年ももうあとわずか。年々、年末という感慨が薄れている気がするのですが、これも歳のせいでしょうか……(^^; ともあれ、今年も色々ありました。軽く振り返ってみましょう。 今年はあまり機材には投資せず、手持ちのもので色々と撮り方をチャレ…

近赤外で撮りたかっただけなんだ

※以下の小話はフィクションです。実在の人物や団体、物品、また実際に起こった出来事とは一切関係ありません……関係ないはず……ないといいなぁ。 クリスマスイブの深夜、俺は自室でひとり、パソコンの画面と向かい合っていた。ZWOが新型赤道儀を発表したのだ。…

AM5赤道儀発表

天体用CMOSカメラから始まって、年々様々な天文機器に手を広げてきたZWOですが、ここにきてついにというかなんというか、まさかの赤道儀を出してきました。 astronomy-imaging-camera.com ウェイトのない特徴的な姿を見て分かる通り、最近採用例の増えてきた…

ショックコード交換

普段の天体撮影時、野外で当然椅子に座るわけですが、この椅子として使用しているのが、軽さ・コンパクトさと座り心地を両立させたことで一躍名を馳せた「Helinoxチェア」です。私が使っているのは「Helinoxチェア エリート」(販売終了品)というモデルにな…

冷却CMOSカメラの撮影条件テスト

HIROPONは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の光害を除かなければならぬと決意した。HIROPONには物理・数学がわからぬ。HIROPONは、バイオ研究者である。遺伝子を切り貼りし、大腸菌と遊んで暮して来た。けれども画質に対しては、人一倍に敏感であった。オサマ・…

SD60SS発表

先日からティザー広告が出ていたビクセンの新製品が、7日夕方、ついに発表になりました。camp-fire.jp 製品名は予想通り「SD60SS」。まずはクラウドファンディングを利用した数量限定での販売という形になります。今まであまり見なかったやり方ですが、話題…

ビクセンの新製品

昨日、ビクセンオンラインストアのTwitterアカウントから、突然、意味深なツイートが流れてきました。 ビクセン オンラインストア限定!“漆黒の異端児”がやってくる!?まずはフォローして続報を待つべし。 pic.twitter.com/CxkTOEl2yB— ビクセン オンライン…

あれから10年も この先10年も

ついうっかり忘れていたのですが、この夏で、天文趣味に復帰してから丸10年になりました。実際に経ってみると、10年などというのは本当にあっという間です。 この10年の間には、機材などの進歩に加え、使っていた観測地が潰れたり、母親が脳内出血で倒れて介…

低品質YouTube動画の憂鬱

TwitterのTL上(天文関係にめちゃくちゃ偏ってますが)で、とある動画が悪い意味で話題になっていました。 ↓これです。www.youtube.com うっかり再生すると、再生数上昇の片棒を担いでしまうことになるのでお勧めしませんが……とにかくこれが酷いのです。 動…

EdgeHD800 オフアキシスシステム再調整

ASI2600MC Proが手元に届いて約1年になりますが、面倒でずっと後回しにしていたのがEdgeHD800のオフアキシスシステムの調整です。 EdgeHD800の場合、光学系内(バッフル内)に補正レンズが組み込まれているため、設計通りの性能を発揮させるには接眼部~セン…

国内で簡単に入手できる望遠鏡一覧(口径15cm以下~25cmクラス編)

おかげさまでご好評いただいている「国内で簡単に入手できる望遠鏡一覧」、今回は口径10cmを超える鏡筒を取り上げたいと思います。前回はこちらから。 hpn.hatenablog.com なお、表中では光学系ごとに色を分けていて、ピンクが屈折系、青が反射系、紫がカタ…

国内で簡単に入手できる望遠鏡一覧(口径6cm以下~10cmクラス編)

今を去ること7年半前、EdgeHD800を購入する際に口径20cmクラスの望遠鏡について、横並びにまとめて比較・検討したことがありました。 hpn.hatenablog.com この記事、いまだにそれなりのアクセスがあって、「望遠鏡のスペックを一覧にする」ということに需要…