先日、ウチにこんなものが届きました。
アカツキ製作所の「平クロス型アイベル水平器」(PTh-40)です。900円前後だったでしょうか。
www.kod-level.co.jp
で、さっそく作業。室内に転がってた安い充電専用USBケーブルを切断して……
ででん!!((c) あぷらなーと)
はい、USBプラグと水平器がくっつきました。これをどう使うかというと……
こう使います。ASI2600MC Proの空いているUSB端子に差し込み、カメラの水平・垂直を取るのです。
これまで使っていた一眼レフの場合、ホットシューに水平器を付けることで水平・垂直を取れましたが*1、ZWOのCMOSカメラはどれも円筒形で、水平・垂直を決めるのが容易ではありません。しかし、こうやって水平器を取り付ければ、カメラの傾きを直せる=CMOSの傾きを直せるというわけです。同社の冷却カメラなどには同じ手が使えるはずです。*2
ところで、カメラの傾きを直すと何が嬉しいかですが、天体写真における構図の傾きを簡単に直すことができます。
あくまで「原則として」ですが、星雲・星団の写真は、特段の作画上の意図がない限り、天の北極の方向を画面の上方向に合わせるのが基本です。問題はこれをどうやって合わるかですが、撮影して試行錯誤しながら合わせるよりは、撮影の前……望遠鏡のセッティングの段階でカメラの向きを決めてしまった方が厳密に向きを合わせることができます。
例えば、屈折望遠鏡のように接眼部と視線方向が同じ方向を向いている望遠鏡の場合、望遠鏡をセッティングし、鏡筒が真北を向いている状態(カタログでよく見かけるあの姿)でカメラを装着します。このとき、水平器でキッチリ水平を取ると、カメラの写野は下図のようになるはずです。
北を上にした縦構図になるのが分かるでしょうか?
同様に、カメラを垂直にセットすると……
今度は北を上にした横構図になります。
分かっている人にとっては分かり切った話ですが、ちょっとした道具さえあれば事前のセッティングの段階で構図の傾きを直せますので、便利かと思います。