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太陽活動領域3664

この土曜日、朝からきれいに晴れたので、活発な活動で話題の太陽黒点を玄関先から狙ってみました。


使用鏡筒は、日中ということもあり筒内気流の影響も考えてED103S。筒先にはBaaderのアストロソーラーフィルムを取り付け、カメラについてはフリップミラーの一方にEOS KissX5を取り付け全景を、もう一方にはASI290MMを取り付けて黒点のクローズアップを狙います。今から思えば、赤外フィルターを取り付けてシーイングを少しでもキャンセルした方が良かったかもしれませんが、まぁ、極端に大きな差はないでしょう、多分。


なお、当然のことですが、太陽観測には大変な危険が伴います。光を集める望遠鏡を使うならなおのこと。減光対策がしっかりしていないと機器の破損・焼損のみならず、火傷や失明の可能性もあります。筒先に専用の減光フィルターを取り付ける*1のはもちろんのこと、風などでフィルターが飛ばないようにテープで固定する、カメラの光学ファインダーは直接覗かない*2、といった注意が必要です。


また、つい忘れがちですが、望遠鏡のファインダーも要注意。可能なら取り外してしまうか、せめて蓋をしておきましょう。


太陽投影板を使う場合は、接眼部と投影板の間に顔や手足が来ないよう、厳重な注意が必要です。特に子供は、望遠鏡を覗き込もうとする可能性があるので絶対に目を離さないよう。




2024年5月11日11時50分 ED103S(スペーサー改造済)(D103mm, f795mm) SXP赤道儀
Canon EOS KissX5, ISO100, 1/1600秒×32
Baader アストロソーラーセーフティーフィルム使用
ステライメージVer.9.0o, waveSharp 1.0 betaで画像処理

まずは太陽全景。なんといっても右下の大黒点群(活動領域3664)が目に付きます。このところ活発にフレアを起こしているのがここです。また、中央上には小さめの黒点(活動領域3667)が見えていますが、もし平穏期であればこれでも「立派な黒点」と認識されていたはずです。




2024年5月11日12時11分 ED103S(スペーサー改造済)(D103mm, f795mm) SXP赤道儀
ZWO ASI290MM, Gain=0, 0.35ms×約6800フレーム
Optolong UV/IRカットフィルター, Baader アストロソーラーセーフティーフィルム使用
AviStack2で画像処理

活動領域3664のアップ。暗部と半暗部が非常に複雑に入り組んでいます。黒点群としてはほぼ最大級に発達した姿で、これがフレアを盛んに起こし、低緯度オーロラの原因になっていたわけです。


ちなみにこの低緯度オーロラ、昨夜はTVのニュースでも大々的に報道されていて、ほんとどお祭り騒ぎでしたが、残念ながらさすがに東京で確認できたという話は聞きません。栃木の戦場ヶ原や兵庫県香美町では確認できたらしいので、緯度的に不可能ではなさそうなのですが……さすがに光害が厳しすぎるでしょうね。波長630nmあたりのバンドパスフィルターを付けたカメラで低空を継続観測していれば、もしかしてもしかすると存在確認くらいはできるかもしれませんが……。


【追記】
なんと、青梅で観測できたという報告が出てきました。都内でも、光害が少ない場所なら可能性が……。




戯れに同縮尺で地球を10個横に並べてみましたが、活動領域の大きさはそれを上回ります。さらに、活動領域が正面を向いていないことを考えると、実際の横幅はさらに大きいはずで、本当にとんでもない大きさです。


ちなみに、ちょうどid:rnaさんがこの前日に同領域を撮影されていますが、わずか1日のうちに形状がかなり変わっているのが分かります。活動が活発な証拠でしょう。

rna.hatenablog.com




2024年5月11日12時20分 ED103S(スペーサー改造済)(D103mm, f795mm) SXP赤道儀
ZWO ASI290MM, Gain=0, 0.35ms×約4400フレーム
Optolong UV/IRカットフィルター, Baader アストロソーラーセーフティーフィルム使用
AviStack2で画像処理

こちらは北側の活動領域。右が3667、中央が3670(下)と3671(上)、左が3672です。活動領域3667など、半暗部がハッキリしている上に暗部も2つあってなかなか立派なのですが、いかんせん3664の威容の前には霞んでしまいますね。

*1:太陽投影板やハーシェルプリズム(サンプリズム、サンダイアゴナルプリズムとも)を使う場合を除く。

*2:特に、写真用のNDフィルターは一般に赤外線を透過してしまうので、一見減光しているように見えても熱線が素通しで危険です。