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天文関連

「恋する小惑星」を検証してみた 第7話

「恋する小惑星」の第7話は、久々にガッツリ天文回でしたね。先輩2人が引退して、イノ先輩率いる新生地学部の第1歩。まずは地元の天体観望会からのスタートです。 さて、それでは今回もいつものように天文ネタを回収していきましょう。 地学部に、地元の子供…

「恋する小惑星」を検証してみた 第6話

「恋する小惑星」の第6話は、タイトル通り文化祭回。前半は文化祭に向けての準備、後半は文化祭本番でした。 桜先輩の悩みは前回まででおおよそ解消されたようで、吹っ切れたような眩しい笑顔が印象的。後半では新キャラが顔見せ程度に出てくる一方、先輩た…

「恋する小惑星」を検証してみた 第5話

「恋する小惑星」の第5話、「夢や目標がない」という桜先輩にスポットが当たる話でした。これ、自分も含めて結構刺さる人が多いエピソードだったのじゃないかと思います。 桜先輩はきっと小さい頃から利発で大人びた子で、自分が決して才能に恵まれているわ…

「恋する小惑星」を検証してみた 第4話

「恋する小惑星」の第4話は「合宿回」ということで、キャッキャウフフで終始するのかと思いきや、それぞれが自分の夢を再確認する大事な回でした。夢や目標を見つけられないでいる桜先輩の焦りや諦めがほの見えていたり、先生の高校生へ向ける優しい目線など…

過去の彗星振り返り その2

前回からの続きで、2000年以降の彗星について振り返ってみたいと思います。このあたりになってくると、現在大学生くらいの若い方でも、見たことがある彗星が出てくるのではないかと思います。前回同様、各彗星の光度データはComet Observation Databaseに集…

過去の彗星振り返り その1

先日来、Twitter上で「#初めて見た彗星」という話題が一部で盛り上がっています。私の観測範囲では、ハレー彗星と答えた方が最も多そうな雰囲気でしたが、世代によってそれ以外の彗星を上げる方も多く、なかなか面白いことになっていました。奇しくも「恋す…

「恋する小惑星」を検証してみた 第3話

今回は昼間の日常回ということで、さすがに天文ネタはほとんどなしでした。 星が写っているカット自体、テスト前にあおがベランダから眺めていた空*1と、いの先輩が桜先輩と電話でお話ししているときに窓から見えていた空*2くらい。星の位置の描写が正確なの…

「恋する小惑星」を検証してみた 第2話

先日書いた「恋する小惑星」の検証記事、普段こちらのブログに訪れないような一般の方にもなんか妙に評判が良かったので*1、調子に乗って今回も天文パートに限って軽く見ていってみましょう。 まずはセッティングを始めたこの場面。 この日は観測会。前回の…

「恋する小惑星」を検証してみた

先日から放送が始まった「恋する小惑星」。 koiastv.com 一般に「女の子同士のきゃっきゃうふふ」が定番のきららアニメとはいえ、アストロアーツやビクセン、国立天文台などが協力していて、かなりガチな内容になっているとの事前情報があって、期待していた…

暗いベテルギウス

「ベテルギウスが暗くなってる!」 そんな話がここ最近、TwitterのTLをにぎわせています。ベテルギウスは元々変光星で、天文年鑑によれば0.0~1.3等の間で変光しますが、これを大きく下回っているのではないかとのこと。報告の中には1等星を下回ったなどとい…

祝・星ナビ掲載!

なんと嬉しいことに! ついに今月号の星ナビに!! 掲載されました!!! ……って、写真入選とかじゃないのですけど(^^; 以前書いた、光害カットフィルターに関しての記事についてですね。hpn.hatenablog.com hpn.hatenablog.com 言及されていたのは、「都会…

天体カタログ覚え書き

先日、Twitter上でこんなやり取りがありました。 Trumpler 5 (Tr5) = Collinder 105 (Cr105)ですね。直接的な情報だとhttps://t.co/3jQEgLCmIKとかhttps://t.co/RcS3vqepWTとか。この手のマイナーなカタログの取っ掛かりとしては、例えばここなんかが参考に…

写っていた意外な天体

先日撮影したM59とM60の写真ですが、色々調べているうちに、ちょっと面白い天体が写っていることに気が付きました。 上の写真でマーカーを付けた天体ですが、一見ただの星のようにしか見えません。ところがこれ、なんと銀河なのです。 それぞれM59cO、M59-UC…

天体観測に赤いライトは最適か?

先日、あぷらなーとさんが電球色のLED照明を購入したことを話題にされていましたが、それで思い出したのがSky & Telescope誌の2016年6月号にあったRobert Dick氏の” Is Red Light Really Best?”という記事です。www.skyandtelescope.com これまで、天体観測…

PHD2マニュアル更新(v2.6.5対応)

大変遅くなりましたが、PHD2の日本語マニュアルをv2.6.5対応のものに更新しました。ダウンロードはこちらから。(PDF形式) 今バージョンの最大の変更点は、極軸設定機能が付け加わったこと。従来からある「ドリフトアライメントツール」に加え、極付近の星…

ZinioとSky & Telescope電子版

数年前から、天文関連の情報入手のためにアメリカの老舗天文雑誌「Sky & Telescope」の電子版を購読しています。月1000円近くかかる国内誌と比べ、29.95ドル/年という安さの上、内容はとても充実。電子版自体も、ウェブ上から各種デバイスでアクセス、閲覧が…

「ターコイズフリンジ」が見える仕組み

月食の時に見られた「ターコイズフリンジ」ですが、話題になっている一方で、これが見られる理由についてかなり不正確な情報も出回っているようです。そこでこれを含め、月食の時に見られる「色」についてざっくり解説してみようと思います。 なお、私自身は…

皆既月食

昨夜は2015年4月以来、約3年ぶりとなる皆既月食でした。もっとも、前回の2015年4月は悪天候で全く見られず、前々回の2014年10月8日も欠け始めの30〜40分ほどで厚い雲に阻まれ、皆既月食のハイライトである「赤い月」を見ることはできませんでした。自宅から…

月食の準備

いよいよ明後日に迫ってきた皆既月食ですが、これを迎え撃つべく機器の仮組みをしてみました。メインはED103S+SDフラットナーHD。これに無改造のEOS KissX5を組み合わせる予定です。実焦点距離は811mm、35mm判換算で約1300mmなので、月全体を収めるにはちょ…

植物の星座がない?

先日、Twitterでちょっと面白いツイートを見かけました。そういえば、この前の星空案内人の講座であった植物の星座は無いっていうのなんでなんですかね?— でるた (@sankakuzassou) 2017年10月17日……言われてみれば、たしかにその通りです。 植物単体の星座…

「ベツレヘムの星」の謎

(クリスマスネタということで、以前、旧サイトに載せていたコンテンツを一部修正して再掲します。この手の雑学、案外需要があるようなので……(^^;)みなさんは「ベツレヘムの星」ってご存知ですか?こう聞くと、たぶんかなり多くの人が「はて?」と首をかし…

ステライメージ7におけるフラット補正

最近、撮った写真のフラット補正にだいぶ気を遣うようになってきたのですが、そこでよく利用しているのが「ステライメージ7」から搭載されている「ガンマフラット」です。これは、ライトフレームとフラットフレームがきちっと合っていない場合に、フラットフ…

Sky&Telescope購読開始

以前からどうしようかとは思っていたのですが、アメリカの老舗天文雑誌「Sky&Telescope」の電子版を購読することにしました。 価格は29.95ドル/年…今のレートだと、日本円で3600円くらいでしょうか。「天文ガイド」が800〜1000円/月程度(冊子体、電子版とも…

LED普及の憂鬱―ノーベル物理学賞受賞は天文趣味にとどめを刺すか?

今年のノーベル物理学賞は、赤崎、天野、中村の三氏でした。研究内容はご存じ「青色発光ダイオード」。この発明によって、安価かつ高効率、低消費電力の照明が実現しました。今や白熱電球はもちろんのこと、蛍光灯すら駆逐する勢いで広まりつつあります。一…

皆既月食

昨夜の月食、ご覧になった方も多いと思いますが、ウチのあたりでは嫌がらせのごとく東の空が厚い雲に覆われ、、欠け始めの正味3〜40分ほどしかまともに観察できませんでした。赤い月もとうとう見られずじまい…どころか、月食終了後には雨までパラついてくる…

PHD2マニュアル その3

間がちょっと空いてしまいましたが、PHD2のマニュアルの続き、「詳細設定」についての章です。ある意味、PHD2最大のキモとなる部分です。

PHD2マニュアル その2

昨日の記事の続き。今回はPHD2のヴィジュアライゼーションツール(視覚化ツール)についての章です。

PHD2マニュアル その1

PHD2のマニュアルのPDF版を公開したわけですが、ブログのエントリとしても、その内容をこれから数日に分けて紹介していきたいと思います。というわけで、第1回目の今回は、序からPHD2の基本的な使い方までです。

PHD2マニュアル 日本語訳

天体のガイド撮影において、デファクトスタンダードともいえるツールがStark Labsの「PHD guiding」ですが、現在、その後継である「PHD2」が開発、公開され、さらなる改良がオープンソースで進められています。PHD2では、PHD guidingの使いやすさはそのまま…

アイソン彗星の光度予測

いよいよ、話題のアイソン彗星の近日点通過まであと20日を切りましたが、発見当初の「最大-13等」という予想はおろか、かなり悲観的な明るさになりそうなのが確定しつつあります。彗星が明るくなることを当て込んだ企画等も多数立ち上がっているようですが、…