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2024年の振り返り

今年の冬は例年にも増して晴天率が高く、おまけに年末年始の月齢の巡りもよいので、気分的に落ち着きません(笑) とはいえ、容赦なく大晦日はやってくるので……毎年恒例の振り返りをやっておきましょう。




まずはハードウェアについて。


去年は「現有戦力を大事に」とか言いつつ、早々にFRA300 proに手を出してしまいましたが、今年は本当に自重。天文関係の光学系で新しく増えたのはせいぜい、口径32mm、F4のガイド鏡くらいです。

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サブ機側でガイドをする用に買ったのですが、5000円以下という激安価格にもかかわらず、性能的には必要十分といった感じです。今のところ、活躍の場はそれほど多くないのですが、1本あれば精神的にも安心です。



そして、サブ機の運用とも絡みますが、カメラ・望遠鏡制御用のPCを一新しました。

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これまでの環境がWindows11非対応の上、サブ機の制御に使っていたPCの方は、そもそもUSB2.0までにしか対応していないという骨董品だったので、いい機会でした。こちらも2台あわせて5万円ちょっとという格安ぶり。自分的にはなかなかいい買い物をしたと思っています。



そうそう。中古と言えば、久々にペンタックスの一眼レフで使う用に、「DA FISH-EYE10-17mmF3.5-4.5ED[IF]」を確保しました。


超広角レンズ的にも使えるズーム付きの対角魚眼で、以前から欲しかったのです。ちょうど今年、ご近所に「三宝カメラ」さんが移転してきたのですが、そこのツイートを見かけてつい……。



(c) まるよのかもめ/白泉社


一方、体感的にそれほど安く済まなかったのがコンデジの更新。これまで使っていたPowerShot S120が相当くたびれてきたこと、そしてPowerShot G7 X MarkIIが終売になることが重なって、終売の発表があった直後に手を出してしまいました。お値段およそ8万円……。

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いいカメラだし、手を出したことに後悔はありませんが……外的要因で急かされるように「買わされた」感じがするのは釈然としません。コンデジというジャンル自体が消滅寸前でなければこんなことには……。もう1回くらいコンデジブーム再燃しませんかね?



あと、自分で購入したわけではないけど、VSD90SSのレビュー企画に参加させていただいたのも大きなトピックです。

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使ってみると期待にたがわぬ素晴らしい性能で、まさに「ビクセンの本気」を全身で主張する鏡筒でした。「安心して使える」ことが、これほどストレスフリーで快適なものかと……。ただ、財布に対しては逆に極めてストレスフルなので、そこをどう考えるかですね(笑)




さて、次は今年撮影した写真について。一覧がこちら(オリジナルサイズはこちら)。



ちゃんと仕上げたのは43枚で、例年に比べて大幅増です。その主な原因は、上の画像の中央付近にまとまっている球状星団たち。夏場にかけて、このあたりにラッシュをかけたおかげで、とうとう12年越しに東京都心からメシエ天体110個をコンプリートすることに成功しました。やはりこれが、個人的な今年最大のトピックでしょうか。

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まぁ、もたもたと12年もかけている間に電視観望が普及し、SeeStarのようなオールインワンソリューションも登場して「メシエ天体制覇」もすっかり敷居が低くなってしまったのですが……( ̄▽ ̄;ゞ



5月には「DSO用のナローバンドフィルターで太陽のプロミネンスを捉える」という阿呆なことにチャレンジ。冗談半分だったのですが、思った以上にしっかり写って、いい意味でびっくりしました。

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もっともこれも、10月にはACUTERから安価なHα太陽望遠鏡が発売されたことで、位置づけがビミョーになってますが(苦笑)



10月には、紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)が予想以上に見事な姿を夕方の空で見せてくれました。この彗星は発見直後から明るくなると予想されていたものの、今年の夏ごろには明るさが停滞し、先行きが心配されたのですが……地球との位置関係も手伝って、街なかからも容易に見られる立派な大彗星に発達しました。SNS上でも活況で、「史上最も多くスマホで撮影された彗星」と言ってしまってもいいほどでした。

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そして11月、長年の念願のひとつだった「無理ナント」ことSh2-240の東京都心からの撮影に成功。これまでの他の天体の撮影結果からすれば、まずまず写るだろうなとは思っていましたが、こうして実際に手にして見ると感慨もひとしおです。

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残る難物といえば、さそり座アンタレス周辺の「カラフルタウン」(再戦)や魔女の横顔星雲 IC2118といったあたりですが……これらはナローバンドフィルターが事実上使えないので、難易度は相当高いでしょうね。LEDによる光害はますますひどくなってますし……。




最後に、今年ページビューの多かった記事トップ10です。

  1. 天体撮影で利用しているツール一覧
  2. 【悲報】アトラス彗星(ほぼ)終了のお知らせ
  3. CP+ 2024
  4. Image Composite Editorの入手先
  5. ショックコード交換
  6. VSD90SSレビュー プロローグ~VSD90SSという鏡筒について
  7. 国内で簡単に入手できる望遠鏡一覧(口径15cm以下~25cmクラス編)
  8. VSD90SSレビュー(外観編)
  9. SG-3500のバッテリー交換
  10. 光害カットフィルターの比較


1位は、普段撮影や画像処理に利用しているツール類を紹介したエントリー。やはり、他人の使っているツールというのは気になるもののようです。4位もおそらくこの流れでしょう。多少なりとも参考になれば幸いです。


で、2位ですが……これは明らかに、紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)アトラス彗星(C/2019 Y4)とを取り違えての誤爆でしょう。この記事を上げた当時、このブログにしては珍しくかなりのページビューを集めたので、「アトラス彗星」でググると割と上位にこの記事が出てきていたと記憶しています。なので、「紫金山-アトラス彗星」を中途半端に略して「アトラス彗星」で検索すると、大昔のこの記事に釣られてしまうという……。


まぁ、それでも「紫金山-アトラス彗星」と「アトラス彗星」となら名前が違うので、これでも誤爆の危険性は少ない方。この「アトラス彗星」に加え「リニア彗星」や「パンスターズ彗星」など同名の彗星は今後も多数発生すると思われるので、マスコミ含め、自分たちも「必ず仮符号を併記する」など情報発信は慎重になった方が良さそうです。一般の人からすれば「同じ名前の彗星がいっぱいある」というのは想像もしていないでしょうし……。


3位は毎年人気のCP+のレポート。これは鉄板ですね。来年も頑張らなければ……(滝汗


5位にはなぜかHelinoxチェアのショックコード交換の記事が。9位のバッテリー交換の記事など、メンテナンス系の記事は例年そこそこ安定した人気があるのですが、これについてはここまで1度もランクインしたことがなかったのでビックリです。どこかで紹介でもされたのでしょうか?


6位と8位には「VSD90SSレビュー企画」に関連しての記事が。これについては想定内ですかね……。


10位はIDAS LPS-P2、同NGS1(現LPS-D3)、同NB1の比較記事。2020年と昔の記事ですし、光害の状況も刻々と変わってきているので、そろそろ更新した方が良いかもしれません。

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