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Askar FRA300 proレビュー(フラット編)

「Askar FRA300 proレビュー(外観編)」の続きです。
hpn.hatenablog.com


先日、「☆COSMOの天文工房」*1さんに発注していた、FRA300 pro用の接続リングが出来上がってきました。




モノは「M76P1.0B⇔M57P0.75B接続リング」。FRA300 proの接眼アダプタ取り付け部(M76 P1.0mm)にボーグの共通規格であるM57 P0.75mmを取り付けるためのパーツです。自分の場合、フィルタードロワーとして「フィルターBOXn【7519】」を主に使っていますし、この規格なら開口部が大きいのでケラレる心配もほとんどないでしょう。


ちなみに価格は同工房の他の特注品と同じく、6000円+送料350円と破格です。一度、別業者に同仕様のものの見積をお願いしたことがあるのですが、そちらは18000円+消費税と約3倍!ワンオフの品物を会社が製造するなら後者の方が適正価格なのでしょうけど、よもやここまで差がついてしまうとは……です。


早速取り付けてみると、特注品なので当たり前ですが、違和感なくピッタリ。あまりのフィット感に、久々に感動してしまいました(^^;


そしてほぼ同時に、遊馬製作所の「光学用黒つや消し塗料 簡単セット」も到着。これでリング内側を塗装し、ようやく撮影に向けての準備が整いました。



……というわけで、「ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG【7885】」とフラットの具合を撮り比べてみます。まずは撮って出しの状態から。




上が「ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG【7885】」、下がFRA300 proですが、この時点で既にミニボーグ側の周辺減光が分かります。それでも、減光のパターンが素直なら補正も可能なのですが、強調してみると……




ミニボーグの方は明らかに四隅がケラレたように暗くなっています。レデューサーのレンズ径が小さいのがダイレクトに効いている感じです。


一方のFRA300 proの方は実に平坦なもので、さすがの出来と言わざるを得ません。もっとも、よく見るとレンズ間ないしレンズ~CMOS間の反射のせいか、はたまたパーツの内面反射等の影響か、中心部が日の丸状に微妙に明るくなっています。ただ、明るさの差はごくわずかなので、これが実際の撮影結果に影響するかどうかは、現時点では何とも言えません。*2


まぁ、方やレデューサーあり、方やレデューサーなしなので、元からフェアな勝負ではないのですが……(^^;


なお、名誉のために言っておくと、レデューサー0.85×DG【7885】の商品説明には「イメージサークルAPS-Cまで」とありますが、おそらくこの「APS-C」は本来のAPS-C(およそ24mm×16mm)より一回り小さい、いわゆる「キヤノンAPS-C」(22.5mm×15mm)を指しているものと思われます。
www.tomytec.co.jp




実際、キヤノンAPS-Cの画角(ピンク)を書き込んでみると、この画角内ではケラレは発生していません。発売されたのが2000年代初頭ということを考えると、当時は天体写真においてEOS Kiss Digital(初代Kiss)やKissX2が「画質が良い」と圧倒的に評判になっていた頃で、「キヤノン専用」みたいな仕様になってしまっても仕方がない部分はあったかと思います。



さて、あとは晴れ間が出たら星像チェックですね。

*1:サイトに行くと分かりますが、残念ながら同工房は、工房主の体調不良のため4月12日より受注を停止しています。色々なわがままを聞いてくださる上、非常にリーズナブルな価格で受けてくださるので利用していた方も多いはず。一刻も早い快復をお祈りしたいところです。

*2:「日の丸状に明るい」というと、EF70-200mm F4L USMを思い出してしまってアレですが……多分大丈夫でしょう。 hpn.hatenablog.com