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超プチ遠征


というわけで、自宅から1.5kmほど離れた公園まで移動して機材を広げます。


この公園、南〜西にかけての見晴らしが大変よく、場所を選べば照明も比較的おとなしめなので、この目的にはうってつけ。ただ、難点は利用が22時までに制限されている点で、この時期だと正味2時間半ほどしか活動できません。夜が長くなるこれからの季節はともかく、夏の間はちょっと利用が難しそうです。

深夜まで活動しようとすると、あとは2〜3km離れた多摩川河川敷あたりが候補になりますが…アップダウンがそれなりに激しい道のりなので、できれば避けたいのが正直なところです。


機材をセッティングしていてうれしい誤算だったのは、台車で揺すられていた割にEdgeHDの光軸が全くずれていなかったこと。逆に、過去には大したことをしていないはずなのに光軸がずれていたこともあり、シュミカセ系はこのあたり、本当によく分かりません(^^;

これで狙うはこぎつね座の「亜鈴状星雲」ことM27。以前も何度か撮った対象ですが、この鏡筒で撮るのは初めて。EdgeHD800の直焦点そのままだとさすがに大きすぎるので、0.7×レデューサーをかませました。実はこのレデューサーを使うのは丸々1年ぶりくらいで、現場でカメラとの接続方法に迷ったのは内緒です(^^;



2014年9月28日 セレストロンEdgeHD800+0.7×レデューサー(D203mm, f1400mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用, ISO1600, 露出120秒×16コマ
ミニボーグ60ED(D60mm, f350mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド
ステライメージVer.7.0で画像処理、中心部をトリミング

さすがは長焦点鏡、かなりの迫力です。今回は惑星状星雲の色を自然な範囲で強調し、透明感を出すために、デジタル現像の段階で色彩強調マスクを使った上で、星雲の部分以外をマスクで覆ってさらに色彩の強調を行っています。それでも、後から見返すと納得いかなかったりでなかなか難しいです。

レデューサーを本格的に使うのは今回がほぼ初めてですが、さすがに周辺減光はそれなりに大きめ。また、非点収差なのか、周縁部の星像がわずかに流れたように写る傾向があるようです。それでもそう大きな像の乱れではないですし、F7にまで明るくなるので撮影難易度もだいぶ下がって便利かと思います。


今回は風が意外と強くてガイドが時々暴れた分、若干星像が甘くなってしまったのが残念ですが、それでもたかだか焦点距離350mmのガイド鏡で1400mmをガイドできるのだから、いい時代になったものです。なお、以前懸案事項になっていたガイドの流れは、前回に引き続き全く発生せず、システムとしてほぼ手なずけたと考えてよさそうです。