先日、光害カットフィルターのスペックをまとめた際に、コメントで「IDASは、以降の新型フィルターではMFAを出さないようだ」という情報を頂きました。
ここで言うMFAというのは、キヤノンのAPS-C機のマウント内部に設置するタイプのフィルターのことです。このタイプのフィルターは光学系の構成を考えなくても使えるので大変便利。私も普段使っているのは、各社が出しているマウント内設置タイプのフィルターです。
ところが、もし今後MFAが出ないというのが本当だとすると、汎用のフィルターの使用も考えなければなりません。ここで難しいのは、光学系や撮影システムによって使えるフィルター径が異なること。多くの系ではφ48mmやφ52mmが使えますが、絶対ではありませんし、しっかりと吟味する必要があります。
そこで、手持ちの光学系について、使えるフィルターを洗い出してみました。
まずはビクセンのED103Sから。高性能のSDフラットナーHDやSDレデューサーHDが出た以上、純粋な直焦点で使うことはまずないと思うので、補正レンズありきで考えます。
すると、SDフラットナーHDまたはSDレデューサーHDにφ52mmフィルターが使えることが分かります。公式にフィルターが取り付けられることになっているのはここだけです。ED103Sの場合、レデューサーはフラットナーと併用が前提なので、フラットナー先端にφ52mmフィルターを取り付けるというのが基本線になりそうです。
次に、出動回数が一番多いかもしれないミニボーグ60ED*1。こちらも補正レンズの使用を前提にすると、マルチフラットナー1.08×DG【7108】の先端にφ40.5mm、レデューサー0.85×DG【7885】にφ52mmのフィルターが付けられることが分かります。
マルチフラットナーの方は望遠鏡界隈ではあまり一般的ではないサイズで、万事休すかと思われたのですが、カメラマウントとの接続に用いるM57→M49.8ADSS【7923】の内側にφ52mmのフィルターが取り付けられるとのこと。どうやらこちらもφ52mmのフィルターで統一できそうです。
こうなるとボーグ55FL+レデューサーの方も対応は簡単。レデューサー0.8×DGQ55【7880】にはφ48mmのフィルターが取り付けられるようになっていますが、カメラマウントホルダーM【7000】にφ52mmフィルターの取付が可能なので、これを利用すればOKです。
ところが、厄介なのがEdgeHD800。EdgeHD800での撮影には現在、純正のオフアキシスガイダーを利用していますが、このキットにはフィルターを装着できる場所がありません。どこかに無理やり取り付けるにしても、なんらかの加工が必要になりそうな気がします。
しかし、です。ボーグのカメラアダプターにφ52mmのフィルターが取り付けられるのであれば、M42(オス)Tアウント用カメラアダプター以降をボーグのパーツに置き換えてしまえばいいわけです。具体的には、M42P0.75→M57AD【7528】+カメラマウントホルダーM【7000】 or M57→M49.8ADSS【7923】+カメラマウントとすれば、【7000】または【7923】の内側にφ52mmフィルターを取り付けられます。
光路は若干伸びてしまうのでオートガイダー側のピント再調整は必要になりそうですが、十分実用にはなるでしょう。
というわけで、どうやらウチの光学系については、φ52mmのフィルターに統一すれば対応可能ということが言えそうです。
……。
………ん?
…………あれ?
*1:45ED IIも同様