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HDD&GPU交換

突然ですが、現在メインで使っているPCは2018年8月に組んだもの。ぼちぼち5年たちますが、性能的には大きな不満なく使えています。
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この時、起動ディスクとは別に、データ保存用のHDDとして8TBのものを積んでいました。当時としてはそれなりの大容量で、これでしばらく大丈夫……と思っていたのですが、先日ふとエクスプローラに目をやると……

あ、これはまずい。残量が10%をきっています。


これというのも、カメラのデータが大容量化したのが大きいです*1。さすがにこの状態を放置するわけにもいかないので、大容量のHDDに交換することにしました。実は、手元には8TBの内蔵HDDがもう1台あり、そちらの活用も考えたのですが、データの置き場所をHDD2台に分散させると管理が面倒なこと、RAID0やJBODで結合させると信頼性が低下することなどがあり、この方向は断念しました。


相場を見てみると、東芝のものであれば16TBのHDDでも4万円を切っています。一方、これより容量が大きくなると5万円近くになり、逆に小さいと12TBでも3万5000円程度と差が小さく旨味がありません。


……ということで、東芝MG08ACA16TEを38970円で購入。容量16TB、バッファ512MB、回転数7200rpmのクラウドスケールHDDです。これを今まで使っていた8TB HDDと入れ替えます。


HDDの入れ替えは、旧HDDのデータを外付けケースに入れた新HDDに写すだけなので、作業としては簡単なのですが……


2日以上!?ウッッソだろ、おまえ(゚д゚)!


まぁ、残り時間の表示が当てにならないのは毎度のこと。実際、速度が出ていなかったのは細かいファイルが多かったせいで、写真や動画など大きめのファイルが連続する領域では150MB/sを超える速度が出ていました。


とはいえ時間がかかるのは確か。ざっくりデータ量が8TB、平均転送速度が150MB/sとして、転送にかかる時間は8000÷0.15=53333秒=888.9分=約15時間にもなります。実際にかかった時間もオーダーとしては同程度でした。昔に比べると扱うデータ量も格段に増えているので、単純にコピーするだけでこんなに時間がかかってしまうわけですが……HDD自体の転送速度が最大でも250MB/s程度なのを考えると、やむを得ないところでしょうか。


とりあえず、容量にはずいぶん余裕ができました。これでまたしばらくは安心です。



さて、PCに手を入れるなら、ついでにGPUも何とかしたいところです。現在使っているのはASUSの「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」。GeForce GTX 960を搭載したミドルレンジのカードで、2015年8月に購入したものです*2
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自分はゲームをしないので、そこそこ満足して使っていたのですが、アーキテクチャの世代的にはミドルレンジで最新のGeForce RTX 30シリーズから勘定するとRTX 30(Ampere)、RTX 20、GTX 16(Turing)、GTX 10(Pascal)、GTX 960(Maxwell)と3世代も前のものです。
www.nvidia.com


各種のノイズ処理やシャープネス処理、BlurXterminatorなどGPUを酷使する処理が増えてきたこともあり、この際なのでこちらも新調することにしました。


さて、何に交換するかですが……最新のRTX 40シリーズ(Ada Lovelace)は論外。一番安いRTX 4070 Tiでも13万円以上もし、さすがに正当化できません。下位の4060や4060 Tiは夏までに発表される可能性がありそうですが、価格は安くても7~8万円台にはなりそう。さらに発売直後はご祝儀相場で高くなるのがお約束……となればこれも厳しいです。


となると、現実的には3060か3060 Tiとなります。一時期のマイニングブームが去り、在庫がだぶついた関係で価格は幸い下落傾向。3060なら4万円台半ば、3060 Tiなら6万円を切るくらいから入手が可能になっています。


ここで価格だけなら3060……となるのですが、3060と3060 Tiとでは結構はっきりした性能差があります。3060はビデオメモリの容量が12GBと大きいのが魅力で、それこそMidjournyやStableDiffusionなどAIによる画像生成には威力を発揮するのですが、少なくとも今のところはそうしたものは目的に入っていませんし、パワー的にも過度な期待は禁物でしょう。


ということで、ここは3060 Tiで行くことにします。ただし、ここで注意が必要なのはビデオメモリの種類。3060 Tiは元々16Gbps GDDR6をビデオメモリとして使用していたのですが、2022年11月ごろから19Gbps GDDR6xを採用したモデルが出てきています。これによりメモリ帯域は448GB/sから608GB/sへと大きく向上し、3DMarkのスコアも7~10%ほど向上しています(ただし消費電力も200Wから225Wに上昇)。
www.nichepcgamer.com
gazlog.com


以前は、GDDR6x採用のモデルは高価なものが多かったのですが、最近では価格帯も大きく下がり、3060 Tiの最安価格帯のものでもGDDR6xを採用したものが出てきています。


……というわけで、ZOTACの「GAMING GeForce RTX 3060 Ti GDDR6X Twin Edge」を購入。価格は57700円と、3060 Ti採用のカードの中でもほぼ最安の部類でした。



カードはコンパクトで、厚みも2スロットしか占有しません。


ただし、電源供給はPCIe 8ピンが2口と、消費電力の上昇に伴ってそれなりのものを要求します*3。それでもウチの場合、仕様上はケーブル1本で供給できるはず(ケーブルが分岐しているので)だったのですが、ケーブルの取り回しが極めて悪く*4ほぼ無理。


やむをえずケーブルをもう1本引っ張ってきて、挿すことになりました。不格好ですが仕方ありません。


電源を入れると無事正常動作。まずは一安心です。


さてGPU入れ替えの効果ですが、4000×6000ピクセルの画像に対し……

  • BlurXterminator: 74.23s→34.80s(初期化時間含む)
  • Topaz DeNoise AI: 14.84s→3.51s

と圧倒的。これなら色々な機能を手軽に試すことができそうです。

*1:EOS KissX5が5184×3456ピクセルなのに対し、ASI2600MC Proは6248×4176ピクセル。単純にピクセルを比較しただけでも約1.5倍になっています。

*2:内蔵機器の中では、5インチBlu-Rayドライブ(Pioneer BDR-205)に次ぐ古株だったりします。

*3:GDDR6版だと8ピン1口が普通

*4:そもそもプラグが6+2という構成になっていて8ピンのソケットにきっちり挿すのが難しい上、2つのプラグ間のケーブル長が短い、2ピン側と6ピン側のケーブル長が微妙に違う etc, etc……