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EF70-200mm F4L USM試写

準備が整ったところで、EF70-200mm F4L USMを装着したEOS KissX5を北アメリカ星雲に向けて撮ってみましたが…ここでまた別の問題発生。



2013年8月4日 Canon EF70-200mm F4L USM+EOS Kiss X5 SEO-SP3 SXP赤道儀
F5.6, ISO800, 露出120秒×32コマ
ガイド鏡(D60mm, f540mm)+Lodestar改+PHD guidingによるオートガイド
ステライメージVer.7.0で画像処理

上の写真はコンポジット&強調処理後のものですが、画面の中心付近、北アメリカ星雲のあたりだけ丸く赤くカブッています。位置や状況を考えるに、これはおそらくデネブ(写真右側の一番明るい星)によるゴーストではないかと思います。

私が使用しているシステムでは、マウント内に光害カットフィルター(IDAS LPS-P2)を装着しています。一方、EF70-200mm F4L USMは、こちらのレンズ構成図を見ると分かるように後端のレンズ面が平坦になっています。そのため、この2つの平面で明るい恒星の光が反射し、ゴーストが発生したのでしょう。

このレンズを使用するにあたっては、構図や撮影対象を吟味する必要がありそうです。

【後日注】
後日、デネブを構図から外して撮ってみましたが、写真の全く同じ位置に同じようなゴーストが発生しました。考えたくないですが、どうも光害で照らされた夜空か近隣の街灯によるゴーストの線が強そうです。だとすると、この場所、このレンズで淡い天体を狙うのは絶望的と言わざるをえません。逆光に弱いレンズなのは知っていましたが、よもやここまでとは…。

また、今回はカメラを望遠レンズの三脚座とアリガタを用いて固定しましたが、いくつかのコマで星像の流れが観察されました。アリガタと三脚座はカメラネジでの一点留めですし、三脚座自体も、開閉式のリングをダボで留めてレンズを固定するという簡単な構造ですから無理もないところ。いずれ強化バンドを導入する必要があるかもしれません。