ところで、上の写真を撮った夜は湿度が高く、夜半前から機材を入れてきた台車、小物入れなどが次々と結露し始めました。都心は舗装面が多くて地表付近が乾燥していること、ヒートアイランド現象で地上付近の温度が比較的高いことなどからそもそも結露しづらいのですが、撮影を行っている公園には広い芝生があって湿度が高くなりやすいため、夜露が発生したようです。
幸い、レンズまでは結露しなかったので写真に実害が及ぶことはありませんでいたが……怖かったのは赤道儀およびコントローラ(STARBOOK TEN)、そして制御用のPCです。ほぼ一晩撮影していた結果、それなりにビショビショになってしまいました。
基本的に電子機器は結露するような環境下で使うことを想定していません。PCの場合はオフィスなどで使うのが本来の使い方ですので、これは当たり前。本格的に過酷な環境で使うことを想定するなら、パナソニックのToughbookシリーズやデルのRuggedシリーズのような高耐久性PCを使え、というのがスジなのでしょう。
しかし問題は赤道儀やコントローラです。結露するのが当たり前のような環境で使うものなのに、防滴・防水を謳っている製品というのはついぞ聞いたことがありません。直接的に結露が原因で壊れたという話もあまり聞かないので実際にはそこそこ大丈夫なのかもしれませんが、怖いのは確かです。
昔の手動で動かしていた架台とはわけが違うのですから、「電子機器」としての配慮はあっていいように思います。例えばビクセンのポラリエの説明書を見ると「電子パーツを含む機器が結露した状態で電源を入れないでください。故障の原因となる場合があります。」とありますが、従来よりも広い範囲の人が使うであろう機器でこれというのはあまり感心しません*1 *2。
今まで、この手の装置は使う人がある意味「分かっている人」に限定されていたので、取り扱いやメンテナンスがキッチリなされてきた結果、問題が表面化してこなかっただけかもしれません。裾野を広げようとするのなら、あまりユーザーの知識・技量に甘えすぎない方がいいのではないでしょうか。