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オフアキシスガイダー

以前、セレストロンのオフアキシスガイダーを、CP+で展示した開封品ということで格安で入手していたのですが、調整等々が面倒で長いこと放置してしまっていました。しかし最近、ガイド鏡を使った長焦点鏡での撮影に限界を感じていたこともあり、重い腰を上げて試運転してみることにしました。


オフアキシスガイダーでは、カメラとオートガイダーを同焦点に調整するのが面倒臭いのですが、これは以前に検証済みです。

説明書では、カメラ側に11.55mmのスペーサーを入れ、オートガイダー側は31.7mmスリーブに直接差し込むか、6mmのスペーサーを介してオートガイダーを取り付けるやり方が推奨されています(下図は「シュミット」ウェブサイトより)。



しかし、EOS KissX5 SEO-SP3とStarlightXpress Lodestarの組み合わせでは、この構成では同焦点にはなりませんでした。色々と試行錯誤の結果、以下の構成でようやく同焦点にピントが来ました。



カメラ側のスペーサーは付属品中最短の6mmのものに。それでもなおオートガイダー側のピント位置は外側だったので、ボーグのメタル延長筒【4604】でかさ上げしています。オートガイダー側の細かいピントについては、オートガイダーの抜き差しや、オフアキシスガイダー側のヘリコイドで微調整可能です。


実際に使ってみた感想ですが、Lodestarはチップ面積がそこそこ広いので、思ったよりは星が視野内に入る印象です。ASI120MMを買った時には売りに出してしまおうかとも思っていたのですが、手放さなくて正解でした*1。とはいえ、領域によっては星が1つもない、という事態も容易に起こりそうな感覚ではあります。一応、プリズムの向きを円周方向に360度回せるようになっているので、星が見つからない可能性はだいぶ減るとは思いますが、この「円周方向に回す」操作性が決してよくはない*2ので、一発でガイド星が見つかることを祈るのみです。

イメージサークルの周辺部を使うということで、星像は決してよくありませんが、ゆがんだ星像でもPHD2でのガイドに支障はありませんでした。追尾精度も、さすがにガイド鏡ガイドに比べるとずっと良好で、これなら長時間露出も安心して行えそうです。

*1:チップサイズはASI120MMが4.8×3.6mmに対し、Lodestarは6.4×4.75mmと、面積にして1.8倍近い差があります。

*2:オフアキシスガイダー円周の3本の留めネジを緩め、手で回す。手を添えながらやらないと、オフアキごとカメラを落っことしそう。