いよいよ、話題のアイソン彗星の近日点通過まであと20日を切りましたが、発見当初の「最大-13等」という予想はおろか、かなり悲観的な明るさになりそうなのが確定しつつあります。彗星が明るくなることを当て込んだ企画等も多数立ち上がっているようですが、今のままだと死屍累々になりそうな予感しか…。
ともあれ、前回と同様、Minor Planet Center(MPC)に報告されているデータを用い、「Comet for Windows」で光度式の予測、光度グラフの作成を行ったのがこちら。
グラフ中の光度式は、観測データを基に m1=8+5logΔ+8log r としてあります。
この予測だと、近日点通過時に-5等程度、観測しやすい11月中旬および12月上旬は4〜5等程度と、ごく平凡な明るさにとどまりそうです。薄明中の低空での観測であることを考えると、かなりの難物と言わざるを得ません。少なくとも、一般の人がパッと見て楽しめるようなものにはならない可能性がかなり高いです。
太陽に大きく接近する彗星なので、核が割れるなどして近日点通過後に大化けする可能性もありますが、核の小ささを考えると、逆に消滅してしまう可能性も少なからずあります。いずれにせよ、近日点通過後に奇跡が起こることを期待するしかないでしょう。