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ASI120MCの再活用

今、こちらの手元にはZWOのカラーCMOSカメラASI120MCが1台、余っています。


このカメラは撮像素子としてAptina ImagingのAR0130CS(1/3インチサイズ)を搭載しているもので、2013年の11月、惑星撮影用にASI120MMとともに購入したものです。
hpn.hatenablog.com


今では、ASI120MM/MCとも惑星撮影用としてはASI290MM/MCに道を譲っています。そしてASI120MMの方はガイドカメラとして現在も活躍中ですが、ASI120MCの方は完全に浮いた状態になっていました。


一方、こちらのメインの撮影機材が冷却CMOSに移行したのは、これまでにも書いてきた通り。となると、これまで撮影に用いてきたEOS KissX5 SEO-SP3がこれまた浮くことになります。そこで思いついたのが、一眼レフを赤道儀化AZ-GTiに載せ、ASI120MCでガイドすれば、星野写真がそこそこモノになるのではということ。焦点距離を欲張るつもりはないので精度はほどほどで十分ですし、これなら大した元手をかけずにできそうです。


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さて、これが手元にあるASI120MCです。


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初期ロットに近いものらしく、今では底面に印刷されている製品名が、シールに印刷されて貼られています。


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側面には「ZWO Design」の文字が。個人的にはこの印字もかっこいいと思うので、現行品でも残してほしかった気がしなくもなかったり。


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ASI120MCには(現行のカメラも同様ですが)焦点距離2.1mmのCCTVレンズが付属しています。


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これをばらすと、レンズ本体とCマウント→Tマウント変換リングとに分離できます。この変換リングを介せば、市販のCマウントレンズを接続できるわけです。


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今回、用意したのはノーブランドの焦点距離25mm、F1.4のCCTVレンズ。国内のカメラ屋から中古で2000円ちょっとで入手しました。この手のレンズは、AliExpressやAmazonマーケットプレイスなどを漁ると新品が安い値段で出品されているのを見かけますが、たいてい納品までに時間がかかる上、万が一の場合のトラブルを考えると、国内で入手できた方が安心です。


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レンズ自体はB級品ということで、内部にチリが多数見えますが、どうせガイドに使うだけなので大した問題ではありません。分解して掃除することもできそうですが、そこまでの危険を冒す価値もないでしょう。


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なお、このレンズのマウントは、Cマウントのフランジバックを5mmほど短くしたCSマウントです。ちょうどTリングを6mmほど延長できる延長筒を持っていたので、これで間に合うかと思ったのですが、残念ながらあともう少しで無限遠が出なかったので、やむを得ずCSマウント→Cマウントのアダプターリングを購入しました。これが四百数十円。


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組み上げると、ぐっとそれっぽくなりました。ちなみに、このレンズの外径が31.7mmアイピースとほぼ同じだったので、31.7mm用のフィルターが付くかと期待したのですが、残念ながらレンズ側が微妙にサイズが大きく、取り付けられませんでした。


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最後に、ASI120MC底面の1/4インチのネジ穴を用い、カメラのホットシューに取り付けてガイドシステムの完成です。


ちょっと考えると、EOS KissX5のピクセルサイズが4.2μm、ASI120MCのピクセルサイズが3.75μmなので、ガイド側が25mmのレンズでは、広角レンズでも使わない限りガイドの精度がまるで足りないように感じます。しかしPHD2では1/10ピクセルの単位で星像の重心位置を検出するので、実際には結構な焦点距離のレンズまでこれでガイドできる計算です。おそらく200mmくらいまではなんとかなるのではないでしょうか?


というわけで、これでまたちょっと遊べそうです。とりあえずはシグマの安い18mm-50mmのレンズがあるので、まずはこれでチャレンジですかね?