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観測環境悪化の中

こっちでは、すっかりご無沙汰してました。

以前書きましたが、我が家の目の前にあった駐車場がなくなってしまったため、落ち着いて天体写真を撮るには1.5kmほど離れた公園まで機材を人力で運ばざるをえなくなってしまいました。しかしこの公園は利用時間に制限があり、また翌日のことを考えると実質土曜日にしか出撃できません。そして夜が晴れて、月の巡りも良い日となると…とうぜん稼働率はダダ下がりです orz

家の前で撮影がやりづらいのは、車の往来の可能性もさることながら、建物で視界が限られる上、上空に多数の電線が縦横無尽にかかっているのが大きいです。電線が写りこむので視直径が大きめな天体は諦めなければなりませんし、空の隙間を狙わなければならない関係で、望遠鏡を向けられる方向、時間ともに著しい制限がかかります。

昨夜は時間的に公園への出撃は無理。でもきれいに晴れているし久々に何か撮りたい…。そこで、視直径の小さな惑星状星雲を狙うことにしました。これをクローズアップで撮る分には、電線にかかる危険性も少ないでしょう。



2014年12月23日 セレストロンEdgeHD800(D203mm, f2032mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用, ISO1600, 露出5分×8コマ
ミニボーグ60ED(D60mm, f350mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド
ステライメージVer.7.0で画像処理

撮影を始めたのは深夜だったので、ちょうど昇ってきていた「ふくろう星雲」こと、おおぐま座のM97を。系外銀河のM108がすぐ近くにあるのでペアで撮影されることが多い対象ですが、あえてEdgeHD800の直焦点でクローズアップ。視直径が3分とやや小さめなので、このくらいでちょうどいい感じです。このサイズなら、ふくろうの「眼」にあたる暗い部分が2つ並んでいるのが分かります。地上の風が比較的穏やかだったのは幸いでした。

惑星状星雲は単位面積当たりの明るさが比較的大きいので、都心でも意外とよく写る天体ですが、それでも撮影鏡がF10ともなるとなかなか写りません。本当はもう少し露出を伸ばした方がよさそうですが、ガイドの精度も考えるとこのあたりが落としどころかという感じ。上空の視界が広ければ、もっとじっくり極軸を追い込んで露出も伸ばすんですがね…。