PHD2の日本語マニュアルを公開しています。こちらからどうぞ。

個人サイト「Starry Urban Sky」もよろしく。

冬の小物


東京はようやく冬型の気圧配置が続くようになって、晴天率が高くなってきました。昨夜はちょうど冬型が緩み始めていて、季節風も収まってきていたので、EdgeHD800を持ち出して視直径の小さいメシエ天体を狙ってみました。

木枯らしが吹いていると、風にあおられてとてもじゃないけど長焦点鏡は使えませんからね。



2015年12月5日 EdgeHD800(D203mm, f2035mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用, ISO1600, 露出180秒×16コマ
ミニボーグ60ED(D60mm, f350mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド
ステライメージVer.7.1dで画像処理

まずはペルセウス座にある惑星状星雲M76。「小亜鈴状星雲」の愛称がある天体です。こぎつね座にある惑星状星雲「亜鈴状星雲」ことM27と対比しての名前ですが、その名の通り見かけの大きさの小さい天体で、M27が角度にして7分ほどの視直径があるのに対し、M76は3分ほどしかありません。明るさもM27の7.4等に対して10.1等しかなく、メシエ天体では最も暗い部類に入ります。



上はM76を以前撮ったM27と同縮尺で並べたものですが、まさに「M27のミニチュア」といった雰囲気です。もっとも、M76の方は「亜鈴」(ダンベルのこと)というよりコルク栓か何かのようです*1




2015年12月5日 EdgeHD800(D203mm, f2035mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用, ISO1600, 露出180秒×16コマ
ミニボーグ60ED(D60mm, f350mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド
ステライメージVer.7.1dで画像処理

次いで、おうし座にある有名な「かに星雲」ことM1。メシエ天体で唯一の超新星残骸です。藤原定家の「明月記」に、この星雲を形作る元になった超新星の記載があることでも有名。肉眼では、写真に写っているようなフィラメント構造はまず見えず、佐渡島のような形をした淡い光芒が見える程度です。光害のひどい都心では、それすら見ることはおぼつかないでしょう。

かに星雲は、EdgeHD800を入手した直後に「試し撮り」として撮影していますが、その時はまだシステムが未完成で、まともにガイドすらできない状態。ようやくある程度かたちになったでしょうか。

*1:M27も、どちらかというと銀行のマークみたいに見えますが。