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木星初撮り

現在しし座にいる木星。夜半過ぎには空高く昇ってきていますが、今シーズンは強い冬型の気圧配置になる日が多く、望遠鏡を覗くまでもなくシーイングが悪そうで撮影はまだやっていませんでした。


気象庁HPより)

しかし、昨夜は天気図を見る限り、移動性高気圧が直上に来ていて気流は安定していそうな雰囲気。しかも午前1時ごろからは大赤班がこちらを向くという絶好のタイミングでしたので、久しぶりに惑星撮影用の機材を引っ張り出してみました。

数か月ぶりの撮影で手順を忘れかけている上、大赤班がこちらを向いているうちに撮影をしなくてはという強迫観念&先の記事でも触れた視界の狭さゆえのタイムリミットに追い立てられ、光軸修正やピント合わせを含め、結構慌てたのは内緒です(^^;



2014年12月28日1時54分 セレストロンEdgeHD800+Meade 3x TeleXtender(D203mm, f6096mm) SXP赤道儀
L画像:ZWO ASI120MM, 25ms, 2000フレームをスタック
RGB画像:ZWO ASI120MC, 25ms, 2000フレームをスタック

実際、冬場にしては気流は上々で、写りもまずまずだったのではないかと思います。写真左手に見える衛星は、四大衛星の1つ、イオ。模様に関しては、ウェーブレット処理を強めにかければもっと強調することもできるのですが、そうすると木星の輪郭部分にリンギングが出るので自重しました。反省点はRGB画像の方がやや露出オーバー気味だった点でしょうか。撮っている最中のPC画面上ではちょうどよさそうに見えたのですが…なかなか難しいものです。

追記
上記画像を、模様や色彩を強調する方向で再処理してみました。



強調処理でリンギングが発生しがちな惑星周縁部をマスクで保護しつつ、最大エントロピー法による画像復元とシャープネス処理を併用。「観賞用」としてはこっちの方が見栄えはいいですが、やや不自然な印象も。強調処理をやりすぎると偽模様の発生も懸念されますし、果たしてどこまでやるべきか、悩ましいところです。