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新システム(?)稼働

今年の春に購入したミニボーグ60EDはガイド鏡としてのみならず、撮影鏡としてもちょいちょい使用しているのですが、この時のガイドにはこちらの写真にもあるように、昔からの装備である口径6cm、焦点距離540mmの屈折を使い、マルチプレートで同架していました。しかし、せっかくミニボーグが軽いのに過剰に重装備の感が。ガイド鏡の方が大きいというのも、実用上は問題がないとはいえ、いかにも不恰好です。



というわけで先日、ペンシルボーグをガイド鏡として、軽量のシステムを組んでみました。


ミニボーグはK-ASTECの鏡筒バンドで固定し、トッププレート代わりに余っていたビクセンのスライドバーを渡します。ここにプレートホルダーSXを逆付し、1/4インチネジ関連のパーツを組み合わせてペンシルボーグを取り付け…という構成です。ガイドカメラはASI120MM。

鏡筒側が軽いのでバランスウェイトは不要で、トータルではかなりの軽量化になりました。


実はこれを使って先月、一度撮影を行ってみたのですが…ペンシルボーグの固定が三脚ネジのみの一点留めなのでケーブルの振動などに極めて弱く、やや問題ありとの結論に。


そこで、ホームセンターで買ってきたL字金具とボルト、ワッシャーでガイドカメラも固定してみました。筐体底にW1/4穴があるASI120MMならではの強引技ですが、二点での固定になってかなり「固く」なった印象です。


これで問題解決、ということで、この週末またいつもの公園へ。

しかし新しいシステムを組んだ時にありがちなことですが…必要なネジを2本ほど自宅に忘れてきてしまいましたorz 今度から予備のネジを道具箱に入れておこう…。仕方がないので、従来の構成で撮影に挑みます。各所をガチガチに締め上げた上、ケーブルがなるべく揺れないようにさばいておけば何とかなるでしょう。



2014年11月15日 ミニボーグ60ED+レデューサー0.85×DG(D60mm, f298mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用, ISO1600, 露出120秒×64コマ
ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド
ステライメージVer.7.0で画像処理

というわけで撮影した結果がこちら。「アンドロメダ大星雲」ことM31です。


この公園の利用時間は夜10時までなので深夜まで待つわけにいかず、光害の影響がかなり大きい*1のが難点ですが、東京都心のど真ん中でもなんとか雰囲気くらいは。トーンカーブをもっと持ち上げれば腕の部分ももう少しハッキリするのですが、ノイズが見苦しくなる上に、いかにも「無理やり」感が出てくるので、そこそこのところで切り上げました。


ちなみにミニボーグ60ED+レデューサーの性能ですが、非点収差の影響か写野の端の方で星像が尾を引きますが、素直な乱れ方でそれほど気にはなりません。周辺減光もそこそこ。ただ、やはり色収差は残っていて、ED103Sと同様「赤ハロ」が若干目立ちます。実際、チャンネルごとの画像を見るとRチャンネルのみ明らかに像が肥大化していて、ピントがずれているのが一目瞭然です。カメラの方のIRフィルター除去改造との兼ね合いもあるとは思うのですが、なんとかうまい解決策を見つけたいところです。

なお、心配していたガイドの方は、気を付けた甲斐あってかほとんど問題なく。ただ、撮影終了後にガイドカメラを確認してみると、カメラ側にねじ込んで固定する31.7mmスリーブアダプターが緩んでわずかにカメラが回転してしまっていました。じわじわ一方向にかかり続けるケーブルの重みで緩んでしまったようですが、今後は上で書いた改良型のシステムでカメラ自体を固定することで何とかなるでしょう。

*1:しかも幹線道路が公園の北側数十メートルのところにあって(直接当たらないとはいえ)ここの街灯の影響も少なからずあります。