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新々ガイドシステム試運転

以前構築した新ガイドシステム。ミニボーグ60EDをガイド鏡に、コバンザメ方式でEdgeHD800に同架する形ですが、まだ微妙に流れている雰囲気がありました。そこで、完璧を期すためにガイド鏡の固定方法を強化することに。


K-ASTEC製の鏡筒バンドです。これまではユニバーサル鏡筒バンドで保持していましたが、バンド内側にフェルトが貼ってある上、手で締め付ける構造上、時間とともにわずかながらガイド鏡が「お辞儀」する可能性がありました。これを排除しようというわけです。

ここまでやってなお流れるようなら、あとは望遠鏡の設置などを含めた運用面の問題でしょう。


というわけで、宵のうちに試し撮り。狙うはかみのけ座の「黒眼銀河」ことM64。まだ屋外看板等が多く点灯している時間帯で、空はかなり明るかったですが、ガイドの具合を確認するのが目的なので問題なし。その結果…



2014年4月26日 セレストロンEdgeHD800(D203mm, f2032mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用, ISO1600, 露出300秒×8コマ
ミニボーグ60ED(D60mm, f350mm)+ASI120MM+PHD guidingによるオートガイド
ステライメージVer.7.0で画像処理、中心部をトリミング

基本的な部分では、なんとかなったようです。今までよりはだいぶ高い勝率。流れた分は風の影響などが主でしょう。


一方で、課題も見えてきました。このシステムの場合、完全に固定されたガイド鏡にオートガイダーとしてASI120MMを装着していますが、チップの小ささ(4.83mm×3.63mm)のために視野がかなり狭いです。具体的には焦点距離350mmのミニボーグ60EDと組み合わせた場合でおよそ0.8度×0.6度。おとめ座方面のように星の少ない領域では(特に都心部の場合)ガイド星探しに少々苦労します。

それでも露出時間を延ばせば、なにかしらの星がたいてい見えてくるので大丈夫といえば大丈夫なのですが、その分、ガイド信号の出る間隔も開くので、架台をかなりきっちり設置する必要がありそうです。