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4か月ぶり

今年の春はとにかく天気が悪く、撮影の機会にまったく恵まれませんでした。ブログの記事を見返してみると、機材テストのための試験撮影を除き、最後にまともに直焦点撮影をやったのが1月10日なので、丸々4か月間が空いたことになります。

GWになって、ようやく晴れ間が出るようになってきましたが、今度は強風に見舞われ、とてもじゃないですが長焦点鏡を持ち出すような天候ではありません。


「春の銀河シーズン」ってなんでしたっけ……orz


とはいえ、せっかくの晴れ間を逃す手はありません。4日日中は強風が吹いていましたが、夜半過ぎになってやや風が落ち着いてきたので、所有筒の中で一番小さいミニボーグ600EDを持ち出して夏の散光星雲を狙うことにしました。

M8(干潟星雲)、M16(わし星雲)、M17(オメガ星雲)、M20(三裂星雲)と、南天の有名どころはこれまでに一通り撮ってはいるのですが、このうち写りに特に不満があったのがM16です。

以前撮影したのは2012年8月のことですが、このときはオートガイダー自身が不調で撮影を中断せざるを得ず、わずかな露出しかかけられなかったのです。今回こそ、まともにモノにしたいところです。



2016年5月5日 ミニボーグ60ED+マルチフラットナー1.08×DG(D60mm, f378mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO800, 露出120秒×32コマ, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用
ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド
ステライメージVer.7.1dで画像処理

というわけで、できたのがこれ。周辺の淡いガスも含め、その愛称の通り、ワシが羽を広げたような姿をなんとか浮かび上がらせることができました。ちなみにM16というメシエ番号は、この散光星雲に重なって存在する散開星団の方につけられた番号だったりします。

ところでM16の北西に散開星団っぽい星の群れが見えます。調べてみるとメシエはもちろん、NGCもICも振られていないので、単に「天の川の星の濃いところ」というだけかもしれませんが、ちょっと気になります。



星雲の中心部には、かの有名な「創造の柱」が見えます。風が穏やかでシーイングのいい時にクローズアップで狙うと、それはそれで面白そうです。