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土星の撮影


このところ、夜半になると土星が見やすい位置に昇ってくるようになってきました。というわけで金曜日25日の夜、手持ちの惑星撮影システムで狙ってみました。


今シーズンの土星は高度が低く、シーイングの条件としてはあまりよくないのですが、この夜は比較的気流が落ち着いていて、うまいこと撮れたのではないかという感触。で、早速画像処理を行ってみたのですが…。



2014年4月26日1時21分 セレストロンEdgeHD800+Meade 3x TeleXtender(D203mm, f6096mm) SXP赤道儀
L画像:ZWO ASI120MM, 30ms, 3000フレームをスタック
RGB画像:ZWO ASI120MC, 60ms, 2000フレームをスタック

一見、きれいに撮れているように見えますが、よく見るとB環に本来ないはずの変な暗い筋が。一応事前に調整はしていたのですが、微妙に光軸がずれていたのかもしれません。


そこで翌日、上記のガイドシステム試運転が終わった後に再チャレンジ。今度はより慎重に光軸を合わせます。

前日は星のピンボケ像を見ながら目視で合わせていましたが、今回は動画カメラからのリアルタイム動画を確認しつつ、さらに要所要所でRegistaxにより静止画を取得して確認を行いました。


調整前の状態はこれ。一見あっているように見えますが、左側の方が同心円の間隔が若干広くなっていて、わずかに光軸がずれているのが分かります。副鏡の光軸調整ネジを慎重に回し、これをなるべく均等になるようにします。回す量は本当にごくわずか。そして、ピントをずらす量を徐々に減らしていきながら、さらに合わせこんでいきます。


最後はこんな感じ。おおよそ合ったでしょうか…?


この状態で、望遠鏡を土星に向けます。前日より気流の状態が悪く、土星ははっきりわかる程度に波打っています。これでどこまで写るか…。



2014年4月27日1時21分 セレストロンEdgeHD800+Meade 3x TeleXtender(D203mm, f6096mm) SXP赤道儀
L画像:ZWO ASI120MM, 30ms, 4000フレームをスタック
RGB画像:ZWO ASI120MC, 60ms, 2000フレームをスタック

が、なんと動画をワンセットを撮った時点で架台の方がバッテリー切れ。先のガイド撮影の段階でだいぶ消耗してしまっていたようです。できれば、もう少し撮影パラメータを詰めたかったのですが…。

B環に見えていた筋は消えていて、やはり光軸のズレが原因だったのではないかと思わせます。一方で、今度はA環の方に薄い筋が。もう一息の追い込みが必要でしょうか。