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久々の本格撮影

この夏の東京はとにかく夜の天気が最悪で、上記の試写も薄雲が流れる中無理やり撮影したものですが、一昨日は久しぶりにまともに晴れたので腰を据えて撮影。前回まともに撮影できたのが6月ですから、およそ2か月ぶりでしょうか。



2013年8月14日 ビクセンED103S(D103mm, f795mm) SXP赤道儀
Pentax K-5IIs, ISO200, 露出1/60秒×16コマ
AviStack2で画像処理

まずは、宵のうちに月を撮影。できれば前日に晴れていてくれれば、スピカ食を狙えたのですが…。

夏は月の高度が低い一方、気流自体は比較的落ち着いているため、写りとしてはまずまず…といったところでしょうか。一応、動画でのスタッキングも別途試してみたのですが、得られる画像のピクセル数が解像度に直結するので、結果的に静止画の方が良好な結果になりました。動画でやる場合、拡大した上でモザイク撮影しないと太刀打ちできないでしょう。



2013年8月14日 ビクセンED103+レデューサーED(D103mm, f533mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO1600, 露出90秒×64コマ
ガイド鏡(D60mm, f540mm)+Lodestar改+PHD guidingによるオートガイド
ステライメージVer.7.0で画像処理(中央部をトリミング)

そして夜半からは、無謀にも網状星雲(NGC6992〜6995)にチャレンジ。網状星雲はNGC6960、NGC6992、NGC6995などからなる超新星残骸で、NGC6992〜6995はそのうちの東側、最も明るい部分にあたります。それでもかなり淡いので東京都心で写るものかどうか半信半疑だったのですが…いやはや、恐るべきはデジタルの力でしょうか。光害がひどい上に気温も高く、空の透明度も今一つと、S/N比的に厳しいのは確かですが、それでも赤いガスの所々に青色のガスが絡み合っている様子が分かる程度には写ってくれました。

ちなみに、撮影した1コマをEOS付属のソフトでそのまま現像したのが下の写真です。



さすがに都心、バックグラウンドが飽和気味で、肝心の星雲もほとんど見えません(赤くカブッているのはIRフィルター除去改造と光害除去フィルターのため)。しかも、近くには星雲の位置の目印になるような明るい星や、特徴的な星の配列もないので、StellaNavigatorで事前に構図の当たりをつけていたにもかかわらず、フレーミングにはかなり苦労させられました。

結局、撮ったその場でRAW画像をStellaImageで現像、強調処理して星雲の位置を確認し、構図を微調整するという荒業を繰り出す羽目に。持ち出していたPC(Let'snote NX2)がCore i5-3320M搭載と、比較的パワフルなものだったことに助けられた格好です。以前ガイドに使用していたLet'snote R5(Core Solo U1300)では、こうはいかなかったでしょう。