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ヘッドランプ新調

普段、天体観測の際に明かりとして使用しているのはEnergizerのHDL-3LED-JNというモデルです。価格が比較的安かった上、スイッチがスライド式で、一発で赤ランプが点灯できるのが便利で愛用していました。


しかし、長年使っているとヘッドランプのゴムがどうしても伸びてきてしまうもの。自分のものも、ご多分に漏れずゴムが伸びきってしまい、一番短くセットしても額からずり落ちてくるようになってしまいました。


幸い、バンドの幅は他社製のものと同様のようなので、これを交換しようと思ったのですが……


改めて確認してみると、バンドが本体に直付けで交換できそうにありません。無理やり分解すれば交換できる可能性もなくはないですが、パーツが接着剤かなにかで固定されているのか、かみ合わせが強固で破壊してしまいかねません。


まぁ、バンド自体、過去10年近く1度も洗濯していないのでずいぶん汚れていますし、その意味でも潮時でしょう。というわけで、ヘッドランプを新調することにしました。



天文用として、今回ヘッドランプに求める条件は以下の通り。

  • 電源OFFの状態から、赤色LEDが一発で点灯する。
  • 赤色LED点灯の状態から、一発で消灯できる。
  • 明るすぎない。
  • バンドの交換が可能。
  • スイッチの操作性がいいと嬉しい。

条件としてそれほど高望みはしていないのですが、特に赤色LED周りについてはカバーしていないものが意外と多い印象です。



条件に合うものとして有名どころだと、ビクセンのSG-L02があります。
www.vixen.co.jp


さすがは望遠鏡業界のトップメーカーが出しているだけあって、天文用途に特化していて極めて暗い明るさまで調光可能。暗順応を保ちながらも視認性が良い電球色を採用しているのも評価したいところです。


ちなみに、LEDの色と暗順応、視認性については過去に記事を書いているので、興味があればご参照ください。
hpn.hatenablog.com


バンドも交換可能ですし、機能的にはほぼ満足なのですが……やはり、どうにも高価なのが玉に瑕。2000~3000円もあればそれなりのヘッドランプが買えるところ、2倍以上の約6000円というのは少々可愛げがありません。電源にリチウムイオンバッテリー採用というのも善し悪しで、軽いとか、残容量が分かりやすいといった利点があるものの、バッテリーの寿命=製品の寿命となってしまう*1ので、もったいない感が否めません。



で、色々と調べていて見つけたのが、モンベルの「パワーヘッドランプ ネイチャーガイド」です。
webshop.montbell.jp


同社の高輝度ヘッドランプ「パワーヘッドランプ」の派生モデルという位置づけで「天体観測や動物観察などに適した赤色LED搭載」というのを売りにしています。電源は単4電池3本。赤色LEDの明るさは2ルーメンで、上記SG-L02の赤色LEDの明るさが0.28~7.62ルーメンということを考えると、まずまず悪くなさそうです。


説明書を見ると、点灯・消灯の操作はボタンによるものですが、まず最初に赤色LEDが点灯するのが好印象ですし、3秒以上そのモードで点灯すると次にボタンをクリックしたときに消灯するので、不意に明るい高輝度LEDを点灯させてしまう心配はほとんどありません。


ボタンの操作性が少々心配ですが、価格も3000円程度とまずまず手頃ですし、買って試してみることにしました。


モンベル「パワーヘッドランプ ネイチャーガイド」簡易レビュー

というわけで、早速買ってきました。


モンベルの製品は一般に価格が手ごろで、性能も良好なので、アウトドア派の強い味方。油断していると身の回りのあらゆるものがモンベルだらけになります。自分もすでに肌着上下、ダウンパンツ、魔法瓶がモンベルで、このままだと「全身モンベルおじさん」になってしまう日も遠くなさそうです(^^;


さて、この製品ですが、上記の通り赤色LED(2ルーメン)のほか、ワイド照射用の白色LED(40ルーメン)およびスポット照射用の高輝度白色LED(300ルーメン)を備えています。


照射するLEDは本体上部のメインボタンで切り替えていく構造で、メインボタンをダブルクリックすることで赤色LEDが点灯*2後、3秒以内にメインボタンをクリックすることで赤色LED→ワイド→スポット→スポット点滅→消灯と切り替わっていきます。上にも書きましたが、各モードで3秒以上点灯していると、次にメインボタンをクリックしたときに消灯。そしてダブルクリックでONにすると、必ずまた赤色LEDから点灯します。つまり、赤色LEDを使っている限りは、他のLEDを誤って点灯させてしまう心配はまずないわけです。


また、サイドにももう1つボタンがありますが、こちらは白色LED点灯中にワイドとスポットを切り替えるボタンです。


なお、スポット照射用のLEDは、直視すると目に残像が残るレベルでアホみたいに明るいので、不用意に点灯しないよう要注意です(^^;


肝心の赤色LEDの照射具合ですが、今まで使っていたEnergizerのHDL-3LED-JNとはずいぶん違います。優しくふんわりと広がる感じで、目への刺激はかなり少ないです。曲がりなりにも「天体観察に最適」と謳ってるだけのことはあるようです。


ただ、このランプのほぼ唯一かつ最大の欠点が、メインボタンの押しにくさです。ボタンはほぼ平面状でストロークがほとんどなく、小さく固くてスイートスポットも狭いため、適切な角度から正しく押さないと反応しません。指が痛くなりますし、頭に付けた状態でボタン操作をするのは至難の技。慣れればどうにかなるのかもしれませんが、慣れないうちは頭に装着する前に手元で操作し、正しく点灯したのを確認してから装着することをお勧めします。



モンベル商品ページより引用)

ちなみに、旧モデルは上の写真のようにもっとボタンがしっかりしていて、赤色LEDと白色LEDのボタンも独立していたようです*3。操作性はこちらの方が圧倒的に上と思われ、なんでリニューアルでわざわざ使いにくい構造にしたのか、そこだけが本当に残念なところです*4

*1:天文用途での利用を考えた場合、充電された状態で放置される期間が多いはずなので、バッテリーにはあまり良くなさそうです。

*2:誤点灯防止のため、こうした操作系になっています。

*3:その代わり、現行モデルと比べると赤色LEDは4ルーメンと明るく、逆に白色LEDは35ルーメン、250ルーメンとそれぞれ少しずつ暗いので、ネイチャー向けの照明器具としては改良されてはいます。

*4:防水のしやすさやコストダウン、さらに誤点灯しにくくしたとか、そんなところかもしれませんが。