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レビュー記事をアップしました

えらく時間がかかってしまいましたが、ウェブサイトの方にAZ-GTiマウントおよびMAK127SPのレビューをそれぞれアップロードしました。MAK127SPについては、こちらで書けなかった実使用時の印象なども書かれていますので、ご笑覧ください。

urbansky.sakura.ne.jp
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さて、ここでは上記記事内で書ききれなかった補足などをしておこうかと思います。

AZ-GTiマウント


搭載可能重量は公称5kgで、実際、3.3kgのMAK127SPを載せても動きにはまだまだ余裕が感じられます。しかし、サイドマウント型経緯台の宿命で、システム全体の重心は鏡筒側に大きく偏ります。重さに負けて転倒するようなことはさすがにありませんが、そもそもが頭でっかちのシステムだけに注意が必要。下手をすると、軽くぶつかっただけでもシステム全体が倒れかねません。


三脚の脚はしっかり伸ばし、踏ん張れるように設置するのが基本。剛性を重視して脚を伸ばさずに使った場合、脚が作る三角形の外側に重心が行ってしまい、転倒しやすくなる危険性があります。


もっとも、脚を伸ばすと、風や振動等には当然弱くなるので悩ましいところ。AZ-GTi+エクステンションピラー+専用三脚で重量が4kgということを考えても、この構成で使用する場合、MAK127SPあたりがある程度快適に使える上限かもしれません。


なお、カウンターウェイトを使えば重心を三脚の中心付近に持ってくることができ、バランスという意味での安定性は増しますが、システム全体がより頭でっかちになるのも確か。その意味でも、やはりMAK127SPとの組み合わせあたりが、実用上のほぼ上限と思っていいでしょう。


MAK127SP


この鏡筒は、他社へのOEMとして相当数が市場に出ています。記事中ではビクセンのMC127Lを例として挙げましたが、その他に米オライオン社のApex 127mm、セレストロンのNexStar 127SLTなどが該当します。


そもそも、グレゴリー型マクストフカセグレンが安価に供給される背景となったのは、90年代後半以降に各国のメーカーが中国でOEM生産した鏡筒を販売したことにあります。OEM生産の最大手であったSynta Technologyがそこに大きく関与していたのも間違いないところで、当然、MAK127SPに相当するスペックの鏡筒も多く出回っています。


かつては作りの粗さが目に付いたりもしたようですが、少なくとも現在のMAK127SPについてはそうした感じは一切見受けられません。ビクセンのMC127Lが販売されていたのが2004年ごろで、控えめに見積もっても15年からの歴史がありますから、製造技術も向上するというものでしょう。