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エクステンダーPH発売

2017年2018年とCP+で参考出品されながらも、なかなか製品として出てこなかったR200SS用の「エクステンダーPH」ですが、ついに2月27日、「エクステンダーPHキット」として発売されることがビクセンから発表されました。定価は68000円(税別)。実売価格は、例えば協栄産業では60975円(税別)となっています。

www.vixen.co.jp
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このエクステンダーを取り付けると、焦点距離800mm, F4のR200SSが焦点距離1120mm, F5.6となり、やや小さめの天体を収めるのに最適な光学系になります。レンズはASコーティングが施され、構成は3群4枚。具体的なレンズ構成は明らかにされていませんが、予想以上に量産にてこずったことや筐体の大きさからみて、レンズ同士が大きく離れた、それなりに凝った構成になっているのではないかと思います。


イメージサークルはφ44mmを確保していて35mm判フルサイズをカバー。周辺光量も70%を確保しています。また、製品ページの作例やスポットダイアグラムを見る限り、周辺まできっちりと点像を保っていて、最近のビクセンの補正レンズの例にたがわず、かなりの高性能が期待できそうです。


賛否両論ありそうなのは例によって価格で、上で書いたように定価は68000円。コレクターPHが60000円であることを考えると妥当に思えますが、決して安くはないです。とはいえ、予想される出荷個数と性能面を考えると致し方ない価格かと思います。


ただ、コレクターPHと使い分けする際に気を付けたいのは、取り付け可能なフィルター径。コレクターPHがφ52mm対応なのに対し、エクステンダーPHはφ48mmのフィルターしか取り付けられません。共通化しようと思えば「φ48mmフィルター+ステップアップリング」ないし「φ52mmフィルター+ステップダウンリング」をどちらかに対して使うしかありません。エクステンダーPHの筐体を少し太らせれば済む話だったのですし、せめて同機種に使用する補正レンズ間くらい、規格をそろえてほしいところです。


もっとも、エクステンダーPHがこういう仕様になった理由は、どうもΦ50.8mm(2インチ)スリーブ経由でも取り付けられるようにしたためのようです*1。R200SSに取り付けるだけならそんな構造にする必要はないはずなのですが、製品紹介ページに「理論上、放物面鏡であれば同等の効果が期待されますが、他社製品への応用につきましては、お客様の責任にてご使用ください」と書いてあるあたり、「察しろ」ということのようですね(^^;

ぶっちゃけ、SkyWatcherの「BKP200/F800」あたり、ドンピシャじゃないかと思います。まぁ、鏡筒本体の価格より補正レンズの方がずっと高いというのも、心理的にはちょっとアレですが……( ̄▽ ̄;ゞ

*1:だったらコマコレクターPHの方もそうしてくれれば……というところですが、こちらはこちらで周辺光量確保のためレンズ径を譲れなかったということかもしれません。