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国内で簡単に入手できる望遠鏡一覧(口径6cm以下~10cmクラス編)

今を去ること7年半前、EdgeHD800を購入する際に口径20cmクラスの望遠鏡について、横並びにまとめて比較・検討したことがありました。
hpn.hatenablog.com


この記事、いまだにそれなりのアクセスがあって、「望遠鏡のスペックを一覧にする」ということに需要があるのが分かります。ちょうどGW中で暇なので、2021年5月現在、国内で比較的簡単に手に入る鏡筒について簡単にまとめてみました。


今回は口径6cm以下から口径10cmクラスまでのまとめです。


~6cmクラス


私が子供のころ(3~40年前)は、入門用の望遠鏡と言えば口径6cmというのがお約束でしたが、製造技術が向上して口径8cmあたりが入門用の定番となった現在、このクラスの望遠鏡は「撮影目的」が主戦場になった感があります。


加えてここ数年、中華系企業が品質面でも長足の進歩を遂げ、魅力的な製品をどんどん投入してきています。これまで光学系に関しては「日本のお家芸」的な所があったと思うのですが、現在の勢力図はどんな感じでしょうか。


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まずは国内メーカーの製品の一覧です。なお、グレーの欄は、補正レンズ系を使用した際のスペックを示しています。また実売価格は、協栄産業やシュミット、ジズコなどでの販売価格を基本にしています。


ちなみにイメージサークルについてですが、各メーカーの公表値を示していて、29mm以上でAPS-C、43mm以上で35mm判フルサイズの領域をほぼカバーすると考えてよいです。このイメージサークルを公表している製品については、基本的に撮影目的での使用を前提に考えていると思ってよいでしょう。*1


面白いことに、トミーテックのBORG36EDを除き、ほぼすべてがフローライトを用いた鏡筒になっています。一般にフローライトは色収差補正に絶大な威力を発揮しますが、とにかく高価なのが難点。高性能ぶりのアピール&少しでも利幅を稼ぐためにこうした製品構成になっているのかとも勘ぐりたくなりますが、結果として、補正レンズを含めて10万円を大きく超えるような高価格帯に貼りついてしまっています。個人的には、裾野を広げる意味でも、もう少し手に取りやすい価格帯の鏡筒があっても良さそうに思います。


この中で目を引くのは、高橋製作所の「FS-60CB+レデューサーC0.72×」(口径60mm、焦点距離255mm(F4.2))、トミーテックの「BORG55FL+レデューサー7880セット」(口径55mm、焦点距離200mm(F3.6))、ビクセンの「FL55SS+レデューサーHD」(口径55mm、焦点距離237mm(F4.3))という、似通ったスペックの鏡筒です。「焦点距離200mm前後、F4付近」というのが一種のスイートスポットなのでしょう。


一方、高橋製作所のFS-60QやFOA-60、FOA-60Qは思い切って眼視目的に全振りした鏡筒で、メーカーから提供されているスポットダイアグラムを見る限り、極めて高い性能を実現しています。とはいえ「6cm」という口径に限界があるのも厳然とした事実で、いずれにせよかなりニッチなニーズに向けた鏡筒と言えます。


トミーテックのBORG36EDは、このクラスの国産鏡筒として唯一のEDアポクロマートですが、元々は鏡筒径45mmの「コ・ボーグ」として展開していたものを鏡筒径60mmの「ミニボーグ」の規格に落とし込みなおしたもの。ボーグならではの拡張性の面では有利ですが、デザインが正直美しくなく、物欲を刺激しないというか、イマイチ魅力に欠けるのが惜しいところです。



次は海外製品です。


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この中で最も異質なのは、Sky-WatcherのEVO GUIDE50EDです。本来ガイドスコープとして販売されているものなので、ここで「望遠鏡」として取り上げるのもどうかと思ったのですが、光学系としてEDガラス(しかも、フローライトに匹敵する特性を持つと言われるS-FPL53)を採用した本格派で、それにも関わらず税込24200円と、比べるもののない安さです。焦点距離も短く、電視観望など小フォーマットのCMOSカメラと組み合わせるような用途では、入門用として最適と言っていいと思います。


笠井トレーディングとOrion Telescopes & Binocularsの製品は中国メーカーのOEM品で、他社からも同等の鏡筒が出ていたりします。これらやTeleVueの製品は、F値を見ても分かる通り、やや眼視に振った設計になっています。


一方、William OpticsやSharpstar、Askar*2の製品は写真用途を狙っているのが明確です。F値は5以下とおおむね明るく、イメージサークルも35mm判をカバーできるものが多いです……というか、イメージサークルのサイズを公表している時点で、ほぼ写真撮影前提ですね(^^;


最近登場したこれらの鏡筒ですが、光学系はいずれもレンズ間に大きな空隙を設けて設計自由度を上げたものばかりです。こうした設計は高性能を狙えるものの、実際の製造時に光学エレメントの芯出しなどに問題を抱えることが多く、従来は避けられがちだったところ。しかしこれを量産に持ってこれたということは、それだけ中国企業の製造・検品能力が上がったということを示しています。


また、レデューサーやフラットナーなどの補正光学系についていえば、以前の中国企業の鏡筒は2インチ差し込み型の汎用品を使うケースが多かったのですが、これらの写真用鏡筒に関してはねじ込み式の専用品が用意されています。この形の方が性能を出しやすいのは明らかで、こんなところからも本気度が伺えます。


加えて、価格はいずれも10万円以下と国産鏡筒に比べて圧倒的に安価です。


私が「BORG55FL+レデューサー7880セット」を買った2017年頃には、焦点距離200mm前後の撮影用鏡筒となると他にほぼ選択肢がなかった*3ので自動的にこれになりましたが、今なら上記の撮影用鏡筒に走りそうな気がします。特にAskarの2本は、スペックや仕様を見ても完全に「ミニボーグ殺し」で、「本家」のトミーテックに元気がない今、市場を一気に持って行ってしまうかもしれません。


なお、Askarの2本については、口径こそ小さいものの、焦点距離が短くかつ補正レンズもセットになっているという点で、小フォーマットのCMOSカメラと組み合わせての電視観望にも最適でしょう。


8cmクラス


現在において入門用に相当する口径の望遠鏡です。また、サイズや重量が控えめなため小型の架台でも運用しやすく、気軽に運用できるクラスでもあります。その人気のためか、口径 ~6cmクラスと比べて一気に種類が増えています。


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まず国内メーカーの製品ですが、光学系で分けると6機種となります。


この中でビクセンはラインナップの幅が最も広く、アクロマートのA81M、安価なEDアポクロマートであるED80Sf、同社SDアポクロマートのメインストリームであるSD81Sと、バランスが取れています。価格も比較的手を出しやすいレンジに収まっていて、いい意味で「無難 of 無難」といった雰囲気です。


なお、ラインナップのうち、ED80SfだけはSky-WatcherのBKED80 OTAWのOEM品となっています。仕様が他のビクセン鏡筒と異なるので同社のオプションが使えないことがありますし、また接眼部がクレイフォード式*4で強度に劣るため、重いカメラを取り付けたりするのには向いていません。納期を含めた入手性を別にすれば、標準で微動装置がついている分、BKED80 OTAWを買った方が良さそうに思います。



高橋製作所のラインナップは、大きく分けると汎用性のあるFC-76Dと写真用鏡筒のFSQ-85EDPの2種類。このうちFC-76Dは眼視により重きを置いたFC-76DCUと、接眼部強化により大型オプションの装着に対応したFC-76DSの2つに分かれます。どちらも同社製品の中では比較的手を出しやすい価格です。


FSQ-85EDPは、性能に定評のあるFSQ-106EDPの弟分といった存在で、天体写真に本格的に取り組もうとする人向けの構成になっています。ただ、イメージサークルはFSQ-106EDPよりずっと小さいので、35mm判以下のフォーマットで運用した方が快適そうに思います(イメージサークル自体は35mm判をカバーします)。



トミーテックはBORG72FLをラインナップ。「天体望遠鏡」としてのセットが用意されていないあたり、同社が写真撮影を強く意識しているのが分かります。F値が比較的明るく、軽量で取り回しも楽ですが、フローライトを採用している分、絶対的な価格としては決して安くはありません。性能自体はいいので、「組み立て式望遠鏡」としてのボーグに魅力を感じるかどうかがカギになります。



次は海外製品です。


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まず笠井トレーディングの製品ですが、これらはいずれも中国企業OEM製品で、他社製品でもしばしば見かける鏡筒です。他社同等品を含めて各所での評価を見る限り、性能は決して悪くなく、特に眼視性能については十分満足のいくもののようです*5。ただし、「『既に数台の望遠鏡を所有し、ある程度の知識と経験を有する天文愛好家』=『マニア』の方々のご購入を前提として開発・選定した」という同社のスタンスを考えると、全くの初心者にはお勧めしづらい部分があります*6。ある程度経験のある方が、買い替え、買い足しをする場合に候補に挙がってくる感じでしょうか。


SVBONYは、格安天文機材で最近存在感を急速に高めているブランドで、望遠鏡についても他社に比べて安価な値付けが目立ちます。鏡筒の供給元はおそらく笠井などと大同小異だと思いますが、SV503シリーズはピント調節機構がラック&ピニオンだったり、70ED用のフラットナー*7がねじ込み対応だったりと、少なくともカタログ上では想像以上にしっかりしている印象です。使われているEDレンズがS-FPL51ですし*8、補正光学系も簡素な構成なので性能に過度の期待は禁物ですが、ライトな使い方なら必要十分な感じがします。ただし、説明書類にあまり期待ができないのは海外製品の常で、検品等についても上記の笠井取り扱いのものと共通する部分があります。初心者にはそのあたりの敷居が高いでしょうか。


Explore ScientificとTeleVueは両社とも広角アイピースに強みを持つメーカーで、望遠鏡も眼視性能に重きを置いています。ただ、決して安くはないですね(^^;


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アメリカのOrion Telescopes & Binocularsは、数多くの天体望遠鏡等を扱っていますが、そのほぼすべてが中国企業OEM製品です。コストパフォーマンスは比較的良好ですが、古くからの製品だと作りが値段相応に粗かったり、接眼部が強度不足だったりと、問題があるものも少なくありません。その中でちょっと異質なのが「EON 85mm ED-X2 F6.6」。ちょっと調べてみるとすぐ分かるのですが、台湾Long Perng社「S560G-A 85mm triplet f/6.6 refractor」OEM品で、以前「天リフ」で詳細なレビューが上げられた「Founder Optics FOT85」のほぼ同等品なのです。
reflexions.jp


フォトビジュアル望遠鏡として見た場合の性能は優秀で、価格こそそれなりにするものの、もっと注目されていい鏡筒のように思います。



Sky-Watcherは、安価なアクロマートから本格的な写真用鏡筒まで幅広い品揃え。中でもSTARQUEST80は、等倍ファインダー、アイピース2本、天頂ミラーも含めて12000円という驚きの価格です。F値の明るいアクロマートなので色収差はそれなりにあるはずですが、トイグレードの怪しい望遠鏡に比べたらはるかにまともですし、初心者が「お試し」感覚で購入しても大きく後悔することはないでしょう。


BKED80 OTAWとEVOSTAR72EDIIは写真撮影にも対応した2枚玉EDアポクロマート鏡筒で、製品としてはEVOSTARの方が新しいものになります。コストパフォーマンスは例によって良好で、特にEVOSTARについては、4万円台でこのクラスのEDアポクロマートが手に入ると思えば破格と言っていいでしょう。ただし、これらの接眼部はすべて安価なクレイフォード式で、強度や精度に過度の期待は禁物です。


ガチな撮影を目指すならESPRIT 80ED。エアスペースタイプ3枚玉EDアポクロマートにフラットナーを追加した光学系で、回転装置を組み込んだ鏡筒の構造といいFSQのパクリ「プアマンズFSQ」といって差し支えないようなものになっています*9。FSQと違ってレデューサーのような補正光学系が純正品で用意されていないこと、そしてイメージサークルが狭いのが難点ですが、後者についてはAPS-C以下のサイズのセンサーなら何の問題もないと思います。



そして、ガチな撮影という意味で、Sky-Watcher以上に存在感を発揮しているのがやはりSharpstarとAskar。これだけの品質、明るさのものをこの価格で提供できるというのは、まさに驚異以外の何物でもありません。特にAskarのFRA400は、標準でフラットナーを内蔵し、35mm判フルサイズをカバー。さらにレデューサーを併用すれば、F3.9まで明るくなるという高性能ぶりで、マニアも十分に満足できるものになっていると思います。



10cmクラス


屈折望遠鏡としてはサイズ、価格、性能のバランスが良く、人気のあるクラスです。また、小口径のマクストフカセグレンもこのレンジに入ってきます。


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まず国内メーカーですが、ビクセンアクロマートのA105MII、SDアポクロマートのSD103S、写真性能を追求したAX103Sの3機種構成となっています。


A105MIIについては、アクロマートでF値を大きくせざるをえない関係上、かなり長大な鏡筒になっています。鏡筒長が1mを超えると手軽な感じではなくなってきますし、価格もそこそこして、ちょっと立ち位置の難しい鏡筒です。もし自分なら、この金額を出すなら口径を落としてED屈折か、反射/カタディオプトリック系に行くと思います。


SD103Sは自分も使っています*10が、眼視、撮影共に無難にこなす万能機。補正レンズ類も優秀です。泣き所は同社SDシリーズに共通の「光路に飛び出している錫箔」で、これが撮影時の星像に悪影響を及ぼします。これさえなければ諸手を上げてお勧めできるので、惜しいところです。詳しくは以下のレビューをご参照ください。
urbansky.sakura.ne.jp


AX103Sは3枚玉SDアポクロマートにフラットナーを組み合わせた光学系で、結像性能は非常に優秀です。ただ、写真用を謳っている割にはF値が暗く、ピント微動装置が標準装備でないなど、価格も含めて考えると若干のちぐはぐさは否めません。ただ、ピント微動装置が標準装備でないのは国産鏡筒に多い仕様ですし*11F値が暗い点についても、優秀なレデューサーHDが登場した今ではあまり問題にならないかもしれません。



高橋製作所は眼視を重視したFC-100DC、フォトビジュアルを意識した接眼部強化型のFC-100DF、結像性能をさらに向上させたFC-100DZ、そして写真派の定番であるFSQ-106EDPという製品構成です。FC-100Dシリーズの製品はいずれも優秀な性能で、価格も同社の製品としては比較的抑えめです。ただ、鏡筒バンドすら別売りだったり、補正レンズ類が全体的に高めだったりと、他のタカハシ製品同様、最終的には意外と出費がかさむ可能性があるのには要注意です。


FSQ-106EDPは写真派にとって定番中の定番だったFSQ-106EDのマイナーチェンジ版で、接眼部が使いやすくブラッシュアップされたもの。その代わりFSQ-106EDは受注終了となりました。実質的な値上げとも言えるでしょうか……。光学系は従来のままで、その高性能ぶりは万人の認めるところです。温度変化によりピント位置がずれやすいという弱点はあるものの、レデューサー使用でF3という明るさも唯一無二で、「いつかはFSQ」と思っている人も少なくないはずです。とはいえ、誰もが「本体のみで税込60万円超」という金額を気軽にポンッと出せるわけもなく、一生モノとはいえ、そこが泣き所ではあります。



トミーテックは90FLと107FLの2本立て。「90FL+レデューサー7872セット」以外は熱による膨張・収縮が少ないカーボン鏡筒がおごられており、光学性能も優秀です。ただ、その分割高になっている感じは否めません。2019年中に発売予定だった107FL用レデューサー「EDレデューサー0.7×DCQC」が大幅に遅れているのも気になるところで、昨今のトミーテック自体の元気のなさも含め、不安を感じないというと嘘になります。


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海外製品については8cmクラスの鏡筒と同シリーズのものが多く、その意味で特筆するものは少ない感じです。それにしても、相変わらずAskarの製品は出色のデキです。同社の他の製品同様、アストロカメラとして捉えるべき製品ですが、66mmものイメージサークルを確保してこの価格というのは破壊的と言っていいと思います。また、小フォーマットでの使用が前提なら、ESPRIT 100EDも悪くない選択肢だと思います。なお、レデューサーについて純正品はありませんが、例えばStarizonaからはESPRITシリーズでの使用を想定して開発されたApex ED 0.65x Reducer Flattenerが出ているので、こうしたものを利用すると良いと思います(イメージサークル30mm)。


一方、「眼視」という目線で見てみると、写真の場合と同様、3枚玉アポクロマートなどの方が性能的に有利なのは確か。しかし、レンズ枚数が多いと温度順応に時間がかかる場合があり、手軽な観望には向かない面があります。むしろコストを抑えた2枚玉EDアポクロマートの方が安定した性能を発揮させやすいですし、眼視の場合は主に視野中心部しか使いませんから、イメージサークル内の像の均質性を追及しても仕方ありません。その観点から言えば、最近の中華鏡筒は「レンズが多い方がエライ」的なインフレが起こりつつあるような気もしています。海外市場の特性なのかもしれませんが、「ドライバいっぱい載せれば高級なんだろ」と言わんばかりのイヤホンの恐竜的進化とも通じる部分がありそうです。


なお、節冒頭で触れた口径9~10cmのマクストフカセグレンですが、これらはいずれもSky-Watcherブランドを展開する南通斯密特森光電科技有限公司(Nantong Schmidt Opto-Electrical Technology)のOEM製品です。非常に歴史の長い鏡筒で、製造技術としては枯れきっているため、性能は安定しています。焦点距離が長くて高倍率を出しやすいので、月・惑星の観望に好適で、都心のような所でも楽しむ余地が大きいです。ただし、倍率が高くなりやすい分、架台はしっかりしたものを使いたいところ。あまりにやわい架台だと、振動ばかりが目立って不快です。

*1:公表していないからといって、撮影用途を想定していないわけでもないあたりがややこしいところですが(例:ボーグの各製品)

*2:Sharpstar、Askarともに嘉興鋭星光学儀器有限公司のブランド

*3:FL55SSは未発表、FS-60CBは補正光学系や鏡筒バンド、ピント微動装置等を含めるとそこそこ高額になるので。

*4:ドローチューブ側のレールとピントノブ側のローラーとの摩擦でドローチューブを前後させる方式。ギアでドローチューブを前後させるラック&ピニオン式と比べると、ギアの噛み合い具合によるバックラッシュがない、安価で製造できるといった利点がある一方、摩擦だけでドローチューブを支える構造のため、接眼部に重たい部品、カメラ等を装着するとスリップしてしまうという弱点があります。

*5:写真性能については、フラットナーやレデューサーが2インチ差し込み式の汎用品である以上、おのずと限界があるかと思います

*6:同シリーズの別鏡筒ですが、このような例もあります。https://tenmontyu2.exblog.jp/26922250/ 大手メーカーと違って検品にどうしても漏れが発生するため、こうしたことはたまに発生するのですが、不良品を不良品と見抜けるくらいの経験は必要です。また、説明書類も最低限です。

*7:というより、焦点距離が0.8倍になるあたり、レデューサーというべきでしょう。

*8:安価なEDアポクロマートによく使われている硝材で、フローライトやS-FPL53に比べると、対物レンズに使用した時の色消し性能は一般にやや落ちます。

*9:ファインダー台座ごとくるくる回ってしまう回転機構まで真似しなくてもとは思いますが。

*10:正確には「『デジタル対応SD改造サービス』を行ったED103S」。ED103SのドローチューブをSD103Sと同じものに交換したもので、ED103SとSD103Sの違いはドローチューブ内の絞りの位置だけなので、実質的にSD103Sと同じです。

*11:今時どうかとは思うのだけど。