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都心で撮った天体を振り返ってみる

天気が悪いですね。今週末も、せっかくの新月期&三連休だというのに台風が来ていて、あまり期待できない感じ。過去写真の再処理のネタもないので、東京都心からいままでどんな天体を撮ってきたのか、改めてまとめてみました(除 太陽系天体)。


振り返ってみると、中学生のころ以来の望遠鏡を買って天文趣味に復帰したのが2011年の8月で、早くも7年前のこと。オートガイダーを買ってから数えても、2012年の5月以来なので6年以上たちます。これでどれだけ撮れたのか……。

hpn.hatenablog.com
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まずはメシエ天体から。

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全110天体中49個が撮影済みです*1。意外とよく撮ったような、案外それほどでもないような……。

メシエ天体の内訳と撮ったものを比べてみると、

となっています。星雲系は全部押さえていて、系外銀河も過半数は撮っていますが、散開星団球状星団は目立って少ないです。散開星団は写真にした時の見栄えが悪いこと、球状星団はどれも同じように見えてしまうこと*2、といったあたりが影響しているのかと思います。


次にカルドウェル天体。カルドウェルカタログは、アマチュア天文家が観測しやすい天体をまとめたものとして、Sir Patrick Caldwell-Mooreが1995年にSky & Telescope誌で発表したものです。同カタログには全部で109個の天体が収録されていますが、このうち日本本土から見られるのは80個ほどです。

そこでC1~C80までを一覧表にしてみた結果がこちら。

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数にして18個。1/4にも届いておらず、まだまだといった感じです。

こうしてみると、愛称がついたものを多く撮っていることが分かります。愛称がついたものは、明るいものや形の面白いものが多く、被写体として映えるからでしょう。

一方、C60以降の南天の天体は全く撮っていません。高度が低くて、光害の酷い都心からではそもそも難しいことに加え、今の撮影場所のすぐ南側に強烈なLED街灯が陣取っているのが痛いです。あれをどうにかしないことには、南天低い天体は難しいと思います。


最後は、それ以外のもの9個。

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NGCやICのうち、比較的大きかったり明るかったりするものばかりですね。一応、メイン以外で写っているようなものは除外してあります(おとめ座銀河団とかキリがないので)。こう並べて見ると、見事に「赤いの」ばかりですね(^^; よい子は無理せず、Hαのナローバンドで狙いましょう(笑)


というわけで、7年でトータル76個。まさに、多いような少ないような……ですね。東京都心で撮っている関係上、たっぷりと露出が必要で、一晩にいくつもの天体をモノにするのはほとんど不可能。一晩で1天体というのもザラですから、数としてはこんなものでしょうか。単純計算だとメシエ天体を制覇するだけでもまだあと5~6年はかかる計算です。

もっとも、目標を立ててシャカリキになって撮るより、「好きなものを好きなように撮る」のが好きなので、メシエ天体制覇の日は来なさそうな気もしますが……( ̄▽ ̄;ゞ

*1:ただしM41はおおいぬ座を固定撮影で撮った時に写っていたもの

*2:系外銀河も、残っているのはもっぱら楕円銀河ばかりなので同根かも。