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夜明け前の即席撮影

そして昨夜、職場から帰宅後にまた出撃しました。実はこの日は飲み会があって、多少アルコールが入ってたのですが、なにしろこちらの移動運搬手段は「徒歩・人力」。酔っ払い運転の心配をしなくていいのは助かります(ぉぃ

この夜のメインは、2年ぶりの「オリオン大星雲」ことM42です。この日は都心としては非常に条件のいい空で、深夜には3.5等くらいまでは確実に見えていたうえ、プレセペ星団の存在も肉眼でなんとなく分かるほど。興に乗って夜半頃から明け方近くまで、じっくり時間をかけて撮ってたのですが……その分、画像処理が大変そうでまだ手を付けられていません。こちらは後日のお楽しみということで。


M42の撮影シーケンスが終わったのはちょうど午前4時ごろ。天文薄明開始まで1時間ほど残ってましたので、この隙間時間を使って、短時間で撮れる散開星団を久しぶりに狙ってみました。



2017年11月25日 ミニボーグ60ED+マルチフラットナー1.08×DG(D60mm, f378mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO100, 露出180秒×8コマ, IDAS/SEO LPS-P2-FF使用
ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド
ステライメージVer.7.1eほかで画像処理

とも座にある散開星団M46(左)とM47(右)です。ペルセウス座二重星団h-χと対比して「南の二重星団」などとも呼ばれることがあります。M47のすぐ北にはNGC2423という、やや小さい散開星団もあるので「三重星団」とでも言った方が適切かもしれません(^^;

本家の「二重星団」は、大きさ、明るさともに同じような散開星団が並んでいるものですが、こちらのペアは、やや暗い星が集まったつつましやかな印象のM46と、明るい星が点在して派手な印象のM47とが並んでいて、個性がはっきり分かれます。



なお、一見地味なM46には、小さな惑星状星雲NGC2438が重なって見えています*1。視直径1分ほどの小さな天体ですが、クローズアップするとちょうど「環状星雲」ことM57と雰囲気がよく似ています。


散開星団の場合、露出をかけすぎると星が白く飛んでしまい、味気ない絵になりがちですが、今回は露出を短めにするとともに、ダイナミックレンジの広い低感度域で撮影することで、うまく星の色を残すことができました。

散開星団は、星雲の写真と違って淡い領域を炙り出すような画像処理が不要ですし、露出時間も短くて済むので撮影自体がお手軽。さらに、露出時間が短いということは街なかからの撮影でも背景が白飛びする心配をしなくていいので、都心でも十二分に楽しめます。

まぁ、空の暗いところで撮った場合と比べると微光星の数が段違いになるので、ハンデがないわけではないですが……( ̄w ̄;ゞ

*1:たまたま同じ方向に見えているだけで、両者間には相互作用などの物理的な関係はありません。