PHD2の日本語マニュアルを公開しています。こちらからどうぞ。

個人サイト「Starry Urban Sky」もよろしく。

「PENTAX Q」に大型センサーは載るか?

PENTAX Qが発表された際、撮像素子の大きさに対してマウント径が大きかったことから「今後、1/2.33型より大きい撮像素子を搭載したカメラが出るのではないか」という推測が流れました。その後も、田中希美男氏のブログで、サイズの異なる撮像素子が搭載される可能性が言及されたり、体験イベントにおいてペンタックスの担当者が可能性を全否定しなかったりと、噂がいまだにくすぶっています。
そこでとりあえず、ここではQマウントの大きさを元に、どの程度の大きさの素子まで搭載できるのか見てみようと思います。

上の図は、こちらのサイトを参考にしつつ、Qマウントのマウント径、フランジバックと、レンズが完全な像側テレセントリックだった場合の光束を描いてみたものです。濃い色のラインは各々のFナンバーのレンズから収束する光が撮像素子の隅に結像する場合の最も外側の光経路を示したものです。ちなみに、Qマウント用のレンズで現在最も明るいのは「PENTAX-01 STANDARD PRIME」でF1.9。こうしてみると、Qマウントは1/2.33型の撮像素子に対して、サイズだけで言えば相当な余裕があるのが分かります。手ブレ補正機構などが場所をとるとはいえ、もう少し大きな素子は載せられそうです。

では、もう一回り大きい1/1.8型はどうかというと…実は1/2.33型とあまり印象は変わりません。そもそも撮像素子の対角長が1mm程度しか違いませんので、実装にはほとんど影響しなさそうです。現在発表されているレンズのイメージサークルがどの程度かは分かりませんが、このくらいまでの展開は想定しておいてあったとしても不思議ではありません。


これよりさらに大きい素子ではどうでしょう?上には2/3型と、ニコンのミラーレス機用としてしばしば噂に上る1型の撮像素子について描いてみました。単純に、光路がマウントでケラれるかという意味からいえば、一応、どちらもセーフです。しかし、実際にはマウント内には電子接点などもありますし、特に1型については厳しい感じがします。2/3型はひょっとしたら大丈夫かもしれませんが、現在2/3型の撮像素子は確かどこも作っていませんので、可能性としては薄いでしょう。

ちなみに上の図は、PENTAX Qの写真にそれぞれの撮像素子の大きさを書き込んでみたものですが、やはり1型はあまりに余裕がなさすぎです。
…というわけで、もし撮像素子のサイズ違いのボディが出るとすれば、1/1.7ないし1/1.8型の撮像素子を積んだものではないかと思います。まぁ、このあたりの展開はQが実際にどの程度売れるかにもかかってくるのでしょう。体験イベントの盛況具合を見ると、潜在的な顧客は意外と多そうな雰囲気ですが…。