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収穫……あり?

昨日は台風一過ということで、朝から雲一つない青空!

GPVの夜の予報がやや微妙なのと、翌日が平日という問題はありますが、週間予報によれば週末の新月期はまたぞろ天気が悪そうなので、いつもの公園に強行出撃してきました。

鏡筒は前回のリベンジを兼ねて55FL+レデューサー。なお、今回はアリガタの構成も変えて、ヘリコイドの前後に鏡筒バンドを配置できるようにしています。この構成なら、ヘリコイドの固定ネジを外してしまってもピント位置をしっかり固定できます。アリガタとネジの干渉を気にしなくていいので、精神衛生上も助かります。

併せて回転装置も取り去りました。スケアリングが狂う要因は少しでも排除したいところです。


課題のピント合わせについては、バーティノフマスクも入手しましたし、要求される操作の繊細さもシミュレーションでよく理解できたので、今度は大丈夫でしょう。

というわけで、薄明が残っているうちに、まずはピント合わせから。ベガを導入して大まかにピントを合わせたのち、バーティノフマスクで追い込んでいきます。ライブビュー上だと光芒が見づらいので、少し回しては撮影して確認、というのを繰り返します。


スタート時点では、目視でもずれているのが分かる状態。ここからヘリコイドの回転方向と回転量を見定めていきます。

行き過ぎたorz

もう少し……

よしっ!ピッタリ合いました(≧w≦)b


最後の方は、自分でもヘリコイドを回したか回していないか分からないほどの微妙な操作。シミュレーションの結果から考えると、おそらくひと目盛りの半分以下の動きのはずです。今回は事前に操作量の想像がついていたので追い込めましたが、ツールなしの初見では、まず不可能な操作ではないかと思います。



ピントがきっちり合ったついでに星像テスト。長時間露出のうちの1枚を抜き出した前回のものと違って、これはISO1600の15秒露出なので、シーイングや追尾エラーの影響をほぼ受けていないはずです。改めてこれを見ると、周辺部までほぼ点像なのがよく分かると思います(周辺部の星像を拡大して見ると、わずかに中央に向かって尾を引いています。)。


さて、準備は万端整ったので、目的の被写体にカメラを向けます。網状星雲の全景を狙うか、ケフェウス座のIC1396を狙うかギリギリまで迷ったのですが、時間帯が早くて光害がきついこともあり、より組しやすいと思われる網状星雲を撮ることに。

ところが、この頃から北西方向を中心に雲が一気に広がってきました。雲のないところでも、頻繁にちぎれ雲が通過して、まったく撮影になりません。このあたりは、写野が広い分、確率的に雲に邪魔されやすいという弱点が出た感じです。

しばらく我慢していましたが、しまいにはほぼ空一面が雲に覆われてしまいました。30分以上待っても一向に雲が取れる様子がなく、21時過ぎにあえなく撤退となりました。翌日が休みなら、もう少し粘ったところですが……。


というわけで、写真自体はものにできなかったわけですが、ピント合わせの感覚がつかめたのは大収穫。指先の微妙な力加減が頼りで*1予想にたがわぬ難易度ですが、どうにか使っていけそうです。

*1:K-ASTECのMFA-55FLのような微動装置を使えばもう少し楽になりそうな気はします。装置の構造自体は単純なので、工夫次第でなんとかできるかも?