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AFボーグ動作試験

組み上げた「AFボーグ」を持って、多摩川河川敷で試験撮影を行ってみました。

カモなどが渡ってくるにはまだやや早いですが、ウやサギなどの留鳥が格好の被写体になってくれます。



ミニボーグ60ED+F AFアダプター 1.7x, K-5IIs
ISO400, 1/800秒

対岸でカワウがくつろいでいます。中央の褐色の個体はおそらく若鳥でしょう。

縮小なしでトリミングしたのが上の写真。これで被写体までの距離は100m前後です。写り方と被写体の大きさを考えると、今のシステムだとこのくらいが限界でしょうか。これ以上距離が離れたり、相手の鳥が小さかったりすると写りが厳しくなりそうな気がします。



ミニボーグ60ED+F AFアダプター 1.7x, K-5IIs
ISO400, 1/1250秒



ミニボーグ60ED+F AFアダプター 1.7x, K-5IIs
ISO400, 1/1000秒

こちらは、すぐ目の前にまで来てサービスしてくれたコサギ。白いので色収差が目立ちやすい被写体ですが、気になるような色づきはありません。

等倍で切り出してみると、羽毛の1本1本までよく分離しています。レンズの性能も大切ですが、やはりいかにして鳥との距離を詰めるかが一番大事なのでしょう。このコサギは警戒心ゼロで助かりました(^^;


さて、実際に使ってみての感想です。

AFはやっぱり便利

完全にマニュアルでピントを合わせるのに比べて圧倒的に快適です。特に相手が動く場合、コンティニュアスAFである程度追うことができるのは本当に助かります。もっとも、ペンタックスのAFがそもそも性能、速度ともにビミョーなのは残念なところで、もしこれでキャノン並みの性能があったら本当に最強だと思います。

雲台の使い方

今回使ったのはマンフロットの「190プロアルミニウム三脚3段+RC2付き3ウェイ雲台キット(MK190XPRO3-3W)」に付属の「XPRO3ウェイ雲台」。強度などには全く問題ないのですが、構図をロックしようとハンドル類を締めこむとわずかに構図がずれます*1。なので、フリクションを固めに設定したうえで、ハンドルをロックせずに使うのが良さそうです。今回のセッティングの場合、カメラ、レンズともに軽いので、こうすることで問題を回避できました。別に雲台等を買い足す予算があれば、しっかり機材の前後バランスを取ったうえで、ビデオ雲台やフリーストップ型の経緯台を使うと良いかもしれません。

手ブレ補正に過信は禁物

ペンタックスの一眼レフはボディ側に手ブレ補正機能が載っているため、AFボーグでも手ブレ補正が有効になります。レンズ自体も軽く、手持ち撮影にもってこいなのですが……実際にやってみると、それなりに手ブレ写真が量産されます。背面モニタで一見ブレていないように見えても、写りが今一つシャッキリしていない場合の7〜8割がたは小さな手ブレが原因という印象。やはりしっかりした三脚があった方が安心です。

シャッター速度は積極的に上げるべき

上記の手ブレへの対策もそうですし、相手は生き物で動くので、シャッター速度は積極的に上げた方が成功確率は上がります。いまどきのカメラならISO1600くらいまで感度を上げても画質劣化が目立ちませんから、日中でも感度を高めにしてどんどん高速シャッターを切りましょう。その上で、連写で枚数を稼ぎ、構図を含めたトータルでの成功確率を上げるのがよさそうです。


しかし、普段星などを撮っていて、超望遠の世界にはある程度慣れているつもりでしたが、鳥撮りとなるとまったくの別世界。カワセミのダイブの決定的瞬間などを精緻に捉える先人の手腕には本当に頭が下がります。

*1:これは雲台の品質どうこうという話ではなくて、雲台の構造上仕方のない所です。他社の雲台や自由雲台でも同様だろうと思います。