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EdgeHD800足元強化〜ドブテイルバー交換

以前ガイド撮影をした際、撮影鏡がズレ動いたと考えられる流れ方をしました。EdgeHD800は2000mmもの長焦点ですから、わずかなズレが命取り。かなり強固に鏡筒を固定する必要があります。これまではビクセン規格のドブテイルバー+「プレートホルダーSX」で鏡筒を固定していましたが、これでは強度が不足しているのは明らかです。

そこでいろいろ考えた結果、システム全体をより幅広なCGE規格(ロスマンディ規格)のアリガタ・アリミゾで統一することにしました。具体的には…

  • EdgeHD800のビクセン規格のドブテイルバーをCGE規格のものに交換する。
  • SXP赤道儀の「プレートホルダーSX」をCGE規格(ロスマンディ規格)の幅広アリミゾに交換する。
  • 併せて、マルチプレートやED103Sのアリガタも幅広のものに交換する。

というのが基本線です。


また、せっかくの機会なので、親子亀式のガイド鏡の同架もできるようにCGE規格のドブテイルバーをもう1本と、ガイド鏡を載せるためのアリミゾも発注しました。ドブテイルバーはセレストロンの国内代理店である「シュミット」に発注。アリガタとアリミゾは以前もお世話になった「★コスモ工房」に製作をお願いしています。

運悪く「★コスモ工房」、「シュミット」ともに注文が立て込んでいたり、モノが国内になかったりで、発注してからモノが届くまで随分かかりましたが、「★コスモ工房」の方は先月末にモノが届きました。一方、ドブテイルバーは3月中旬頃に到着する予定だったのですが、先方の発注ミスで2本頼んだところが1本しか届かないという痛恨の事態に。まぁ、手持ちのパーツでなんとか並列同架のシステムは組めますので、ドブテイルバーの交換をやってしまうことにしました。

ドブテイルバーの交換手順

さて、一見簡単そうなドブテイルバーの交換ですが、実はいくつか罠がありますので、備忘録的な意味も兼ねて方法をここに公開しておきます。おそらくC8も方法としては同じだろうと思います。


上の写真がビクセン規格ドブテイルバーの固定状況です。筒先側で1本、主鏡側で2本の六角穴付ボルトでバーが固定されています。罠の1つはこのボルトの規格で、前者と後者では規格が異なるのです。しかもインチ規格とISO規格(ミリ)の混在という凶悪さ。

具体的には、前者のネジはインチ規格で3/16の六角レンチが、後者のネジはISO規格で3.5mm径の六角レンチが必要です。しかもドブテイルバーを買ってもレンチはついてきませんので、別途自分で用意する必要があります。ちょっと大きめのホームセンターか、通販を利用しましょう。


さて、上記のネジを外し、あとはCGE規格のバーに交換…と行きたいところですが、ここにも罠があります。


上の写真はビクセン規格のドブテイルバーとCGE規格のドブテイルバーを並べたものですが、バーの幅の違いに応じて、固定用のネジ穴の位置が異なるのが分かると思います。つまり、そのままでは鏡筒に取り付けられません。


鏡筒をよく見ると、ビクセン規格ドブテイルバーの外側にイモネジがはまっているのが分かります。ここがCGE規格ドブテイルバーを留めるためのネジ穴。イモネジで目隠しされているわけです。

このイモネジは2mm径の六角レンチで外すことができますが、ロック剤が塗ってあるらしく死ぬほど固いです。思いっきり力を入れて回してください(回す方向を間違えないように)。イモネジが外れたら、なくさないようにビクセン規格側のネジ穴に軽くねじ込んでおくとよいでしょう。

あとは元と同じように取り付けるだけです。


見るからに頑丈そうになりました。これで撮影鏡由来の流れからは解放されるのではないでしょうか。