PHD2の日本語マニュアルを公開しています。こちらからどうぞ。

個人サイト「Starry Urban Sky」もよろしく。

SXD2赤道儀発表

http://www.vixen.co.jp/lp/at_sxd2.htm
ビクセンから新赤道儀「SXD2」が発表になりました。発売は11月30日とのこと。

夏前にSXD赤道儀が販売終了になって以降、中堅上位クラスは空位となっていて、実質的にはハイエンドモデルAXD赤道儀のダウンサイジング版とでもいうべきSXP赤道儀が担ってきたわけですが、ここにピースをはめてきた格好です。

ただ、名前こそ「SXD2」となっていますが、駆動モーターがDCモーターからステッピングモーター(パルスモーター)に変更になっていることも含め、実質的にはSXPの廉価版という位置づけでしょう。もっとも、廉価版といってもSXPとの差はそれほど大きくありません。ビクセンのウェブサイトの情報を元に、下のような比較表を作ってみました。

これを見ると、SXPとSXD2の違いは赤緯軸の強度、使用ベアリング数、搭載可能重量の微減、鏡筒取付方法くらいです。SXPから見れば、これだけの違いで価格が6万円も安いわけで、かなり厄介な弟分ができたといえます。

ただ、SXDの後継として見ると、SXD2の立場は途端に難しくなってきます。

元々SXDはSX赤道儀の上位版として企画されたもので、SXを自動導入赤道儀の入門機とすれば、SXDはそれに飽き足らない中堅ユーザー、およびSXからステップアップしようというユーザーを受け止める役割を担っていたといえます。ところが、SXDの販売終了とSXD2の登場により、SXとその上の機種との間に大きな溝ができてしまいました。SXとSXDの価格差は8万円程度でしたが、SXとSXD2との価格差は実に15万円。ほとんどSXの倍の価格です。それでいて、モーター以外の基本性能はほとんどSXDと同じなのですから、ユーザーから見ると中堅機の実質的な値上げと言っていい状況。これは、SXの少し上を狙おうというユーザーにとっては苦しいでしょう。

精度や使い勝手の面で、DCモーターからステッピングモーターへの流れは歓迎ですが*1、ともすれば上を目指そうという気概のあるユーザーの意志を経済的にくじきかねない、少々危険なラインナップといえるかもしれません。


追記 2013.4.17】
もう少し詳細な比較表を作成したので、こちらもご参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/hp2/20130417/1366212682

*1:いずれはSXも、実質的値上げと引き換えにステッピングモーター化されるのかもしれません。