この週末は久々に天気に恵まれたので、もっぱら撮影ばかりしていました。
月
上弦以前の月は休みの日じゃないとまず撮れないので、自分としては結構貴重だったりします。撮影はK-7で静止画を数十枚撮影し、AviStack2で処理。前回と同じ方法ですね。違うのはカメラで、前回は天体改造したKissX5を使いましたが、カラーバランスの狂いに悩まされましたので今回は普通のカメラを。

2012年10月20日 ビクセンED103S(D103mm, f795mm) SXD赤道儀
Pentax K-7(ISO100) 露出1/50秒×76コマ
AviStack2およびステライメージVer.6.5で画像処理
1枚目は月齢5。高度が30度を切っている上にシーイングもあまり良くなかったので、撮影枚数を多めにしてみましたが、果たして効果があったのかどうか。大気によるプリズム効果で色ずれも起こってますし(直せる範囲で修正しましたが)。
それでも、北部には左右にきれいに並んだヘラクレス、アトラスの両クレーター、その南側に蜘蛛のように広がるタウルス山脈、中央やや下に丸く見える「神酒の海」、南部で存在感を放つ古クレーター、ジャンセンなど、見どころはそれなりに。秤動の関係で、南部の縁ギリギリには「南の海」が見えてます。

2012年10月21日 ビクセンED103S(D103mm, f795mm) SXD赤道儀
Pentax K-7(ISO100) 露出1/40秒×33コマ
AviStack2およびステライメージVer.6.5で画像処理
そして今日撮った月齢6の月。高度がぐっと上がったこともあって(それでも40度前後ですが)、像の鮮鋭度がまるで違います。中央に見えるティオフィルス、キリルス、カタリナの3つのクレーターがとても目立ちます。
月面図を片手に眺めていると、本当に飽きません。
木星
次いで撮影したのは木星。こちらは一眼レフの動画機能を試してみました。

2012年10月21日 ビクセンED103S+NLV10mm(D103mm, 合成f8189mm) SXD赤道儀
Pentax K-7 30秒の動画をRegistax6でスタッキング処理
拡大率を上げている関係で木星といえども像が暗く、かなりノイズが乗ってしまいましたが、それでも大赤班や南に隣接する永続白斑(といっても赤いですが)、大赤班後方の擾乱、北赤道縞から伸びる青灰色のフェストーンなどが見て取れます。ちなみに左下に寄り添うように写っているのは木星の衛星ガニメデです。それにしても、必ずしも絶好のシーイングとは言えない中、口径10cm&デジカメでここまで写るとは驚きです。
なお、こちらのページのRyuichi Iwamasa氏の写真がほぼ同時刻のものですが、これを対照として見ると、雰囲気としてはまずまずいい線行っているのが分かるかと思います。
とはいえ、やはりこうなるとせめて口径20cmクラスの対惑星砲&ImagingSourceあたりの動画カメラが欲しくなるわけで…( ̄▽ ̄;ゞ
M42(オリオン座大星雲)
昨シーズンは無改造のK-7かつノーガイドで狙っていた対象なので、ぜひとも撮りたかった被写体。今回は改造カメラにオートガイダー、光害除去フィルターもあるので、どこまで写るか楽しみです。

2012年10月21日 ビクセンED103S+レデューサーED(D103mm, f533mm) SXD赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO800, 露出90秒×17コマ ステライメージVer.6.5で画像処理
総露出時間は25分ほど。さすがに、空の暗いところで撮った写真と比べてはダメですが、新宿・渋谷から10kmあまりのこの場所での撮影にしてはまずまずではないでしょうか。少なくとも、昨シーズンの写真に比べたら段違いです。
明るい星雲だからというのもありますが、都心でもこのくらい写ってくれるとなかなか楽しいですね。
【追記】
アップした画像だとほとんど分からないですが、写真左下隅にオリオン座流星群の流星と思わるものがうっすらと写ってました。明るければ絵になるのでしょうけど、こうも暗いとまるで写真の傷のようにしか…(^^;