ご存知の方はご存知の通り、私はタンパク質工学を専門とする研究者なわけですが、その仕事の過程で、あるタンパク質と低分子との結合状態を予測する必要が出てきました。で、そのために、その方面では有名なフリーウェア群である「MGL tools」を導入することに。
しばらくは、このソフトを職場で使っているノートPCに入れて使ってたんですが、いかんせんCPUパワーが非力な上、画面も狭いので、作業効率が悪いんですよね。そこで、自宅のメインマシンにもソフトを入れることにしました。インストール自体は無事に終了し、早速「MGL tools」に含まれている「AutoDockTools」を起動しようとすると…
IndexError: list index out of range
と、エラーを吐いて起動すらしてくれません。海外のサイトを色々と調べてみた結果、どうやらこの現象、ATiのビデオカードを使ったシステムで起きるようで、例によってというかなんというか、ドライバとの相性のようです。確かに、ウチのメインマシンは昨年末にRadeon HD 5770に換装していて、条件に当てはまります。念のため、ドライバを最新のものに更新してみましたが効果なし。ということで、どうやらビデオカードを交換するしかなさそうです。
さて、問題は何に交換するかですが…せっかく交換する以上、5770より性能が下がるのは面白くありません。一方で、以前も書きましたがケース（Antec Solo）のサイズ上、挿せるカード長は22〜23cm程度が限界です。というわけで、この時点でGeForce GTX 460に自動的に確定。理由が理由だし、あんまりカネかけたくないんだけどなぁ…(T_T)
…というわけで、アキバで460搭載カードを物色することに。460搭載カードにはビデオメモリの容量が1GBのものと768MBのものがありますが、768MB版はチップ側のROPパーティションとメモリコントローラが1基ずつ削減されていて、性能が1GB版に比べて劣ります。ただその分安価なので、「AutoDockToolsを動かすだけ」という目的を考えれば、今回の場合はこれでもいいでしょう。
実際、いくつか店を回ってみると、1GB版は\18000〜22000、768MB版は\15000前後といったところ。必要ないとは分かっていても性能が制限されているのが気分的にイヤですが、768MB版でいいか…と思ったとき、フラッと入ったソフマップで見つけてしまいました、ヤツを…
捕獲したのはECSの「Black GTX 460」こと「NBGTX460-1GPI-F」。1GB版にもかかわらず、価格はなんと驚きの\14800！あまりの安さに、いわゆる「地雷」ではないかと警戒もしたのですが、店頭にてネットで調べてみると、逆にコアクロック765MHz、メモリクロック925MHz（データレート換算3700MHz相当）というオーバークロック品であることが判明（リファレンスはコアクロック675MHz、メモリクロック900MHz（データレート換算3600MHz相当））。それが分かった時点で、即決で購入してました。
さて、唯一心配なのはカードのサイズです。460のリファレンスデザインどおりならケースに収まるはずですが、クーラーが大きいと干渉しかねません。「Black GTX 460」は冷却性能に定評のあるAccelero製のTWIN TURBO PROをクーラーとして採用していますが、Radeon HD 5770と比べてみると、やはりクーラーの分、微妙に大きいようです。
が、案ずるより生むが安し。なんとかシャドウベイなどにも干渉することなく収まってくれました。ただし、クーラーだけで高さが52mmもあるため、実質3スロット分がつぶれてしまうので注意です。ウチの場合、M/Bが標準的なATXの上、拡張カードはオンキヨーのSE-90PCIだけですから、問題にはなりませんでしたが。動かし始めてみると、ファンの音も見かけによらず静かで、思った以上に快適です。
で、肝心の「AutoDockTools」ですが、ビデオカードを換装したらあっさりと起動。フリーウェアなので文句を言う筋合いはないのですが、以前から世界的に不具合報告が複数あがっているので、早いところ何とか対策を取ってほしいところです。…いや、対策を取るべきはATiか…？(^^;
ところで、自宅に帰ってから価格動向を調べてみると、この「Black GTX 460」、平均で\23000前後、最安値でも\17000あまりで販売されているもののようです。そりゃあ、そうでしょう。おおかた、768MB版と勘違いして値段を付け間違えたんじゃないかと思いますが…ともあれ、いい買い物をしました(￣▽￣) もし明日もまだ残っているようなら、狙い目だと思いますよん♪
