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10年を超えてなお輝く孤高のカメラ――キヤノン「PowerShot G1」

http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1010/22/news075.html
いやぁ、懐かしい!思えば、これを買ったのがデジカメにのめりこむ最初のきっかけになったのでした。記事にもあるとおり、今から見れば重くて大きいカメラ*1でしたが、明るいレンズ、バリアングル液晶、卓越した画質と、大変に魅力にあふれたカメラでした。
今でも手元にありますが、久々に電源を入れてみたら、いや起動の遅いこと遅いこと(^^; 撮影可能になるまで7秒あまりかかりました。液晶画面の小ささを含め、当時はぜんぜん気にならなかったんですが…技術の進歩と慣れって怖いですね( ̄▽ ̄;ゞ
で、当時G1で撮っていた写真をつらつら見返してみたんですが、昨今の極小画素カメラと違って無理をしていない分、解像感が素直ですね。発色も独特。補色系CCDは、感度や解像感の面で原色系CCDより有利な一方、時として俗に「補色くさい」といわれる妙に渋い発色をすることがありますが、G1の発色は「渋さ」とは無縁。ハマると実に気持ちのいい絵をたたき出してくれます。
というわけで、作例をいくつか。

今では、携帯電話のカメラですら1000万画素を超えてきていますが、G1の画素数は334万画素。しかし、画素ピッチを無理していない分、解像感は素直です。地面の草が、手前から奥に至るまで偽解像や偽パターンを形成していないことに注目。最近のデジカメでは、ノイズ処理の影響か、塗り絵みたいな不自然な描写になることが多々ありますから…。

こちらも、地面の笹がきちんと解像していますね。どうでもいいけど、鹿、こっち見んな(ぉ

G1の実力の一端がよく分かる1枚。コンデジでここまで写るとは驚異。遠景のディテールの消失具合も自然です。



G1の発色の本領が発揮されるのは、なんといっても青空と元記事にもある桜。測色的な面から言えば「ウソ」なんでしょうけど、ここまで思い切って記憶色の方向に振ってくれると、撮っていて気持ちがいいです。

バリアングル液晶があると、背の低い草花を撮るのも簡単。レンズが明るく、撮像素子が比較的大きい(1/1.8型)ので、背景もそれなりにボケます。思えば、マクロにハマったのもこれがきっかけなんだよなぁ…。

元記事にもあった高コントラストの被写体の例。画素ピッチに余裕がある分、ダイナミックレンジもそれなりに広いですし、変な暗部補正とも無縁ですので、自然で気持ちのいい描写です。

高感度での画質は、さすがに時代を感じさせます(^^; ISO400(しかも、これが設定できる最高感度)でこれですから…。とはいえ、場の雰囲気は良く出ています。あまり強力なノイズリダクションをかけていないせいもあるでしょうか。

*1:しかもこれで、グリップらしいグリップがない上に、ストラップが両吊りではないという…。元記事の「首からぶら下げると、どんな人でも前のめりになってしまう」というのは大げさにしても、我ながらよく持ち歩いていたよなぁ、これ