K10Dをドナドナしたときの某店のポイントがたまっていた上、状態の良い中古が安価に出ていたので購入。実際の出費は3万円を切ってます。
K10Dのときから継続して使っていたDA18-55mmF3.5-5.6ALは、K-7では明らかに解像度が不足していて写りに不満があったので、これまでもDA17-70mmF4AL[IF]SDMは購入候補に挙がっていたのですが、比較的大きくて重いのと、新品で約6万5000円という価格に二の足を踏んでいました。が、この価格なら買ってみてもよいか、と。「レンズにチリ・キズあり」ということで安く出てたんですが、見た感じでは特に目立つほどのキズ等はなく、大きな問題はなさそうです（実際、写りにも特に問題はなさそうでした）。
で、こちらがK-7に装着してみたところ。本体が小さいだけに、フィルター径67mmのレンズはさすがに大きく感じます。重さの方はレンズが485gということなので、カメラ本体（バッテリー、SDカード込みで約750g）と比べれば十分軽いはずですが、他の所有レンズが小型軽量だけに重みが際立ちます(^^;
さて、このレンズとDA18-55mmF3.5-5.6ALとで早速簡易レビュー…というか、ちょっとした撮り比べをしてみることに。撮影条件は、いずれもWB：太陽光、画像仕上：鮮やか、FS2 +1としています。
まずは歪曲や周辺減光のテストです（サムネイルをクリックすると大きいサイズの画像へリンクします）。
DA17-70mmF4AL[IF]SDM, 17mm, F4.0
DA18-55mmF3.5-5.6AL, 18mm, F3.5
広角端では、どちらも樽型の歪曲が認められます。歪曲の大きさは似たり寄ったりでしょうか。しかし周辺減光については、大きい前玉の効果かDA17-70mmF4AL[IF]SDMの方がさすがに有利。1段も絞れば減光はほとんど気にならなくなります。DA18-55mmF3.5-5.6ALの方は、比較した感じ、2段程度は絞る必要がありそうです。
DA17-70mmF4AL[IF]SDM, 53mm, F4.0
DA18-55mmF3.5-5.6AL, 55mm, F5.6
55mm付近では、どちらもわずかな糸巻型の歪曲が。ここでも周辺減光はDA17-70mmF4AL[IF]SDMの方が優秀です。
DA17-70mmF4AL[IF]SDM, 70mm, F4.0
ついでに望遠端も。ここでもわずかな糸巻型の歪曲が見て取れますが、問題になるほどの大きさではありません。周辺減光についても相変わらず開放から優秀で、1段絞ればまったく問題なくなります。
DA17-70mmF4AL[IF]SDM, 21mm, F4.0
DA18-55mmF3.5-5.6AL, 21mm, F4.0
DA21mmF3.2AL Limited, F3.2
こちらは21mm、絞り開放の条件で同じ被写体をDA17-70mmF4AL[IF]SDM、DA18-55mmF3.5-5.6AL、DA21mmF3.2AL Limitedで撮り比べたもの。DA17-70mmF4AL[IF]SDMは、画面の端の方まで収差がよく抑えられ、DA21mmF3.2AL Limitedに負けない端正な写りです。特にDA18-55mmF3.5-5.6ALとの比較では差は圧倒的。まぁ、*istDSの頃から売られているキットレンズと比較するのが酷ではあるんですが…(^^;
DA17-70mmF4AL[IF]SDM, 21mm, F8.0
DA18-55mmF3.5-5.6AL, 21mm, F8.0
DA21mmF3.2AL Limited, F8.0
F8.0まで絞っても、傾向はほぼ同じ。DA17-70mmF4AL[IF]SDMの場合、像の均質性はさらに向上して、周辺部まで十分満足のいく写りです。解像感やコントラストだけなら、DA21mmF3.2AL Limitedを上回っています。
DA17-70mmF4AL[IF]SDM, 53mm, F4.0
DA18-55mmF3.5-5.6AL, 55mm, F5.6
DA17-70mmF4AL[IF]SDM, 53mm, F8.0
DA18-55mmF3.5-5.6AL, 55mm, F8.0
ついでに50mm付近でもうワンショット。この焦点距離ではDA18-55mmF3.5-5.6ALもなかなか悪くない写りをしていますが、山門の木目などを見ると、やはりDA17-70mmF4AL[IF]SDMの方が解像度やコントラストで1枚上手といった感じです。
DA17-70mmF4AL[IF]SDM, 17mm, F4.0
DA17-70mmF4AL[IF]SDM, 30mm, F4.5
DA17-70mmF4AL[IF]SDM, 70mm, F4.0
ボケ味に関しては、広角側はリングボケの傾向があり、ややうるさい感じ。きれいなボケというわけにはいかないようです。望遠側ではこの点についてはあまり気になりません。最短撮影距離は28cmで、特別ものすごく寄れるというわけではありませんが、普段使いにはおおよそ必要十分かと思います。
SDM（超音波モーター）によるピント合わせは静かで快適ですし、ズームリングのトルクも硬すぎず柔らかすぎずで良い感じ。ネット上の評判では軟調気味で物足りないとの評価がよく見られますが、個人的にはヌケ・キレともに満足のいくものでした。
ただこのレンズの場合、総合的な評価を難しくしているのが大きさと重さ、そして価格ですよね。現行のキットレンズのデキもかなりいいようなので、それもネックでしょうか(^^; とりあえず、DA18-55mmF3.5-5.6ALからの乗り換えであれば、性能的には十分に満足できると思います。サイズが許容できて、かつ安く手に入れられるチャンスがあれば、手を出しても損はないかと。
