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SG-1000のバッテリー交換

現在、SXP赤道儀駆動用のバッテリーとして大自工業のSG-3500LED(DC12V, 20Ah)を使っていますが、以前SXD赤道儀を使っていた際には、消費電力が比較的少ないこともあって同じく大自工業のSG-1000(DC12V, 7Ah)を使っていました。

で、せっかく手元にこのSG-1000がそのまま残っているので、これを有効利用しようと考えました。とはいえ、内部バッテリーは寿命でダメになってるので、まずはこれを交換しなくてはなりません。

SG-1000のバッテリー交換については報告例が多数ありますが、実際、作業は本当に簡単です。

まずはバッテリー本体をショルダーケースから取り出し、側面のコの字形の金属板を抜き取ります。この金属板は本当にただ刺さってるだけで、留め具など一切ないので、まっすぐ引き抜けば簡単に取り外せます。

あとは中央にある2か所のタッピングビスを抜くだけ。両面から1か所ずつ留められているのでこれを外します。

するとケースが外れ、中身が現れます。内部は非常に単純な構造で、パーツの固定はケース内側の溝に頼っている状態です。ケースを外すと支えがなくなり、各パーツがほぼ、はんだ付けされた配線で繋ぎ止められているだけの状態になるので、作業中、無理な力をかけないよう注意が必要です。

なお、入っていたバッテリーはHUANYUのHYS1270というDC12V, 7Ahのものでした。


バッテリーは、いわゆるファストン端子で留まっていますが、この端子には抜け防止用の爪がついているため大変外しにくいです。力任せに引き抜くのではなく、端子の裏側から先の尖ったもので爪を押し上げるようにしながら引き抜くと比較的楽に抜くことができます。

バッテリーを取り外したら、代わりのバッテリーを装着します。モノはKung LongのWP1236W(DC12V, 9Ah)で、SG-1000の交換用バッテリーとして使用報告の多いものです。秋葉原秋月電子で2200円でした。容量は7Ah→9Ahへと増える一方、大きさや端子の形状は全く同じなので、特に苦も無く取り付けられます。あとは元通り組み立て直すだけ。

ACアダプターを挿すと、ちゃんと充電中のランプが灯ります。特に問題はなさそうです。


【2017年2月13日追記
コンセントに繋ぎっぱなしにしておいたところ、無事満充電になりました。バッテリー容量が大きい分、やや充電に時間がかかるような気はしますが。

EOS Kiss X5外部電源化

前段で、使わなくなっていたSG-1000をわざわざ復活させたのは、実はカメラの外部電源として使いたかったからです。

このところ長時間露出が増えてきたこともあり、カメラのバッテリーだけでは容量が心もとなくなっていました。この冬は、2時間ほども撮影を続けるとバッテリーの大半がなくなる感じで、安心して撮るためにはバッテリーグリップの使用が不可欠でした。バッテリー自体の経年劣化もあるのだろうとは思いますが、いつ電気が切れるかと気をもみながらの撮影は精神衛生上よくありません。

計画

そこで外部電源化です。ネット上を探してみると、シールドバッテリーのDC12Vを降圧してカメラに供給する事例が多数出てきます。電気工作はまったくと言っていいほど経験がない*1のですが、作業自体はそれほど難しくなさそうです。


ここで悩みどころは大きく2点。「DCの降圧をどうするか」「バッテリーボックスに入れるカプラーをどうするか」です。


前者については、秋月電子の降圧可変型DC-DCコンバータのキットを使う人が多いようです。が、なにしろこちらは自他ともに認める不器用者の上、はんだづけ自体、ほとんど初めてといってもいいくらい。キットの組み立てには少なからず不安が残ります。

が、探せばあるもので、同じ秋葉原aitendoで降圧可変型DC-DCコンバータの完成品を売っているのを発見。価格も秋月のキットと大差ないので、これでいいでしょう。こちらは降圧コンバータが使いたいのであって、キットの組み立てを楽しみたいわけではないのです。


後者については、いくつか手があるようです。多かったのは「互換バッテリーを殻割りしてガワのみを使用。電線はガワの内部を通して電極に直付け」という方法です。ただ、わざわざ壊すために互換バッテリーを買うのもシャクですし、仕様として純正のカプラーとは違うであろうことは容易に想像ができます。

考えられるもう1つの手は「純正カプラーを使用し、ケーブルは自分でなんとかする」という方法です。純正の「DCカプラー DR-E8」には、ACアダプターである「コンパクトパワーアダプター CA-PS700」と接続するためのジャックがありますので、ここにケーブルをつなげられれば大丈夫なはず。問題はジャックの仕様ですが、色々と調べてみた結果、外径3.0mm、内径1.1mmのものであることが分かりました。これに適合するプラグを探してみると、マル信無線電機のMP-121PSMP-121PNがそれに該当するらしく、秋葉原千石電商で取り扱いがありました。

最低限、このプラグの接続だけは自分でやらざるを得ませんが、このくらいは仕方がないでしょう。


このプラグの作製すら回避するのであれば、純正品のACアダプターの線を途中でカットして使う、安価な互換品のカプラー&ACアダプターを購入し、同様に線をカットして使うといった手が考えられます。しかし純正のACアダプターはあまりに高いですし、互換品は品質に不安が残ります。純正品のカプラーは、ノイズ対策かなにかのために中にコンデンサなどが入っているそうなのですが、安い互換品の場合はここがどうなっているか全くわかりません。機器の破損に直結しかねませんし、ここは慎重に行きたいところです。

なお、実はLanparteからケーブル付のDCカプラーが販売されています。国内での取り扱いはこちら。筐体のプリントなどを見るに、おそらく互換バッテリーのガワを利用したタイプのようです。中がどうなっているのかまったく不明なあたりがアレですが、どうしても工作がイヤならこうした手段もあるということで。

買い物&工作

というわけで大筋の方針は決まりましたので、土曜に秋葉原でお買い物。

買ったのは純正カプラーの他、片側にDCプラグの付いたケーブル、同じくDCジャックの付いたケーブル、シガーライターケーブル、DCカプラー接続用のL字プラグ「MP-121PN」といったあたりです。

降圧可変型DC-DCコンバータは、aitendoでLED表示器付DC-DCモジュール[M2596-SDC]を購入。表示器のないものとどちらにしようか少し迷ったのですが、出力電圧を直接確認できた方が安心だろうと考えて。また、入出力ケーブルの接続がネジで行えるのも助かるところで「はんだづけ不慣れ族」にはありがたい仕様です(^^;


コンバータ周りは、単に線をつないでいくだけなので問題なく進みます。

途中で一度電圧をチェック。ボリュームを回して出力を8.1Vに設定してみます。出力側にテスターを当てると確かに8.1V程度となっており、この表示機能はそれなりにアテにして良さそうです。

なお、表示部の右横に小さなボタンがありますが、これを押すごとに表示が「入力側電圧」と「出力側電圧」に切り替わります。最初これに気付かず、いくらボリュームを回しても電圧が変わらない……と首をひねっていたのは内緒です(^^;

コンバータはちょうどよく家に転がっていた透明のカードケースに入れてみました。軟質素材でケーブルを蓋の隙間から出すことができるため、ケースを加工する手間が省けました。サイズ感もちょうどいい感じです。

一方、カプラーの方ですが……プラグとジャックの対応はあっていたものの、外形が干渉してそのままでは挿すことができません。そこで、プラグのガワを取り払い、さらに余分な部分をカットすることでなんとか収まるようにしました。

あとははんだづけして……*2

ホットボンドで固めて絶縁すればOK。

全てを接続してカメラの電源を入れてみると、無事起動しました。バッテリーを入れ替えたSG-1000は、カメラのバッテリー(公称値7.2V, 1120mAh)の10倍以上の容量。降圧の際のロスを考慮に入れたとしても、これで電源の心配はしなくて済みそうです。

もっとも、自分の工作技術を全く信用していないので、別の意味で心配だったりするのですが……( ̄w ̄;ゞ

*1:一般的には、中学・高校の「技術」ではんだごてを使ったりもするようですが、ウチは進学校だったせいかその手の実技は全くなく、その後も工作の機会がありませんでした。

*2:ちなみに極性はセンタープラスでした。