というわけでリベンジです!(ぇ
先月、オリオン座の1等星リゲルのすぐ西側にある反射星雲「魔女の横顔星雲」ことIC2118(NGC1909)を狙ったのですが、光害カットフィルターが傾いて付けられていたせいか、星像やカブリがおかしなことになって撃沈しました。
星雲自体は写ってはいたので、普通にちゃんとやればできるはず……ということで、再度の「魔女討伐」に出撃したのが先々週の18日。

この日はほぼ一晩中月がないのでじっくり撮影できる、ということで喜び勇んでいつもの公園に来たのですが、到着したころにはドン曇り*1。たしかに、Windy(ECMWF, MSM)では南天を中心に雲が出やすい予想でしたが、それにしても……です。

が、21時を回る頃にはようやく晴れて撮影開始。さぁ、これからガンガン撮るぜ~!というところだったのですが……

23時ごろには再び南から雲が。このあと雲はどんどん広がり、あっという間に全天ベタ曇りになってしまいました。この日は結局、19コマ撮影して使い物になりそうなのが15コマ*2。露光時間にして80分……。さすがにこれではダメでしょう。
そのあとはしばらく天気の悪い日が続いたのですが、22日は夜中になってから晴れてくる予想。そこで、日付が変わった23日に再出撃をかけます。

この日は天気もバッチリでいい絵が取れそうな気がしていたのですが……好事魔多し。1コマ目を撮ったところでゴミが写りこんでいることに気づき、保護ガラスをブロワーで吹こうと思ってカメラを外していたら、手がかじかんでいたこともあってカメラが落下!あろうことか舗装された地面にゴツンッ!と……orz

幸い、カメラとしての機能自体は無事だったのですが、像に謎の影が写りこむようになってしまいました。撮像素子の状態が非常に心配ですが、あとからフラット補正でなんとかなるだろうと信じて撮影を続けます。結局、バタバタしたこともあってこの日確保できたのも19コマ中16コマ*3。まだまだ全然足りません。


ちなみに、心配していたカメラの方は、サーマルパッドから染み出たオイルブリードが飛び散っただけと判明。清掃してあっさりきれいになりました。その代わり、一緒に落ちたフィルターボックスはねじの部分に打痕がついて、ねじ込みがすっかり渋くなってしまいました。こちらはやむを得ず交換です。

その後、また晴れるのを待ち、27日、月没を待って再々出撃。予想では今度こそ安定して晴れそうです。

この日はようやく落ち着いて撮影ができました。都心でも0℃台でクソ寒かったですが……。とりあえず、リゲルの高度が15度ほどになるまで粘り、撮影終了です。この日は36コマを確保。前の2日間と合わせて67コマ……露出時間にして5時間半ほどを確保できた計算で、ようやく前回の失敗撮影時と同等程度にはなりました。
ただ、前回と比較すると、西に傾いて低空に向かいつつある中での撮影が多く、果たしてどの程度炙り出せるのか不安ではあります。
リザルト
とりあえず、撮影したコマを見てみます。最終日に撮った中で最も条件が良いと思われる1コマ目を、ASIFitsViewでオートストレッチした「撮って出し」はこんな感じ。

うむ、清々しいほど何も見えません(笑) さらに、対象が西に大きく傾いた最後のコマに至っては……

いやぁ、なんとかなるんだろうかね、これ……?
とはいえ、処理しないという選択肢はありません。とりあえず、撮影した全部のコマについてそれぞれダーク引き&フラット補正して、まとめてスタッキングしてみます。
が、2日目のオイル漏れの跡はさすがに補正しきれず、オイル漏れの輪郭に沿って明暗模様がハッキリと浮かび上がってしまいました。それでも無視してMGCで背景のカブリを除去してみますが、これも画像の縁付近でうまく働かず、辺に沿って妙に明るいところができてしまいます*4。頑張れば補正できないこともないのでしょうけれど……ここはもうすっぱり諦めて、オイル跡含めばっさりとトリミング。
なぁに、どだい無茶なことをやっているのですし、メインの天体さえきれいに残っていればいいのですよ
その後、画像が荒れるのを承知でGCをもう一度かけて残ったカブリを除去し、強調処理。一方、星像についてはStarNetで分離し、こちらは色合いを重視して処理を進めます。そうして最後に両者を合体させて……はい、ドンッ!

2025年12月18日、23日、27日 FRA300 pro(D60mm, f300mm) SXP赤道儀
ZWO ASI2600MC Pro, -20℃, Gain100, 300秒×67
IDAS LPS-D1フィルター使用
ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド
PixInsightほかで画像処理
ムリじゃなかった!(∩´∀`)∩
ようやく……ようやくどうにか形にできました。今回の撮影では時間帯的にことごとく南中を外していて、撮影条件は前回失敗時と比べても明らかに悪いのですが、それでもなんとか形にできたのはちょっとした自信になりますね。死ぬほどキツかったですが……orz
そもそも反射星雲というもの自体、輝線星雲と違って特徴的な色がないのでフィルターは気休め程度にしか効きませんし、光害の色とも近いので、GraXpertのようなAIツールをカブリ取りに使うと、星雲まで巻き込まれて描写がボロボロになります(苦笑) 結局、反射星雲を炙り出すには、カブリ取りにせよなんにせよ、パラメータを手作業でちくちく調整していくしかないわけです。もう一度やれと言われても、正直、二度とやりたくありませんし、できる気もしません(^^;

最後に、記念に南北逆転バージョン。「魔女の横顔」の意味は、この形になって初めて分かります。初めて自分がこの星雲の存在を知った時、南北逆に見るのを知らなかったため、どこが魔女の横顔なのか、ひとしきり首をひねったものです。