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3か月ぶりの出撃

長かった梅雨が明け、ようやく新月・快晴・週末がうまく重なってくれる日が来てくれました。そこで、金曜の夜、家事を終えた10時半ごろからいつもの公園に向かいました。


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この夜の狙いは、こぎつね座の惑星状星雲「亜鈴状星雲」ことM27。2013年2014年と撮っている対象ですが、当時はまだデジカメの感度と露出時間、光害との関係などに気づいていない時期でしたし、写りに不満があったのも事実。また、先に購入したIDASのNebula Booster NB1フィルターの効果を再確認したいという意味もありました。


さらに、なにしろ5月にアンタレス周辺を撮影して以来、実に3か月ぶりの撮影ですから、リハビリがてらに、組しやすい惑星状星雲を狙った次第。


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比較的淡いところも写ることを期待して、露出はISO100の15分としましたが、撮影し始めてみるとさすがは「準ナローバンド」とでもいうべきNB1フィルター。いつもなら容赦なくガンガン上がってくる背景レベルが、まったく上がってきません。撮って出しでこれなので、その威力には目を見張ります。


夜半から撮影を開始して、天文薄明の始まる3時ごろまでに12コマを確保して撮影終了です。


帰宅後、ダークフレームとフラットフレームを撮影し、これらを用いて処理を進めた結果、出てきたのがこちら。


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2019年8月3日 ED103S+SDフラットナーHD(D103mm, f811mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO100, 露出900秒×12コマ, IDAS Nebula Booster NB1使用
ペンシルボーグ25(D25mm, f175mm)+ASI120MM+PHD2によるオートガイド
ステライメージVer.7.1eほかで画像処理、中心部をトリミング

今回は、撮って出しの段階で被写体がよく写っていたので、あまり無茶な強調はしていません。デジタル現像の段階で色彩強調を行ったのと、StarNet++を用いて作成した星雲マスクでシャープネス処理を行う範囲を限定したくらいでしょうか。いつもこれくらい楽だったらいいのですけど……(^^;


それにしても、NB1フィルターの効果は絶大です。効果のほどは分かっていたつもりでしたが、ここまでコントラスト高く惑星状星雲を描くことができるとは思いませんでした。系外銀河や反射星雲でない限り、使いではかなりありそうです。