先日の皆既月食の写真、前後のコマを組み合わせて連続写真にしてみました。

完全な対称になっていないのはご愛嬌。それでも、なんとなく地球の丸い影が分かります。最後の1コマが雲に阻まれて撮れなかったのは残念ですが、月が地球の影を横切っていく雰囲気は出せたかと思います。
月の位置合わせには、ステラナビゲータの表示を利用。本影に対する各時刻での月の位置を表示して画像として保存し、これを下敷きにして月の写真を配置しています。
デジカメでの撮影が普通の今なら、こうやって簡単に合成できますが、銀塩写真の頃はフィルムを巻き上げずに撮影し続ける「多重露出」をしなければならず、一発勝負なのも相まってかなり困難な撮影でした(なので自分はやったことがありません)。
しかも、恒星時で動く赤道儀で普通に撮ったのでは、地球の影は楕円形に写ってしまいます。これは観測者が地球の表面にいるため、地球の自転とともに月を見る角度が変わる……いわゆる視差が発生してしまうためで、影を真円になるように撮ろうとすると、赤道儀の動作に微妙な補正をかけながら撮影しなければなりませんでした。これができると「天文ガイド」のフォトコンで最優秀賞が取れるレベル……というと、困難さのほどが分かるでしょうか?*1