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メインマシン新調 その3

前回まででメインマシンの大筋は組みあがり、残るはサウンド周りだけです。


これまでのシステムは、ONKYOSE-90PCIからRCAピンケーブルを通して同じONKYOGX-R3Xに繋ぐ構成でした。音質、使い勝手ともに良く、大きな不満はなかったのですが、もはやPCIスロットがほぼ絶滅状態であること、スピーカーのロータリースイッチの調子が悪くなってきたことから更新を考えました。


考えられるプランは5つ。

1. マザーボードの音声出力→アクティブスピーカー
一昔前に比べればマザーボードの音声出力の品質も良くなっていますが、それでもやはり「おまけ機能」であるのは確か。いまさらこれに戻るのは気が引けます。
2. サウンドカード→アクティブスピーカー
基本的に従来と同様の構成です、しかしサウンドカード自体、市場がだいぶ小さくなってニッチな製品になっているのは否めないところ。そんな中で生き残っているサウンドカードは、オーディオというよりゲーム向けの味付けの濃いものがほとんどです。不要なユーティリティの類も山盛りの感があって、あまり食指が伸びません。
3. USBスピーカー
USBに直結できるアクティブスピーカーを接続する構成です。単純なのが魅力ですが、選択肢はそれほど多くないのが気がかり。また、時々ヘッドホンを使うこともあるのでヘッドホン出力は必須ですが、これを備えているものが意外と少ない印象です。
4. USBDAC内蔵ヘッドホンアンプ→アクティブスピーカー
最近選択肢の豊富なUSBDAC内蔵ヘッドホンアンプにスピーカーを組み合わせるプランです。この場合、スピーカーはUSBDACのLINE出力に繋ぐことになります。そもそもがヘッドホンアンプなので、ヘッドホンの使用に何ら問題が発生しないのが美点です。
5. USBDAC内蔵プリメインアンプ→パッシブスピーカー
スピーカー用のアンプにスピーカーを繋ぐ、ある意味、もっとも正統派の構成です。この構成ではアンプを内蔵していない「普通の」スピーカーを使うわけですが、デスクトップで使うことを考えるとサイズが大きいものが多く、適当なものが見つかるかどうかが問題です。


品質などを考え、このうち3~5のプランで候補を探すことにしました。


しかし3については、比較的高音質で知られるOlasonicやKriptonのスピーカーはヘッドホン出力がありません。定番のBOSEのスピーカーにはヘッドホン出力端子が備わっていますが、残念ながらあのわざとらしい低音が大嫌いで……。

というわけで4を中心に物色し始め、ヘッドホンアンプとしてDENONのDA-310USB、スピーカーとしてそれこそOlasonicやKriptonのを考えていたのですが……ここで見つけてしまったのです、ヤツを。


DALI スピーカー FAZON MIKRO B [ブラック ペア]

DALI スピーカー FAZON MIKRO B [ブラック ペア]


DALIの「FAZON MIKRO」です。


DALIはデンマークオーディオメーカーで、入門機からハイエンドに至るまで多様なスピーカーがラインナップされています。FAZON MIKROはその末弟といえる存在で、デスクトップをはじめとしたニアフィールドリスニングに適した設計となっています。

サイズはデスクトップに置いても邪魔にならない大きさですし、曲がりなりにも本格オーディオ機器の端くれ、たたずまいもPC用スピーカーとは一線を画しています。


欲しい。欲しいが……むむむ……。


……って、迷っている時点で負け確定です(笑) 結局、このFAZON MIKROとDENONのプリメインアンプ「PMA-60」をお買い上げ。PMA-60を選んだのは、縦置き可能で省スペースなのが大きいです。加えて、ヨドバシ某店でスピーカーとのセット買いで割引になっていたのも。単純な合計では10万円を少し超えますが、9万円ちょっとで済みました。

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早速PCに接続して鳴らしてみます。


……うぅむ、素晴らしい。密度が高く精緻な音があふれるように流れてきます。音色としてはややクールな感じでしょうか。中音域は細かい音もしっかりと描き分けていますし、高音域は上まで抜けきります。これまで使っていたSE-90PCI+GX-R3Xも悪くない音だったとは思いますが、ベールがさらに1枚はがれた感じです。

ただし、弱点があるとすれば低音域で、アンプ側で調整しても量感が明らかに足りません。これまで使っていたGX-R3Xの再生周波数範囲が55Hz~20kHzだったのに対し、FAZON MIKROは95Hz~25kHzと低音側が伸びておらず、スペック通りではあります。もっとも、これはサイズを考えれば当然のことで、FAZON MIKROの場合、むしろ最初から低音域の再生をすっぱりと諦めてしまっている感があります。無理をしないという意味で、オーディオ的には正しい判断なのでしょう。


低音が控えめのこの音も、スッキリしていてこれはこれで悪くないのですが……

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買っちゃいました(テヘペロ


FOSTEXのサブウーファー「PM-SUBmini2」です。デスク周りでの使用に適した小型のサブウーファーで、価格もお手ごろ。一応、DALIにも「SUB E9F」というサブウーファーが用意されてはいるのですが、およそ30cm角とそれなりに大きく、アンプ出力も220Wもあってさすがにオーバースペックかと。その点、PM-SUBmini2はアンプ出力が50Wと控えめである一方、クロスオーバー周波数も自由に設定できるなど、機能面でも充実しています。デスク周りで使うなら最適解の1つでしょう。

もっとも、小型とはいっても20cm角ほどもあり、机の上に置くには邪魔すぎ。やむを得ないので机の下に押し込みます。

位置的にどの程度効果が出るか半信半疑だったのですが、実際に鳴らしてみると、音の座りのよさが大幅に改善。腰高だった音色が落ち着いて、音としてようやく完成した感じがします。


しかし、今回「オーディオ沼」のほんのほとりを歩いただけですが、「望遠鏡沼」などとは比べ物にならない、なんとも恐ろしい世界です(^^; オカルトじみた話が多すぎるのでハマることはないとは思いますが、不用意に足を突っ込んだりすると大変なことになりそうです。

残る問題

これでPCとして、またリスニング環境としてひとまずの完成を見たわけですが、問題も1つ。


PowerDVD16において、DTCP-IPを用いて同一ネットワーク上のDIGAに録画した番組を再生すると音が全く出ません。調べてみると、PowerDVDは代々USBDACを用いた音声出力に色々と問題を抱えているようで、音が出ないというのは半ばFAQのようになっています。

もっとも、ググると出てくる多くのケースと違って、Blu-rayの音は普通に再生されるのが不可解なところ。WindowsPowerDVDの設定を色々といじくりまわしてみましたが、、一向に音が出る気配がありません。


というわけで、どうにもならなさそうなので、スッパリ諦めてDiXiM Playを購入。以前は月額200円の定期課金が必要というクソ仕様でしたが、いつのまにか2600円の買切りプランもできていたので気兼ねなく。こちらは何もしなくても普通に音が出たので安心です。

PowerDVDは、ソフト終了後にしばしばブラウザが使えなくなる問題*1がある上、メーカー側はこれを修正つもりがなさそうなので、その意味でもせいせいしました。

*1:どうやらTCP-IPのTTL(Time to live)の値を勝手に変更した挙句、書き戻しに失敗した場合に起こる模様。http://homenetwork.livedoor.biz/archives/43782845.html