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惑星状星雲の大きさ比べ

ここ2回連続してNGCカタログに載っている惑星状星雲を撮りましたが、メシエカタログに載っている惑星状星雲に比べて「小さいなぁ」と改めて感じたので、今まで撮った惑星状星雲の写真を同縮尺で並べてみました。画角としては、キヤノンAPS-C機での約8778mm相当です*1



参考までに同縮尺の木星も並べてみましたが、NGC天体の方は、いずれも木星よりやや小さいくらい。惑星状星雲を見るときは高倍率をかけて……と言われますが、この小ささではそれも納得です。


では、NGC天体の方が見づらいのかというと、実はそうでもありません。ここに挙げた天体は数値上どれも同程度の明るさですが、メシエ天体の方は大きく広がっている分、明るさが分散されてむしろ暗く感じます。特に街なかでは光害の影響もあるのでなおさらです。私の住んでいる東京都心からだと、M27やM57でさえ、そらし目をしてようやく存在が分かる……という程度だったりします(周囲の明るさや、自分の目が鍛えられていないせいも大きいですが)。


一方、ここに挙げたNGC天体はいずれも、アマチュアの観望に適した天体を集めた「カルドウェルカタログ」に収載されているものです。それもあってか、どれも見やすいものばかりで、東京都心でも簡単に存在が確認できます。私でも青緑色がはっきり分かるのですから相当なものです。

写真を撮る場合も、これらは先のエントリーに挙げたように数秒の露出で写るのでガイドも不要。淡いものを無理やり炙り出すような画像処理もほぼ要りません。見かけの大きさが極めて小さいという点さえ除けば、こうした小型の惑星状星雲は被写体として、実は初心者にうってつけなんじゃないかという気もします。


なお、惑星状星雲はいずれも特定の波長の光を発しているので、観望にしても撮影にしても、これらの光のみを通すフィルター*2を使うと、コントラストがついて、見え方、写り方がずいぶん違ってきます。1万数千円〜2万円前後と少々値が張りますが、それだけの効果はあると思います。

*1:画角が中途半端なのは、思いつきで図を作り始めたため(^^;

*2:IDAS LPS-V4, Astronomik UHC, OPTOLONG CLS-CCDなど