PHD2の日本語マニュアルを公開しています。こちらからどうぞ。

個人サイト「Starry Urban Sky」もよろしく。

惑星状星雲ふたたび

例によってすっきりしない天気が続きますが、24日木曜日の夜はGPVなどの予想に反して久しぶりの快晴でした。新月期なので本当は色々と撮影したいところですが、平日の夜なのであまり時間をかけるわけにもいかず……ということで、先々週に引き続き、お手軽に撮れる惑星状星雲を狙うことにしました。

ターゲットにしたのは、はくちょう座の西側の翼付近にある「まばたき星雲」ことNGC6826。先々週撮影した「キャッツアイ星雲」と見かけの大きさ、明るさともよく似た天体です。気持ち、「まばたき星雲」の方が明るく大きいでしょうか……?



ちなみに、キャッツアイ星雲、まばたき星雲ともに、アマチュアの観望に適した天体を集めた「カルドウェルカタログ」に収載されています。カタログナンバーで言うと、キャッツアイ星雲がC6、まばたき星雲がC15になります。

観望に適しているというだけあって、いずれも都心でも簡単にその姿を捉えることができます。観察する場合は、思い切って高倍率をかけてみるといいでしょう。


さて、撮影方法ですが「キャッツアイ星雲」のときとほとんど同じ。ただ、今回は念のため、カメラがミラーアップした時の振動も考慮して、ミラーが跳ね上がって5秒後にシャッターを切るように設定してみました。もっとも、撮影結果を見る限り、それほど効果はなさそう。望遠鏡の組み付けや架台などがしっかりしているということで、喜ぶべきかもしれませんが(^^;


10秒露出で200枚ほど撮影し、ここから電車の振動でブレているものを除いた154枚をステライメージでコンポジット等の処理を行った後、Registax6でウェーブレット処理した結果がこちら。



2017年8月12日 EdgeHD800(D203mm, f2032mm) SXP赤道儀
Canon EOS Kiss X5 SEO-SP3, ISO800, 露出10秒×154コマ, OPTOLONG CLS-CCD for EOS APS-C使用
セレストロン オフアキシスガイダー+Lodestar+PHD2によるオートガイド

目玉を思わせるようなガスの濃淡が印象的です。「目頭」と「目尻」にあたる部分が明るく見えていますが、これはつい最近(約1000年前)、中心星から猛スピードで吹き出した物質が輝いているものです。


ところで「まばたき星雲」という愛称、てっきり目玉っぽい外見からついた名前かと思っていたのですが……中心星に注目するとその明るさで星雲部分が見えづらくなるが、そらし目をするとまた見えるようになる、つまり星雲部分が見えたり見えなかったりするということで「まばたき」(blinking)の名がついているそうです。

でもこれ、別にこの星雲に限った話じゃないような気がするんですが……(^^;