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自然分補給

梅雨明け以降、東京はさえない天気が続いていて、今の様子だと8月中旬以降まで天体写真は「お預け」になりかねない雰囲気です。そこで、ストレス解消に「新治市民の森」まで自然分補給に行ってきました。

近くでは、新たにサービス付き高齢者向け住宅の建設が始まっていました。郊外のニュータウンのご多分に漏れず、このあたりも確かに高齢者の数が増えている感じがしますので、もっともな話ではありますが……また緑が減るなぁ……。


森に入ると早々にオオシオカラトンボのオスが。そこいらじゅうにいる普通種です。ただ、ここには何度も通っていますが、どういうわけか今までメス……いわゆる「ムギワラトンンボ」に遭遇したことがありません。


しかし今日は運がいいのか、シオカラトンボとオオシオカラトンボのメスにそれぞれ遭遇。実際に森の中で見てみると、枯葉色のメスは目立たず、今まで気がついていなかっただけの可能性が濃厚です(^^;

池には真っ赤なトンボが。距離がありすぎてネキトンボかショウジョウトンボか識別に困りますが、脚が赤っぽく見えていたのでショウジョウトンボに一票*1


森の中は。この季節らしくセミの大合唱*2。数としてはニイニイゼミがかなり多い感じです。例年この季節なら、アブラゼミやミンミンゼミがもう少し頑張っていてもいいところですが……。

と、セミの抜け殻発見。触角の第三節が長めなので、アブラゼミでしょうか。

こちらは泥だらけのニイニイゼミの抜け殻。

調べてみると、都市部の乾燥化によって、幼虫が乾燥に強いミンミンゼミは増加傾向、乾燥に弱いアブラゼミは減少傾向とのこと。ニイニイゼミも本来は乾燥に弱いのですが、環境に適応して近年増加傾向にあるようです。たしかに、以前はニイニイゼミの存在感はこれほどではなかった気がします。


森の暗がりでよく見かけるクロヒカゲ。表側はほぼこげ茶一色で大変地味な蝶ですが、裏面の目玉模様が印象的です。

都心でもよく見かけるチョウ界のスピードスター、アオスジアゲハ。動きが速いので撮るのもなかなか大変ですが、運よくおとなしくしていてくれました。


アメリカでは「Japanese beetle」の名で知られるキング・オブ・害虫、マメコガネ。金属光沢があって、見ている分にはきれいなんですが……(^^;

害虫つながりで、こちらは果樹などの汁を吸って被害を与えるシロオビアワフキ。いわゆるアワフキムシの仲間で、幼虫は泡を分泌してその中に身を隠すため、この名があります。セミのような面構えですが、実際、分類的には近縁です。


夏はつい昆虫に目が行きがちですが、花も色々と。こちらはクサギの花。「臭木」という名前の通り、葉には悪臭があるのですが、花はおしべ、めしべが突き出してなかなかきれいです。果実は鳥たちのいい餌になります。

同じく、おしべが目立つセンニンソウ。こちらはキンポウゲ科のつる植物です。きれいな花ですが、キンポウゲ科のご多分に漏れず有毒植物。民間療法では扁桃炎の治療に使うこともあるそうですが……。

道端には紫色のかわいらしい花が。

花の形からするとシソ科かなぁ……と思って調べてみたら、どうやらアキノタムラソウのようです。名前に「秋」とついているくせに梅雨明け頃から咲き始めるとのこと。タムラソウという変わった名前の由来も不明で、色々と謎です(^^;

撮った写真を拡大してよく見たら、茎に幼虫が。おそらくヤブキリでしょうか?頭でっかちのかわいい子です。

*1:ネキトンボは脚が黒いこと、やや小柄なことで識別できます。

*2:あとはガビチョウの無粋な声と、行き遅れのウグイスが目立ってました。