先日の木星の写真、もう少し情報を引き出せるんじゃないかと思って再処理してみました。
Registaxでウェーブレット処理のパラメータをあれこれいじったり、ステライメージで画像復元処理をかけたりして出てきた結果がこれ。

赤道帯のガスの流れや北赤道縞境界の乱れ具合、南赤道縞の擾乱、大赤斑周辺でガスが渦を巻いている様子などがだいぶハッキリしたのじゃないかと思います。平面的になってしまっていた木星像自体も大幅に改善したはず。
これ以上、模様を強調しようとすると荒れすぎてしまうので、このあたりが今回の素材の限界でしょうか。これより良い素材となると、シーイングはもちろんですが、WinJUPOSのDe-rotationを頼りに、撮影時間(=スタックするコマ数)を伸ばして画像処理耐性を上げるくらいしかなさそうです。あとはカメラを新しい低ノイズのものに変えるか……。
しかし、後処理だけでこれだけ変わってしまうというのは「連続観測」という観点では問題ですね。私なんかはスポット的に観賞目的で撮っているだけなので実害はあまりないですが、本気で観測している人からしてみると、画像処理パラメータ1つで模様の濃さから何から激変してしまうわけで、正しく変化を追いかけるのが難しくなりそうです。