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K型微動マウント(K型経緯台) ファーストインプレッション

先日、「経緯台がほしい」と書きましたが、その後もいくつか情報などを集めつつ呻吟した結果……


こうなりました。


スコープテックで販売されている、3/8インチ仕様の「ミザールテック K型微動マウント」(K型経緯台)です。最近主流のフリーストップ経緯台にしようかどうか最後まで迷ったのですが、やはりしっかり固定できた上で、微動がついていた方が天文用としては便利だろうとの判断です。最悪、使い方に合わなかったとしても「ギア付き雲台」としてマクロ撮影等に流用できるだろうという計算も。


さて、経緯台……特にこの製品のように古く、かつ初心者向けと思われがちな機材だと、まともなレビューを見かけることもまずありませんので、簡単にファーストインプレッションを記しておこうと思います。なお、あくまで実使用前の段階での評価なので、その点は含みおきください。

箱の中には経緯台本体とアリガタ、簡単な説明書が入っています。ミザール(ミザールテック)の光学関連製品を手にするのは、小学校低学年の頃に親に初めて買ってもらった地上望遠鏡以来でしょうか。


ウェブ上にある商品写真だと大きさが分かりづらいですが、経緯台本体の全高はおよそ20cmほど。印象よりも大きく、がっしりしています。重さは1kg内外といったところでしょうか?構造が単純なだけにヤワな感じはなく、微動の動きも滑らか。実際に使い始めてみないと何とも言えない部分はありますが、それなりの荷重に耐えてくれそうです。


前述の通り、三脚に固定するための底面のネジ穴は3/8インチ仕様になっています。


付属のアリガタは、中央に1/4インチのカメラネジが装着され、その両側には1/4インチと3/8インチのネジ穴が、さらにその外側にはM5ネジ用のバカ穴が開いています。バカ穴間の距離は75mmとなっています。

装着されているカメラネジは特に工夫のないもので、しっかり締めるにはレンチかラジオペンチを使う必要があります。ここは残念なところです。


アリガタは、押さえネジの当たる位置にくぼみのあるタイプ。ただ、他の位置で押さえることができないわけではないので、一見、スライドさせることである程度の前後バランスを取れそうですが……押さえネジは比較的華奢で固定力が怪しいうえ、アリガタの抜け落ちを防ぐような構造は一切ないため、そういう使い方はしない方が無難でしょう*1


そもそもアリガタとアリミゾのフィッティングが怪しく、ご覧の通り、盛大に隙間ができてしまう有様なので過度の信用は禁物な感じです。


なお、アリガタは一見ビクセン規格のように見えますが、それより4mmほど幅の狭い独自規格です。


しかし幸いなことに、アリミゾの方は幅に余裕があり、ビクセン規格のアリガタを問題なく取り付けることができます。元々のアリガタを装着した時、「やけにサイズの合わないアリミゾだなぁ」と思いましたが、こういうことだったわけです。だったら最初からアリガタの方もビクセン規格にしておけば……というところですが、たぶん色々と事情があるのでしょう(^^;


なお、このアリガタ・アリミゾには注意すべき点がもう1つ。アリミゾ側の押さえネジのノブがアリガタの上面より1cmほど高い位置に来るため、横幅のあるものをアリガタに載せようとした場合、干渉する可能性があります。現在私が使っている双眼鏡の固定具もおそらく干渉してしまうので、なんらかの対策が必要でしょう。

真っ先に思いつくのは、クイックシュー&プレートを使う方法。上記の通りアリガタのカメラネジは、頻繁に使うには使い勝手がよくないですし、おそらくこれが最善手でしょう。ミニボーグ鏡筒DX-SDの三脚座がちょうどアルカスイス互換なので、この際、これに合わせてしまうのがよさそう。スリックやSUNWAYFOTOあたりのシュー&プレートなら比較的安く上がりそうです。

*1:説明書ではくぼみ部分で固定するよう指示があります。