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マンフロット 190プロアルミニウム三脚3段+RC2付き3ウェイ雲台キット(MK190XPRO3-3W)簡易レビュー

せっかく買ったので、一応、簡単にレビューめいたものを。



三脚は黒を基調に、マンフロットのコーポレートカラーであるイタリアンレッドが所々にあしらわれていて、なかなか格好いいです。そもそもマンフロットが購入候補に挙がったのには、このデザインも大きな要素の1つだったりします。やはり、外を持ち歩くものですし……。

笠井の「AZ-Palm経緯台」と組み合わせても合いそうです。



脚のロックはオーソドックスなレバー式です。レバー機構はマンフロットが「クイックパワーロック」と呼んでいるもので、大ぶりで指がかりの良いものです。片手ですべてのロックを一気に解除できるので、スピーディーなセッティングが可能です。レバー式は長期間使っているうちにだんだんロックがゆるくなってくることがあるのが欠点ですが、これを復旧するためのネジ締め用工具が脚に装着されています(2本のレバーの右側)。地味な気配りですが、ありがたいところです。

なお、マンフロットの190シリーズにはナット式のものもありますが、ロック状態が外見で確認できないこと、ナットを締めたり緩めたりする際に指や手のひらが摩擦で痛くなりがちなことなどから、個人的にはレバー式の方がおすすめです。



脚の付け根にある銀色のパーツをスライドさせてロックを外すと、ほぼ水平にまで脚を開くことができます。ただ、このスライドパーツは薄いために指がかけにくいのが難点。また、脚を閉じた状態から最大に開くまでの間に、3か所のクリックストップがあるのですが、クリックストップ位置では部品がかみ合ってロックの解除ができないので、少し脚を閉じてからスライドパーツを操作する必要があります。デザイン的にはすっきりしていて美しいのですが、できればパーツ自体の構造を見直してほしいところです。



三脚の架頭部分側面には「イージーリンク」と名付けられた3/8インチのネジ穴が設けられていて、これを介して外部照明など様々なアクセサリを取り付けられるようになっています。自分は使うことはなさそうですが、スタジオ撮影などを行う人には便利に使えることもあるかと思います。



この三脚最大の特徴が、真横に倒すことができるセンターポール。ローアングルの撮影や、真上からのブツ撮りなどに効果を発揮しそうです。操作はちょっと慣れが必要ですが、仕組みが分かってしまえばあまり迷わずに使えると思います。

買う前に心配だったのは、この複雑な機構があるせいでガタが発生するのではないかという点でしたが、センターポールをしっかり固定すれば、少なくともすぐ分かるほどのガタはなさそうです。



一方、雲台の方ですが、パン、ティルト方向について、フリクション調節ダイヤルで動きの固さを自由に調節することができます。レベル方向については、明示的にフリクション調節ダイヤルのようなものは用意されていませんが、グリップのついたネジ(上写真奥)の締め付け具合を加減することで動きの固さを変えられます。



パンハンドルとサイドティルトハンドルは伸縮式になっていて、これを縮めることでコンパクトに収納できるということになっています。とはいえ、自由雲台などと比べるとそもそもがかさばるので、恩恵は微妙なところでしょうか。まぁ、収まりがよくなるのは確かです。



カメラの取り付けはクイックプレートを介して行う方式。プレートはマンフロットの独自規格(Q2)です。プレートのロック解除は2段階になっていて、容易にプレートが脱落しないようになっています。一方、装着するときはプレートを上から下に押し込むようにすれば、バネの力で一瞬でロックがかかります。



プレートのカメラ固定ネジにはノブがついていて、コインなどを使わなくてもネジを回せるようになっています。ただ、まだ新品のせいかノブの引き起こしが非常に固く、ネジの回転も渋めです。使っているうちに柔らかくなってくるでしょうか……?



このシステムの難点を上げるとすれば、プレートに前後の方向があることでしょうか。プレートには切り欠きがあり、ベースの突起部分とかみ合う方向にしかプレートが入りません。3ウェイ雲台の場合、標準的な使用方向ではパンハンドルが邪魔になって大きな仰角を取れません。このような場合、前後逆に機材を取り付けることになるのですが、プレートに前後の別があるため、いちいち固定ネジを緩めてプレートの向きを変える必要があります。前後対称ならプレートを雲台に装着しなおすだけで済むので、惜しい作りです。


なお、Hejnar Photoからはこの雲台をアルカスイス互換にするためのキットが販売されています。これを使えば上記の問題が解決する上、汎用性も高まりますが……さて、どうしましょうか。