PHD2の日本語マニュアルを公開しています。こちらからどうぞ。

個人サイト「Starry Urban Sky」もよろしく。

金環日食

今日は、子供のころから待ち続けていた金環日食の日。機材の準備は万端なものの、昨日の時点では天気予報はかなり微妙。少なくともかなり雲が多くなりそうではありました。ただ一方で、雲量の予測にかなり幅がある状況だったので、あわよくば…という期待も。はてさて…?


4:50 起床。本当は5時過ぎまで寝ているつもりだったのだけど、やはり興奮していたのかほとんど眠れず。天気も気になるし、諦めて起きだす。空を見ると、頭上は青空が見えているものの、東から東南にかけて厚い雲があり、太陽は見えない。


5:20 望遠鏡のセッティング開始。雲の隙間から朝日が顔をのぞかせる。俄然、テンションが上がる。


5:40 望遠鏡のセッティング終了。太陽は再び厚い雲に隠れる。また太陽が出てこないかなと思いながら、コンビニで買ってきたパンと缶コーヒーで朝食。


6:00 犬の散歩をさせていた、通りすがりのおじさんに声をかけられる。「今日はダメかもねぇ」などという会話を交わす。


6:19 第一接触…のはず。太陽は依然として雲の中。それどころか、東南の空にはさらに厚そうな雲が見える。


6:30 ふと気づくと鏡筒の上に水滴が。いつの間にか雨粒がパラパラと落ち始めている。


6:40 雨粒の落ち方が激しくなってきた。たまらず家から傘を持ってきて、望遠鏡に差し掛ける。

近所のおばさんが日食の様子を見に外に出てきたが、雨に気づいてあわてて引き返していった。う〜ん、雨の中、自分は1人で何をやってるんだろうか…。このあたりで、かなり本気で機材の撤収を考えた。

しかし、空を見上げなければ日食は絶対に見られない。「諦めたらそこで試合終了ですよ」安西先生の言葉がふと思い浮かぶ。


6:50 雨がやんで、東の空がわずかに明るくなってきた。まだ望みはある。


6:55 ついに、半分ほど欠けた太陽が薄雲の間から顔を覗かせた。機会を逃すまいとシャッターを切る。しかし、空の状況が刻々と変わるため、露出の決定が難しい。

また、雲による減光が激しく、眼視用のアストロソーラーフィルターだと濃すぎてなかなか見づらい。これは予想外だった。

日差しが戻ってきたのを見てか、先ほどのおばさんを含め、近所の人数名が集まってきた。ガイド鏡を利用した望遠鏡2台体制のおかげで、望遠鏡を覗かせてあげても撮影を続けることができる。昨年末の皆既月食の時の教訓が生きた形。


7:32 第2接触。残念ながら接触した瞬間は厚い雲に阻まれ、見ることができず。とはいえ、すぐに雲の塊は通過し、薄雲越しにリング状になった太陽が肉眼でも確認できる。


7:34 食の最大。完全な同心円状に。薄雲がかかっているとはいえ、太陽の高度の割に明らかにあたりが暗い。なんとも弱々しく心もとない明るさだ。日食の仕組みを知らない古代の人は、さぞや肝をつぶしたことだろう。


7:37 第3接触。今度は雲に邪魔されることなく、ベイリービーズを捉えることができた。見る見るうちにリングが切れていく。


7:40 あたりも徐々に明るくなってくる。薄雲越しのため、フィルターや日食グラスを通すとかえって見づらいのは相変わらず。雲でそこそこ適度に減光されるため、フィルターなしでも欠けた太陽の形が結構はっきり写る。


8:00 まだ7割近く欠けている状態だが、出勤時間が迫ってきたため撤収。観望に参加してくださった方々、朝早くお疲れ様でした。


というわけで、一時はどうなることかと思ったものの、無事、金環日食を見ることができました。太陽がらみだと、次は金星の太陽面通過ですね*1。前回は曇りで見れなかったので、今度こそ。

*1:6月4日に部分月食もあるんでお忘れなく。